劇場公開日 2022年8月26日

「銀行員の使命とは?」アキラとあきら keytonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0銀行員の使命とは?

2022年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 池井戸潤原作の映画は『七つの会議』以来で、そんな経験値の低い自分が渋々サービスデイを利用して観賞したのが今作でした。約130分と長い映画で集中力が持つのかどうか不安でしたが何とか乗り切れました。お堅い映画かと思いきや、銀行員としてのプライドや意地、人間味のある人物ばかりでとても面白かった。
特に、「確実性」がキャッチフレーズの鬼上司である不動は結構お気に入り。冷徹でありながら、産業銀行全員が積み上げてきた信頼を背負っている、という強い責任感を持っているが故の冷徹ぶりなので、主人公山崎のプランに軽く賛同できないスタンスを取らざるを得ないのも無理はないと思いました。
 冒頭の模擬融資のシーンは静かに拍手してしまいました。これは町工場で育った山崎にしか見破れない偽装工作で、また、階堂には今後問題を引き起こす叔父二人と同じ血を引いている伏線にもなっているので、この時から二人の宿命が始まったと感じました。
 社会派映画としては胸アツの映画なので、映画に興味のない人でも観てもらいたい作品です。

keyton