「レッサーパンダじゃなかったら?」私ときどきレッサーパンダ いしさんの映画レビュー(感想・評価)
レッサーパンダじゃなかったら?
感情が高ぶるとパンダになってしまう13歳、最終的には「みんなじぶんのネガティブな部分をほとんど見せずに生きているけど、私は表に出したよ!あなたは?」みたいな感じで終わる。
我ながらドン引きな感想かもしれないと思うものの、確かに感じてしまったので書かせてください。
これは、「13歳の少女」が「もふもふで可愛い人気者のレッサーパンダ」になるから許されるのであって、極端な話「そこらの30代や40代」が「ゴキブリ」になる話だったら?と思うと胸が苦しくなる。ディズニーだし、物語だし、そんな野暮なことは考えないことが楽しむコツなのもわかっているものの、じゃあターゲットは誰なの?という疑問。
メイメイが感情をコントロールできなくて爆発しても、(凶暴化していなければ)レッサーパンダ姿がもふもふフワフワで可愛いから許されるし仲間からも受け容れられているのであって、これがゴキブリだったら?感情が爆発すると凶暴なゴキブリになってしまうとしたらそれはもうほぼテ●フ●ーマーズ。メイメイの人間性よりもただただレッサーパンダの可愛さや人気で物語が進んでいくのがモヤモヤした。
私はだいたい30歳のゴキブリ側の人間なので、間違ってもメイメイのようにネガティブな部分を表に出して生きていくことはできない。
健全な人間にとってはじぶんの短所を隠さず人と関わり、短所も長所となるかもしれないと前向きに捉えられるかもしれないけれど、私は13歳ではなくもうすぐ30歳のメイメイなので、荒ぶる感情は死ぬ気で隠さないと社会から受け容れてもらえない。そのことですごく悩んでいるときに見てしまったので余計に最後の台詞が悶々とした。
映像としてはすごくキレイだし、可愛いし、キャスティングもよく(字幕版)、推し事のためなら頑張れる姿も共感できたり、深く考えずに見れば楽しめました。4townカッコよかった。