「バディは見た」ベルファスト Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
バディは見た
ヘイトとテロの中間のような社会状況は、現在と地続きのように思えてしまう。社会の脆さをひしひしと感じる。家庭もギシギシと軋む。恫喝気味の教会、いきなり暴力を振るう大人、チンピラ野郎、悪いことに誘う年長者にマジギレする母親、コミュニティが活き活きと揺れ動く。寡黙な兄には一歩先の社会がある。
そんな世界のありのままをバディは見た。否定も肯定もない。浴びるように人の生きる姿をありのまま受けとめ、子供としてその世界を愛した。とんでもない状況であるが、素敵な世界である。ジュディ・デンチの眼差しは、今生きる全ての者に託された強いメッセージを放つ。
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