劇場公開日 2022年8月26日

「爽快感少なめだが安定の面白さ」アキラとあきら kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5爽快感少なめだが安定の面白さ

2022年8月31日
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鑑賞方法:映画館

池井戸潤の小説は、前半嫌な思いをした分最後はスカッとした決着で終わるというのが定番の流れ。原作は読了済みだが、2人の運命が交錯していく感じが面白いと小説だったイメージ。誰かに嫌がらせを受けたり嫌なことを言われたりするような内容ではなかった。
かなり長い小説だったので映画ではどんな感じになるのかと心配していたが、とてもきれいにまとまっていた印象。2人のあきらが絡むシーンが少し物足りないのはエピソードが少し削られているから。それは仕方ない。
池井戸潤の原作がそもそも面白い小説なので安心して観ていられる。やはり若干の問題はキャスティングか。東海グループのあきらのおじさんたちと上司の江口洋介が少し嫌な役回りだが、クセが弱めに感じてしまう。明確な悪役を設けていないってことなんだろう。
だからクライマックスでの爽快感も少なめに感じてしまう。池井戸潤原作といえばこの爽快感を求めてしまうのは完全に半沢直樹のせいだ。
問題とも感じるキャスティングだが、意外な人が意外な使われ方しててちょっと面白かった。山内圭哉はホントに少しだけの出演だから見逃すところだった。本当に妙なキャスティングだ。

kenshuchu