「TVアニメ「SHIROBAKO」の完成度の高さを感じます。」ハケンアニメ! よしさんの映画レビュー(感想・評価)
TVアニメ「SHIROBAKO」の完成度の高さを感じます。
天才監督に挑む、新人アニメ監督の奮闘を描く物語。
人気小説、その小説の第2章を原作にした映画のようです。アニメ好きとしては観ておきたかった映画で、鑑賞後の感想も中々の佳作のように思いました。
主人公の斉藤と、彼女をしっかりと演じきった吉岡里帆が良いですね。
不幸な生い立ち。その生い立ちに一筋の光をもたらした天才監督・王子の背中を追う斉藤。プレッシャーに蝕まれながら、それでも前に進みます。中盤迄の苦しみがあるだけに、後半の展開が良いですね。スタッフや声優との関係改善等が描かれ、カタルシスを感じさせてくれます。
全体的にテンポも良く、王子との対立軸もしっかりとしていて、良い映画だと思いました。
ただ、良い映画だけに、逆に残念に感じたところが3点程。
一つ目は、アニメ業界の説明が乏しいこと。私はアニメが大好きなので分かりますが、興味がない人は理解するのは難しいシーンがチラホラ。斉藤のモノローグ等で説明してもテンポは落ちなかったと思うのですが・・・
二つ目は、斉藤と行城との関係。ロビーでいきなりキレて行城を擁護する斉藤。でも、そこまでの関係を考えると脈絡がなさ過ぎて驚きます。もう少し前振りを用意するか・・・逆に、斉藤が自分の発した言葉に驚き戸惑うか・・・どちらかがないと唐突過ぎて納得感がありません。
そして最後。先に褒めた対立軸。天才監督と新人監督の設定になっていましたが、これはどうなんでしょう。天才監督がそのプレッシャーに苛まれながらも必死に完成度の高い作品を目指しているわけで、新人監督が追いあげるシチュは説得力に欠けるように思われます。
後半、斉藤が書き直しを決断しクライマックスに突入しますが、同じことはそれ以前に行城もしているわけで、折角のクライマックスが二番煎じになってしまっていることもマイナスに感じました。
対立軸を作るなら、コナンやガンダムのようなビッグネームとの対立軸にしてしまった方が、よりコントラストがはっきりして良かったのではないでしょうか?
或は、傲慢になってしまった天才監督との対比にするか・・・
私的評価は普通にしました。