劇場公開日 2022年7月1日

「ソックス有能すぎ!」バズ・ライトイヤー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ソックス有能すぎ!

2022年7月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

「トイ・ストーリー」の人気キャラのバズ・ライトイヤーの物語ということで、期待していた本作。期待以上とは言いませんが、安定のおもしろさでした。今さら語るまでもないですが、ピクサーならではの抜群の映像表現がとにかく目を引きます。宇宙服やロボットや各種ガジェット類の質感はもちろん、宇宙船のスケール感もまさにそこにあるかのように伝わってきます。加えて人物の表情や動きは、細部にまでこだわっており、これによって序盤で見せる経年変化はお見事です。とにかく妥協を許さない表現がすばらしいです。

ストーリーは、ある惑星で自分のミスで宇宙船を破損させてしまい、乗組員もろともその惑星から脱出できなくなってしまった、スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーが、長い年月をかけてようやく帰還のためのエネルギーを手に入れるが、そこに未知の敵が現れ、エネルギーを求めて争うというもの。こう書くとアクションものかと思われますが、メインはライトイヤーの成長譚と言える内容です。

冒頭の宇宙船破損から数十年の時間の経過を、わかりやすい表現でテンポよく描き、一気に作品世界に引き込まれます。その後のネコ型ロボット・ソックスとのバディムービー風の展開も、コミカルで楽しいです。そして、ソックスの有能ぶりが炸裂し、これが最後まで鍵となっているのも心憎い展開です。

中盤で、仲間キャラが加わり、敵の存在と正体が明らかになり、物語はさらに加速…と言いたいところですが、なんとなくテンポが落ちる印象なのは残念でした。というのも、仲間となる3人組が無駄にドタバタしていて少々うっとうしかったからです。加えて、ザーグの絡みもちょっとわかりにくく感じてしまいました。

こんな感じで、最終的にはバズの成長譚という内容なのに、あまり感動が伴わなかったのは残念でした。決してつまらなくはないのですが、ピクサー作品ということでハードルを上げすぎたせいかもしれません。

今回も大人の事情のせいか地元映画館では字幕版の上映がなく、しかたなく吹替版で鑑賞しました。しかし、主要キャラを演じた鈴木亮平さん、今田美桜さん、かまいたちの山内健司さんら、みなさんお上手で耳障りなところはなく、しっかり作品世界に浸ることができました。とはいえ、できれば字幕版も上映し、観客に選ばせてほしかったですね。

おじゃる