「白黒映像で映えるコミュニティ愛」ベルファスト Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
白黒映像で映えるコミュニティ愛
北アイルランド紛争を子どもとその家族の視点から描いた作品だが、政治や宗教を前面に出さず、そこに住む人々の日常とそれが壊れる瞬間をメリハリ付けて描いている。60年代末の雰囲気を出すためにも白黒映像は効果的だが、白黒の芸術写真のように人の感情を印影濃くしている。失われたコミュニティへの惜別の気持ちも深いが、家族や地域の人々の暖かな感情が見ていて救いとなる。それだけに紛争の痛手も感じるが、説教臭くなっていないのもいい。細かいことだが、劇中劇の映画チキチキバンバンは子どもの頃、やたら音楽だけ聞いたが、当時の子どもの憧れの映画と知れて、なぜかうれしい。
コメントする