「劇場で観たかった」私ときどきレッサーパンダ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
劇場で観たかった
「野獣」に込めた、思春期の「心身の変化・成長」「やりたいことを我慢できない欲求」のカリカチュア。
自分らしく自由意思をもって生きることの肯定。
過度にフェミニズムに寄らず、(生理関連などの)繊細な表現もまたチャレンジングで、惹かれる要素は多々ありました。
そういったテーマなのはよく分かります。
ただ、親が嫌悪するために、子どもがアイドルグループを推していることを打ち明けられず、好きなことを我慢し、いい子を演じることの残酷さ。
親の価値観で子供の人格を否定する醜さ、身勝手さが強調されていて。
これらから解放されることが、物語の「肝」なのでしょう。
しかしこちらは、そういった圧迫の話はさんざん見てきています。
さらに、中国系カナダ人(や黒人やヒスパニックら)の外見的特徴を強調しすぎたキャラデザインが可愛くなくて入り込めないことも加わって、嫌悪感が勝ってしまった。
主観ですが、『モアナ』『リメンバー・ミー』みたいに普遍的ディズニーキャラ的な可愛いさに民族的アレンジを入れるデザインと、本作や『ミラベル』みたいに人種的特徴を全体に反映させ強調したデザインには差を感じるのかもしれません。
たぶん、劇場という環境なら没入感によって問題を感じなかったのだろうが、配信になったことで引いて観ちゃったんでしょうね。
やっぱり劇場で観たかった。
これに尽きます。
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