「the healing has began」ベルファスト redirさんの映画レビュー(感想・評価)
the healing has began
エンディングに流れるVan Morrisonのthe healing has began
残ったものも出ていったものも,ベルファスト1969年の当たり前の日常を記憶して心の糧に,これからも行きていく。
故郷を持たない私には,お母さんかベルファストの暮らしに固執することは想像でしかわからないが、やがてその愛しい日常がいつのまにか、固執し,守るべき日時ではないその価値がなくなっていることに気づく。
国同士とか出なくても同じ街に同じような暮らし向きで住む人々の間にも突然争いが起こり殺したり殺されたりする。カトリックかプロテスタントかは全く無関係で(でも同じキリスト教文化的同士でもこの程度に,ほぼネタみたいに相手方を理解しておるのか。という点はおろしろかった)街の日常生活の中で外部から,格差や階級、軍隊,外からの支配や圧力、貧困、そんなことからなきる小さなストレス,フラストレーションが大きくなってやがて暴力的な争いになってしまったのだろう。おじいちゃんおばあちゃんの存在感。そのおじいちゃんが存在していたことへの率直な感謝。おじいちゃんに助けてもらった、またおばあちゃんにとお母さんにもお父さんにも助けてもらったという感覚こそが日常であり、月への第一歩をロンドンに踏み出したこの家族は常に,その日常と共にあるだろう。
2度の,空港バスが街を出るシーンがとてもよい。
今も世界で国単位から隣人間まで諍いが絶えない世界において、今,癒しが始まる,始まったというメッセージを、そして日常は心の中にあり失われないということを、故郷ある人離れた人残った人追われた人旅立つ人全てが忘れないこと。このようなつながりが誰にもあることを心から願う。