母性のレビュー・感想・評価
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染みない
エンドロールでJUJUの曲が流れる。
当然本編を思い出しながらまた涙するはずの場面だ。
しかし、今作に限ってはそれは全くなかった。
JUJUの無駄遣いと感じた。
湊かなえ原作なので観たいとは思ったが、予告編を観て二の足を踏んでいた。
暗そうで訳がわからなかったから。
妻が観たいと強く主張するので付き合ったが、予算的中。
前半は冗長で眠気が差した。
後半はやや持ち直したものの、描かれる人物像に全くシンパシーを持てなかった。
というより、ヒロイン2人は言うに及ばず取り巻く人物にも不快感を禁じ得なかった。
そういう苛つくシーンが延々と垂れ流されて、フラストレーションは溜まる一方。
陰鬱な気分になった。
真相が明かされて祖母の思いに胸が熱くなり、
学生運動に対する永野の言葉に胸のすく思いはあった。
心に残っているのは本当にそのくらい。
俳優陣は熱演だったと思う。
だが、ベースがつまらなければそれも空回りに見えてしまう。
湊かなえの原作が本当にこの様に凡庸だったのか。
興味が湧いたので読んでみたい。
誰かの娘で居続けたい母親に共感できるかどうかで映画の見方も変わってくる
事件の真相を巡る証言が食い違う「羅生門」のような話なのかと思っていたら、そのようなシーンは2か所だけ。
しかも、それは、裁判等での証言ではなく、母と娘のそれぞれの回想として描かれていて、その食い違いを知ることができるのは、観客だけということになる。
ただし、母と娘の考え方や感じ方の違いは、それ以外のエピソードでも散々説明されているので、そのような「主観の食い違い」を示すようなシーンを、あえて用意する必要はなかったのではないかとも思われる。
そもそも、話そのものが、事件の真相を解明するようなミステリーにはなっておらず、決してつまらなくはないのだが、かといって引き込まれるような展開もない。
いずれにしても、この映画に共感できるかどうかは、「母性はもって生まれたものではなく、学習によって育まれる」とか、「自分が母親になっても、誰かの娘で居続けたいと願う女性がいる」といった考え方に同意できるかどうかにかかっているだろう。
その点、自分としては、そういった考え方がまったく腑に落ちず、したがって、映画を楽しむこともできなかった。
許せないふたり。。
映画としては良い
母役の鬼才・高畑淳子
湊かなえの同名小説を映画化。となると、いの一番に頭に浮かぶのは「告白」。本作の予告を見ると、あの映画の衝撃が蘇る。てなワケで、ここ1.2ヶ月で期待値ナンバーワンだったのですが、正直期待ハズレ。もっと、ドロドロとしてグロくて後味悪いのを想像してたんだけどなぁ...。
予告が過剰すぎたんでしょうね、、、
衝撃なラストが待っているみたいな雰囲気醸し出していたんだけど、全然そんなことない。ビックリする〈告白〉はあることにはあるんだけど、なんだか物足りない。原作を読んでいないからどこまで忠実なのか分からないけれど、少なくとも「告白」には何ひとつとして届いていなかった。湊かなえらしさも薄く、個人的にはモヤモヤ。描き不足も目立っていたし、色々と足りない気がしました。
ストーリーもそうだし、演出にもパンチが無かった。予告の方が断然面白かった。意外にもトントン拍子に話が進んでいくのが、気に入らなかったのかなぁ。もし、中島哲也(告白、渇き。の監督)が撮っていたらどうなっていたのだろうか。もっと空気が重くて、気持ち悪くて、ホラー的要素があっただろうか。中島バージョンの「母性」も見てみたいと思いました。(超厳しいとして有名な監督だけど、やはりどの作品も重厚感がほかとは比べ物にならず、面白い。来る以来、一度もメガホンを取っていないから寂しい...。)
しかしながら、戸田恵梨香、永野芽郁、大地真央の演技力は流石なもの。でも、抜きん出ているのは高畑淳子。もう、この映画は完全に「高畑劇場」だった。そのくらい、彼女の演技が破壊的で衝撃的。「舞い上がれ!」ではあんなにいいおばあちゃんを演じているのに、本作では超クズババア。この人に母親役を演じさせれば、間違いなし。私が期待していた、湊かなえ作品特有の恐ろしさが、高畑淳子にのみありました。
決して作品の質が低い訳ではなく、なんなら上質で雰囲気も宜しい。パンチがないといいながらも、ちゃんと面白い。ドロドロ具合で言えば、そりゃ「告白」の方が凄いし、同じテーマを扱っているのであれば、「MOTHER マザー」の方が気味悪くて好き。だけど、母目線、娘目線で物語を展開していくのには、引き込まれていったし、ストーリー性としては母親を扱った物語の中でも結構上位に来る。
期待しすぎてしまったが故に残念な結果になったけれど、それなりに面白い映画ではあります。湊かなえの作品だという先入観を無くしてご覧下さい。でも、ラストの不甲斐なさは頂けませんけどね!?
