劇場公開日 2024年3月15日

「すごくうまくて深い作品」私ときどきレッサーパンダ とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5すごくうまくて深い作品

2022年3月11日
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この互いに絡み合った人間模様には肩の荷が下りて、身近な人を大切に想えるような優しい気付きがパンダの愛らしさくらいいっぱい!すごくうまくて深い作品。
アニメーションはかわいらしくて美しく、キャラクターは際立って生き生きとしている。そして互いの関係性によってまた影響されて形作られている、お手本みたいに。日本の漫画/アニメみたいな既視感覚える設定・要素から一転、そうした設定や一歩間違えれば単なる出オチみたいにもなりかねない導入部を、そこで立ち止まり突き詰め深掘りしている。誰か特定の人を責めるようなことはせずに、ティーンも大人もそれぞれその都度の行動原理や葛藤・決断なんかもリアルで嘘がない。
友達へ、親から子へ。おぉ〜!…と思わずテンション上がったり感極まったりする最後の最後までよくまぁこんなに綺麗にまとめ上げたものだと感心。この上なく分かりやすく素直に伝わるメタファーと、届き刺さるメッセージ。灯台下暗しよろしく結局目的より過程自体に気付きがあって、そこは流石ピクサーやっぱりうまい。完璧でいるのは疲れた!美しいアニメーションと共に、自分たちが作り上げてきた心温まるファミリー映画の系譜に新たな1章、それも私的ですごく身近に感じられるもの、が加わったことを喜ばしく思う。

P.S. そしてちなみに舞台はトロントながら、昨今のK-POP人気には世界のコンテンツ帝国ディズニーも無視できなくなったということで。短編『バオ』ドミー・シー監督、共通する題材。

I'm keeping it!
This isn't you!

とぽとぽ