「ずっと見たいと思っていた作品」渇水 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと見たいと思っていた作品
思っていたよりも行政の業務と未払いの理由、社会問題提起のポイントなどにしっくり来なかった。
水道代を支払わない生活というのはどういうものなのか。
電気 水道 ガス 電話 市民税 国民健康保険
そういったものは 払うべきものとして当初の給与から先に支払って残りで暮らす人。
(これはどういうわけだかもらう金額にあまり関係がないように思う)
定職が長く続かずに収入が小刻みに途絶えてしまう事が原因でそれらを支払う仕組みが根本から崩れてしまい 挙句にその日暮らしの給与の中からは 月払いの公共料金に回す事ができづらくなる。
そういった支払わない側の理由があまり描かれず、ネグレクトで残された姉妹のみのストーリーに重みが置かれて行き、
だからと言って 彼女たちの貧困は全然リアルじゃなくて
貧乏な割にオシャレな自転車で 妹の麦わら帽子もオシャレで 電気はとっくに切れてるだろうにクーラーのない暑さを全く感じない。
出だしの 空プールでエアー泳ぎする映像も ただの監督の自己満足かと思える退屈さ。
生田斗真も磯村勇人もすごくいいし
二人の姉妹特にお姉ちゃんは今後立派な女優さんになられる事でしょう。
滝藤賢一はストーリー上無駄遣い。
傘屋などは、ないわけじゃないのに払わない感は出てるな、と思ったが、
雨が降らない土地の渇水と水道料金の不払いの話が、私にはチグハグに感じられた。
雨が降れば水道代の滞納がチャラになるわけでもないし
不特定多数の誰かが水道代を滞納してるから節水しろとか雨がふらないとかな訳でもないので
雨降りました。
ちょっと解決。
みたいな雰囲気出されても 少しだけ首を捻ってしまった。
この二人は夏休みじゃなくて学校行ける日なら給食食べて学校の水飲むんだよね。
つまりこれはこの ひと夏の乾いた夏のお話というわけで全般的な滞納とは軸が違うように思うのだ。
脚本が 甘い。
そういう風に思えた。