さすがに女目線すぎちゃって共感できず。
自分は60近いおっさんだし、兄弟は弟のみ。だから家族の女子がどんな躾で育ったかとか、本人はどう感じてどう対応するのかなど、女子あるあるネタがまったく分からず。
教師をしている娘のさやかがある事件をきっかけに、自分の過去を振り返るってとこかな。
まずはママのルミ子の結婚から始まるんだけど、優しい母と怒鳴りまくる義母。どちらもさやかのお婆ちゃんね。どちらも子供を愛しているんだけど、気持ちの表現が真逆なんだよね。
そしてルミ子ママは、娘の気持ちより母親の気持ちを優先してしまう。周囲の人達の気持ちを考えて、嫌われない様に生きてきたのかな。一方、さやかは自分の感情を優先して、きつめな発言が多い女子。高校時代はクラスの中でも浮き気味。ある意味、現代っ子的かな。それはそうとして、分からない事だらけでした。なぜ婆ちゃんは孫を助ける為に死を選択したのか?あんなにドアを開けられなかったルミ子はどうやってさやかを助け出したのか?さやかは寝たきりっぽくなってたのに、普通に教師になって結婚してる?
とにかく話しの展開に男の考え方がほぼないのが不自然に感じました。
役者の皆さんは、とても素晴らしかったですね。永野芽郁ちゃん凄く高校生ぽかったよ。ずっとモヤモヤしてる戸田恵梨香さん、そこに愛のある大地真央さんに最近怒り役ばかりの高畑淳子さん。皆んな見応えありました。
映画とは関係ないんですが、自分は怒られて怒り返す子供だったな。あ、自分、今も変わってないぞ。
高畑淳子の役柄がベストクソババア!
終わったあと、近くに座ってたカップルの女性の方が「男の人は見ても何のことか分からないだろうし、面白くなかったと思う」と言ってて、男性は苦笑いを浮かべてた。いや、十分面白かったですよと伝えたかったです。
とはいえ、「マイブロークンマリコ」を見逃してしまったのではっきりと明言することは避けたいが、彼女の演技力の限界は露呈してしまったと思う。戸田恵梨香、大地真央、高畑淳子と並べてしまうと雲泥の差。頑張れ!
