ロザラインのレビュー・感想・評価
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ディズニー版の悪役令嬢もの
なろう系などで人気の「悪役令嬢」ものっぽい物語だった。ロザラインは『ロミオとジュリエット』に登場するロミオの元カノで、ジュリエットに恋人に奪われてしまうというポジション。それが気に入らないロザラインは色々と策を講じて2人を別れさせようとする。ジュリエットはいかにも従順な女性で、男尊女卑の世界で男に好かれそうなキャラクターとして描かれていて、悪役令嬢ポジションのロザラインは、自らの意思で行動する活発なところが生意気だと貴族連中に思われている。
なろうなどで有名な悪役令嬢ものの多くがこういう男尊女卑的な世界に転生する話である。乙女ゲームの主人公とメインの男の恋が成就すると破滅してしまうポジションだから、能動的に行動して「貴族女性」らしからぬ行動を取って自らの運命を変えていくのが悪役令嬢ものだが、本作もロミオとジュリエットのよく知られた運命を変えることで、自分の運命も変わっていくという展開になっている。昔の物語の従順なヒロインよりも反抗的な悪役の方が現代の価値観に適しているいうのは日米とも同じらしい。
ロミオとジュリエットの伝説の恋路をとことんイジる。
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に名前だけ出てくるロザラインは、これまでにも鴻上尚史がフィーチャーした作品を書いているし、英国ロイヤル・バレエのロミジュリにも登場していなかったか。いずれにせよ、脇キャラを主人公に古典をふくらませるという意味でティム・ロス&ゲイリー・オールドマン主演で映画化もされた戯曲『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』に似た趣向。ただし哲学的なパロディだった『ローゼンクランツ…』と違って、こちらは徹頭徹尾ドタバタなラブコメ仕立て。大きく予想を超えてくるものはないけれど、ケイトリン・デバーの溌剌とした演技は好感触だし、毒を飲むくだりとか、ロミジュリの無茶展開を肴にしまくるイジリ芸も楽しい。あとロミオが能天気でバカなイケメンとして描かれていて、ラブコメの定石で言えば実はいいところもあるみたいな話になりそうで、実際そういう描写でないわけでもないのだが、最後までバカなイケメンとして扱われているのが痛快でした。ある意味で本家ロミジュリをもっとも痛烈に批評してる部分かも知れない。
新解釈愉快なロミオとジュリエット
切ない恋物語として何世紀も語り継がれてきたロミオとジュリエットをロミオの元カノを主人公にしてコメディで復活させた本作。
最高に面白かった。
あの手この手でロミオとジュリエットの邪魔をするロザラインのキャラがとにかく良かった。素直さが皆無で作戦通りに行かないドジ加減も良かった。
そんなロザラインと腐れ縁的な関わりを築くダリオがいい男すぎて物語に圧倒的な安心感を生み出していた。
ロザラインもジュリエットも自分の意志を強く持ったかっこいい女性で2人を通して本来の女性の力強さも現代的に描いていて良かった。
ストーリーも分かりやすく映画的なハラハラもあり、観ていて飽きない満足感のある作品だった。
エンドロール後のロミオとジュリエットは一瞬で雲行きが怪しくなっていて笑ってしまった。
「ロミオとジュリエット」のアレンジコメディ
「ロミオとジュリエット」のアレンジものって多いな。
現代アレンジ版、
恋に落ちたシェークスピア、
ウエスト・サイド・ストーリー、
タイタニック…
探せば他にも多数あるだろう。
さらに今回、本作が加わった。
ティーム向けラブコメだが、
ほとんどは主人公のドタバタであるが、なかなか好演している。
今後の活躍が期待される。
今どきらしく、女性の自立が主題であること、
さらに、「ハッピーエンド」なのが良かったかな。
『ザ・プリンセス』に続き20世紀スタジオがDisney+オリジナルで贈るガールズパワー炸裂した歴史改変
ロミオとジュリエットがうまくいくかなんてどうでもいい!だって僕らは最高にチャーミングなケイトリン・デヴァーのコメディエンヌっぷりにゾッコンだもの!!
ロミオとジュリエットの邪魔をしたいロミオの元カノのロザライン(ジュリエットの従姉)による妨害工作を描いたロマコメ。お見合いでは結婚しない。タイトルロールを演じるのは、『ブックスマート』に続きコメディエンヌっぷりが素晴らしいケイトリン・デヴァー。
ジュリエット役は相変わらず反則/超ド級にかわいいイザベラ・メルセード。もはや地上に舞い降りた天使。ロミオ役はカイル・アレンだし、今の世代のときめくティーンスターたち揃い踏み。ちなみに手紙を届ける召使スティーブも『ブックスマート』のニコ・ヒラガで、相変わらずゴキゲン。スティーブはバカよ!そして、今回のロザラインのお見合い相手ダリオは野性味あふれる極上イケメンというまさかの好物件?! ロザラインも最初は乗り気じゃないけど衝突したり一緒にピンチを乗り越えたりしていくうちに…。
カレン・メーン監督は『ストレンジ・フィーリング』のときよりもしっかりとメジャーっぽい作品のトーン。例えば、成功例『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』や、後付=蛇足の失敗例『ボーン・レガシー』のように、"実はあのとき裏ではこんなことしてました"を、あの誰もが知ってるシェイクスピア作品でやっちゃう!描かれるのは現在に置き換えられるような、現代のティーンに通ずる恋模様。恋は自分の身に起こればそれと分かる、これはあなたのラブ・ストーリー。愛を救おう!死んだふり?ジュリエット、そんなバカげた計画聞いたことない。
タイトルのピンク色も同じ色だし、20世紀スタジオによる『ザ・プリンセス』と同じプロジェクトなのだろうか?その点、今育つ女の子って幸せだと思う。ちなみに本作に限ったことを言えば、ロザライン&ダリオとロミオ&ジュリエットと2カップルとも"白人と中南米系(?)"という組み合わせになっているのも現代っぽい気がした。
♪Dancing on My Own
Paper Rings/テイラー・スウィフト
勝手に関連作品『ベスト・フレンズ・ウェディング』『ザ・プリンセス』『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』
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