「王道邦画」ハケンアニメ! よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
王道邦画
原作未読
またやられてしまった。
見始めてしばらくしてそう思った。
大怪獣のあとしまつの「伝わらなかった」プロデューサーがこの作品を担当してるということで不安99%で観に行った。
“また”予告編のテンション感と本編のテンション感が違うような気がした。
個人的にはバクマン。みたいな明るくてポップな感じを想像していくと実際はゆっくりと話す間を持った喋り方等々静かな雰囲気。
もちろん笑えるシーンもあるし、最後の最後は爽快感があってカタルシスを得れる場面があるのだがそれまでのタメがすごい長かった。
この宣伝とのイメージの違いを除いても気になってしまう点が幾つか。
例えば声優さんとの関係に悩む瞳が葵のインスタを見て声優さんも真剣に取り組んでくれてる事に気づいたシーン。
自分1人で作ってるわけではないと気づく転機のシーンとして描いてるんだと思う。
が、その後瞳が走り出した時に「あ〜また典型的な邦画あるあるじゃん」と思い、その後レコーディングスタジオに葵が都合よくいるのだ。
もし原作にあるのなら申し訳ないがベッタベタすぎて笑ってしまった。
さらに言うと、主人公が監督を務めるアニメ「サウンドバック」のバックボーンもよくわからない。
原作なしの完全オリジナルアニメという事はわかるが、主人公がどの程度企画から携わっているのかがよく見えない。
最後の最後になってプロットは監督が書いてたんだなとわかるがそれを最初に言わないとこちらとしても主人公の想いに乗れなかった。
さらに作品の根幹に関わることで申し訳ないが、もう今の時代「視聴率の高さ=ハケンアニメ」では無いと思う。
見逃し配信で伸びるアニメやSNSで話題になるアニメもあるので人気の指標が視聴率と円盤売上なのはいくらなんでも古いかと。
原作が書かれた時はそうかもしれないが原作が出てから8年の間で時代も変わったのだからアップデートしてお話を作っても良かったのでは。
また視聴率発表の演出もそんなにワクワクしない。
もっとグイグイ伸びて迫ってきてるぞというワクワク感を音楽と映像と編集でもっともっともっと表現できたのでは無いだろうか。
例えば放送中のアニメの映像を挟むとか。
基本のストーリーは面白いだけに演出やその他脚本でもっとワクワクできるものが作れたのでは無いかと思えてならない。
役者さんの演技は皆さん素晴らしかった。
劇中アニメも綺麗な映像で面白かった。
そして出演してる声優さんが豪華でびっくりした。
それにしてもサウンドバック、エヴァ➕あの花みたいな感じで既視感満載だった・・・
まぁ映画の中のアニメなんてそんなもんかと言われればそれまでだが。