劇場公開日 2022年3月25日

  • 予告編を見る

「2022作品賞候補」ベルファスト CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.52022作品賞候補

2022年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

イギリスを構成する国のひとつである北アイルランドの首都ベルファスト。人口の大半はプロテスタント。少数派としてきたあるランド独立をめざすナショナリストとカトリック教徒という構図。1960年代後半に少数派への差別をなくそうとする運動をきっかけに、逆に、「カトリック(系住民)はこの街から出ていけ」と迫るプロテスタント系住民という厳しい構図ができあがり、激しいぶつかりあいが繰り広げられた日々。ついこの間まで仲良く暮らしていた双方だったのに・・・ 『カトリックは懺悔さえすれば何をしてもよい』という考え方だと蔑むプロテスタント。そこで、まさにそのとき少年時代を育った監督の作品。

オープニングはカラー映像でいまの北アイルランドの映像から。そしてなかみは過去の話でモノクロ。1969/8/15から記憶をたどるわけだが、子供の記憶はモノクロ的、ということかな。
豪州のシドニーやカナダバンクーバーに脱出しようとする家族も多い。ここで生きるか、引っ越すか。「ここのみなはあの子たちを知って、みてくれる。行ったら毛嫌いされるわ。歓迎されるわけがない」という妻。
祖父は孫に聞く。「自分が何者かはわかっている。みな、お前の味方で、お前どこに行って何になろうともお前の味方だ。それさえ覚えておけばいい。お前は、どうしたい?」「おじいちゃんたちもいっしょに来てほしい」「月をめざすんだ。ロンドンはその一歩だ。ベルファストは消えないよ」

相手側の若手リーダーは言う。「人は変化を嫌う。だが時代がかわった。この街は俺たちが牛耳っている」

アニメ映画「チキチキバンバン」、ストップモーション特撮の「サンダーバード」、「恐竜百万年」といった懐かしい(自分にとっても、怪獣好きだったからのかすかな知識程度でしたが)

CB
琥珀糖さんのコメント
2022年8月15日

ノスタルジーに彩られていますが、北アイルランド紛争の発端とも言える時期だったのでしょうか?
バディ少年には驚きの日常に変わりましたね。
紛争というか戦争に翻弄されている今、
心に沁みる映画でした。
(挿入映画が、知らない映画だけど、目を輝かすバディ少年が本当に
可愛いかったですね)

琥珀糖