「ワガママを通す胸にあるものを思い知れ」ハケンアニメ! N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
ワガママを通す胸にあるものを思い知れ
原作未読。
12話完結アニメ製作の、死闘を思わせる群像劇。
その過程で他人を己の手足と使うという監督が、わがままを通すための根拠と責任。説明し、負い続ける胆力のチキンレース。
モノづくりは一人でも大変だが団体戦はさらに濃い。
その濃さと濃いからこその熱さを、
根性論かとうわ滑ることなく大人目線で描き切った1本。
スタンプラリーの取材シーン「リアル以外を豊かにする仕事」のくだりが、これまでとは違う角度で作り手へのリスペクトを表しているように感じ取れ、とても刺さった。
(安直に褒めるのではなく、自分にはよく分からない世界だが、自分には分からないくらいスゴイ世界なんだ、という謙虚さ込みのやり取りが斬新だった)
誰かの心に刺され。
会ってもいない人に数時間で一生の記憶を植え付けるなど、
仕事としてはとんでもない見返りだろう。
だけに負荷も相当。
挑み続ける人の胸にあるものを思い知れ。
そんなメッセージを感じ取る。
白組にproductionIGもいっちょカミだった。(きっとアニメパート)
ポンポさんも、バクマンも、大詰めで一度は倒れる。
劇中アニメ、物語を理解していないにもかかわらず、ラストは見入ってしまった。
そう、なぜか見ながら「愛にイナズマ」が脳裏をよぎった。
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