劇場公開日 2022年2月25日

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「ポリコレ臭がキツイのは置いておいても、ヒロインの描き方破綻していませんか・・・」シラノ お抹茶さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ポリコレ臭がキツイのは置いておいても、ヒロインの描き方破綻していませんか・・・

2022年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最高位の貴族から求婚されるほどの美貌のヒロインをめぐる2+1人の物語。
(主人公シラノ、同僚クリスチャン、伯爵 と ヒロインのロクサーヌ)
これまで数多くの男から言い寄られていたヒロインが初めて一目ぼれするのが黒人の男性。
中身関係なく外見だけで一目ぼれ。17世紀のフランスで。うーん、あり得ないんじゃないですか。
白人女性が白人男性に一目ぼれするのは、ポリティカルコレクトネスの観点でもはや許されないのかもしれませんが、現在ならともかく少なくとも17世紀フランスで黒人男性への一目ぼれはありえないのでは。

100年以上前に公開された演劇での主人公は鼻の大きなブサメンだったのが、今作では小人症の男性に置き換わっています。文才と剣術の才能に恵まれている設定は当初の作品と同じですが、小人症の人が剣を使いまわすことができるのかなと思ったりします。この変更の意図はなんだろう。

ヒロインの男性への嗜好が外見重視から内面重視に置き換わりますが、うーん、破綻していませんかねえ。彼女が一目ぼれしたのは、賢いイケメンではなく、単なるイケメン。中身なんかどうでも良かった。せめて賢いイケメンに一目ぼれするなら内面重視に切り替わるのもわかるのですが。
(まあ、そうなったら主人公が代筆する話が成り立たなくなるのでしょうが)

100年以上前の演劇をそのまま映画化しても面白味がないのかもしれませんが、ポリコレ臭がキツく感じられました。

ちなみに、シラノ・ド・ベルジュラックという人は実在の人物ですが100年前の演劇の段階でかなり脚色されているそうです。

お抹茶