「母性」とは母親になった瞬間に身についているとは限らないという話で、娘でいたい母親と母親に愛されたい娘という関係が非常に良かったと思います。湊かなえらしいイヤミスではないけれども、爽快な話ではなく、男性としても響く内容になっていました。
原作は未読です。脚本が面白い。こういった話の場合、男性の立ち位置がステレオタイプだったり、女性を際立たせるためだけに置かれる場合があるんだけど、それを感じなかったのは話が練られている証拠。
高畑淳子演じる役柄がまあ言葉を恐れずに言うとクソババアなんだけど、視点を変えれば母性の塊みたいなキャラクターとも言えるのが良い。モンスターペアレントやネグレクトなど様々な親がいる中で、押し付けがましくない母性のあり方の提示。今年の助演女優賞は高畑淳子さんではないか。
戸田恵梨香さんの精神を擦り減らして紡ぐ受けの演技も良かったです。
何度も見たいかと言われるとエネルギーが必要だけど、いい作品だと思う。
一つだけ。1つの出来事を別の視点で見ると実は…みたいなパターンで重層的に見せるやり方自体は成功してると思うけど、いくらなんでも「ハグ≠首締め」でしょとは思いました。そこが4に乗せられなかった致命的な自分の許せなかったポイントです。
素晴らしい演技
戸田恵梨香さん、高畑淳子さんの演技が何より素晴らしい。それだけで一見の価値があったと思える。
何とも言えない居心地の悪さ、リアリティをおふたりが感じさせてくれる。
少しだけ違和感があったのは、後半の電話のシーン、そこまでは歳をしっかり重ねているのにここだけは急に32歳の戸田恵梨香さんにみえてしまう(もちろんルミ子がそれまでと違うことは理解できるのだが)。
私は原作未読で、娘であり母でもあるが、ルミ子のことがよく理解でき、やや共感してしまう部分さえあった。そう思わせてくれたのは、戸田恵梨香さんがルミ子だったからだろうか。母がどこかルミ子に似た部分があったからだろうか。
絵に描いたような幸せなご家庭で育った人には理解し難いだろうし、ただモヤモヤした理解不能な物語と思うかもしれない。
でも、ルミ子はきっとずっと幸せだったと思うし(清佳が思っている以上に)、ちゃんとラストで救ってくれて安堵さえする。
何度か観てまた違った感じ方をしたいと思える作品だった
期待値に届かず
ミスリードは起きず
原作を先に読んでいるので、ドキドキしながら鑑賞。
割とまんま、というか、省略具合は尺を考えたらばうまくまとめた範疇かと。
一応ミステリーというカテゴリーの原作ながら、映画だとサスペンス要素が大きいかなと。
というのも、小説なら起こりうる「ミスリード」が映画では起こせない仕組み。
小説的な最後のオチが、開始1分で見えちゃうから、ミステリー要素が薄まっちゃうんですよね。
あと、親の年代を考えると、ニュースをネットで読んだことと、街のイルミネーションなどの具合とが時代に合わないんですよね。
誤魔化してはいましたが。
と、映画そのものとして楽しめなかったから、やはり先に読むんじゃなかった…
って言っても、読んだのは映画化が決まるはるか前、ハードカバーの時代だから仕方がないんですけども。
あ、映画として楽しかったのは2点。
まず役者さんたちの演技。
戸田恵梨香と高畑淳子、それぞれの狂ってる演技がすごかったことと。
(本作でまともなのは上司の教師と、学生時代の級友・透くらいで、他はみんなどこかおかしい)
音楽、劇伴。
コトリンゴさんと、徳澤青弦さんの奏でる音のよさ!
これは劇場で観た甲斐がありました。
感想がネタバレになりそう
ハードル上げ過ぎ
娘の気持ち
『自分の中に生き物がいて、突き破って出てくる』と言う表現は、わたしも思っていた事で、その不思議さと怖さはルミ子に共感しました。
私の母は厳しくて、私にとって敵でした。
さやかのように、お母さんの立場になって寄り添うことはできなかったと思います。
大人になって、母も子育てが初めてだったのだから、試行錯誤だったのだとわかります。
そして私は結婚していますが、子供が欲しいと思っていません。子育てって面倒そう、大変そう。というのがあるからです。この映画をみて、すこし、そんなに頑なに子供が要らない、と思わなくてもいいかな位に気持ちが進みました。
命を繋いでくれてありがとう、と言われるような存在が子供というものなんだなとわかりました。
それでも母娘(おやこ)
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