「差別、分断が起こす平穏な日々のゆらぎやすさ。 ベルファストに住む一家族の暮らしを通し伝えるもの。」ベルファスト humさんの映画レビュー(感想・評価)
差別、分断が起こす平穏な日々のゆらぎやすさ。 ベルファストに住む一家族の暮らしを通し伝えるもの。
時に残酷なまでに他者の自由を奪い取ることができる魔物になってしまうのも人間。
そして、身を呈して誰かを守り愛をもって教えるのも人間。
あたたかく明るい家庭にも騒動は否応なしにおそいかかる。そのときのこどもたちはいつも無力だ。
環境が左右する人生の風をまともに受けるしかなかったバディとお兄ちゃんも荒波に浮かぶ小さな船のようだった。
まだヤンチャ盛りのバディの澄んだ眼差しの中にみえた
たくさんの気持ちをキャッチしたよ。
そして、忘れたり、見えないフリしたりしちゃいけないことがあるってことも!
美しいモノクロの光と影の画面から噛みしめた98分。
おじいちゃん、おばあちゃんのたくましくやわらかい愛や
父さん、母さんの力強く前向きな愛は、彼ら兄弟が生きていく道の上で灯火や道標になるんだろうね。
バディとお兄ちゃん、それが今回の不幸中の大きな大きな幸せだって気づく時がきますように。
新天地での家族が郷愁と土台なる愛を胸にたくましく歩みますように。
のこったおばあちゃんが慣れ親しみ思い出のつまる土地で緩やかに暮らせますように。
おじいちゃんが天国でそんな皆を安心して眺められますように。
残暑お見舞い申し上げます。何時もコメントありがとうございます。humさんの新天地での…からの心からの希望が、伝わってきそうなレビュー楽しく拝見しました。主人公の成長譚どんな作品観ても胸が熱くなります。そう!自分も子供が一生懸命に頑張る姿見てるだけで感傷的になる年頃です。楽しいレビューこれからも期待してます。
返信ありがとうございます。
humさんの優しい詩的な文章からは、映画をこころから受け止めている繊細な人柄と、丁寧な言葉の美しさに感銘を受けています。最近作が少なく心苦しいのですが、少しでも共通する作品が増えますように新しい映画にも目を向けていきたいと思っています。
海外生活を経験されている視野の広さは、素晴らしいですね。小生は映画と地図と音楽と僅かな小説のみで想像するだけですが、他文化を少しでも知り理解することが人生を豊かにする一つと考えています。
humさん、共感ありがとうございます。
きびしくも優しさに満ちたイギリス映画でした。映画に共感することはあまりないのですが、同年代のブラナー監督の冷静でユーモアに溢れたノスタルジーに心が温かくなりました。映画って、いいですね。