母性のレビュー・感想・評価
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女は娘であり妻であり母になりうる。それは立場が違えど三位一体なのかもしれない
「母からの視点と娘からの視点」
「母からの思点と娘からの思点」
互いに同じ言動を体験し
記憶や経験共有をしていても、
立場や考えが異なると
ここまで『似て非なる』感受となり
それが人を(女を、娘を、母を)形成するのかと思うと恐ろしくも哀しい。
愛を受ける承認されることで満たされるか
無償の愛、慈悲を与えることで満たされるか
それはどちらも愛には変わりなく
どちらも尊く真っ直ぐである。
そしてその形成され育まれた個々の特質性は、
知らぬ間に連鎖・伝達していくのが母娘。
母性だけにとらわれず、愛というそのものも
このどちらかに分類されるのかもしれない
戸田恵梨香 さんと 永野芽郁 さん
イメージも印象も違う2人が最高にすれ違いながら、
破滅的に重なる化学反応のようなものを
どんどんどんどん自然に起こして行くのが
苦しいほどに人間的であった。
個人的には面白かったです!
(ネタバレですので鑑賞してから読んで下さい)
意外に他レビューの評価は低いようですが、個人的には面白かったです。
おそらく低いレビューが多いのは、(一般的に想像する)「母性」のないルミ子(戸田恵梨香さん)に対してほとんど理解が及ばなかったのが理由なのではとは思われました。
しかし、時代背景がほとんど描写されていないから分かりにくいですが、ルミ子の夫(三浦誠己さん)とルミ子の親友(中村ゆりさん)が学生運動をしていたとの描写から、ルミ子は団塊の世代(現在で言うと70代~)であることが分かります。
となると、ルミ子の娘の清佳(永野芽郁さん)は団塊ジュニア(現在で言うと50代前後)の世代になると思われます。
つまり、学生運動後の高度成長期にがむしゃらに働いていた夫と、夫に家庭のことに関心をほぼ払われず精神的に孤立していた専業主婦の妻とその母親、そしてその専業主婦の娘の話だと考えれば、この映画のストーリーもしっくりくるのではと思われました。
こういう精神的に孤立していて、あのような振る舞いしか出来ない女性はある時期確実にいたのだと思われます。
仮に、こんな(一般的に想像する)「母性」のないルミ子や、ひたすらルミ子に嫌味を言い続け実の娘を一方的に溺愛しているルミ子の義母(高畑淳子さん)などの感覚が理解できない人が現在では大半なのであれば、今の時代は女性にとっては幾分かは当時よりはましな精神状態に置かれるようになったともいえると思われます。
そういう意味では、この映画はしっかりと初めから時代背景は現在とは違うと描いた方が良かったのかもしれません。
個人的には、火事でルミ子の実母(大地真央さん)が自ら命を絶つ場面は、さすがにそれはないだろう、とは思われましたが、それ以外は時代背景踏まえて個人的には、面白く見ました。
あれ…?思ってたほど印象に残らなかった
原作好きで、結構期待していたんだけど、終わり方というかなんか不完全燃焼な感じがしました。
戸田恵梨香さんも母親役をやるようになったんですねー!
大地真央さんとの母娘具合はとても良かった!
お母さんが大好きで大切に育てられて、自分の娘までもお母さんに取られた感じがしてるところとか、なかなかでした。
子役の子も聞き分けの良いところを演じるところとかよかった。
高畑さんの嫌な姑関係とか、それでも甲斐甲斐しく世話するところとか、見ていて泣けます。
それでも最初は良かったのにね。孫はいい子だと褒めたりしてたのに。家に転がり込んでから冷たくなったのね。
お母さん側からの視点は悪くないのに、娘からの視点が分かりにくかったかなあ。
めいちゃんがそんなに印象に残らなかったのが残念。
これは演出もあるかも。お母さんがそこまで嫌な人に見えなかったのは、気持ちがそっちに持っていかれたからなんだろうなあ。
娘からはもっと違う側面の母がみえてもよかったのにな。
そして母の味方すらしない父親も情けなかったなあ。最後酷すぎでしょ。
妻の実家で何してんですか、人でなしか、、あの二人も結構どうなったのかよくわからなかったなあ。
最初、死んだ高校生が娘かと思ってて、生きてるし、あれ?とわからなくなってました。
教師になったってて同僚の元学校で事件があったってことなんですね。わかりにくかったなあ。
それぞれの娘の物語
母と娘の関係を3世代で描く。
ただ3世代の母というより娘の想いと願い。
娘へと大きな愛情を掛けること、それは山から湧き出る水が川の様に海へと流れることを願い母から娘、娘からその娘へと引き継がれる希望と現実。
それぞれの想いをパート毎に描き、母と娘の関係性を浮かび上がらせるのだが観てるものにその想いとの乖離を感じつつ物語は終着点へと進むのだが、物語の流れは干上がった川のごとく停滞してる様に感じた。
私が男だからなのかもしれないが。
スッキリしたものを求めたわけでは無いがどうしても感情を揺さぶられる想いを感じることがなかった。
映画にするのは難しい作品
娘、母、どちらも
登場人物、ぜんぶ、自分の中にいる。
どのセリフも、ささる。
ドラマの中に出てくる、娘だし、母だし、姑だし、夫だし、友人だし、ぜんぶ、自分の中にいる。
甘えたいし、愛情あるし、与えたいし、もらいたいし、奪いたいし、妬み、嫉妬あるし、正義もある。
何でも、正当化して、人のせいにして、ずるくて、誤魔化して、密かに、知ってる、そんな、ズルいワタシ。
相手傷つけなければ、心の中は自由、だから、全部、心の中に仕舞ってる。
それを、この映画は、映像にして、見せてくれたし、口に出してくれた。
映画の感想で、特殊な話しみたいなコメントもあったけど、あんな修羅場、どこの家でも、ひとつやふたつある(あった)のでは、、昭和の嫁姑とか。昭和の男とか。
嫁(母)は人として扱われてなかったように思う、姑(祖母)は、鬼のようだった。家って密室は、他人は知る由もないので、自分の体験が、普通って思うんだ、きっと。
母には鬼のような祖母は、兄ちゃんにはか弱い優しい可愛いおばあちゃんだった。私は、祖母の理不尽に心の中で腹を立てながらじっと黙ってた。誰にも言えなかったし、言語化するすべも知らなかった。映画見てて、ふと記憶が蘇りました。映画っていいね。
よい映画でした。
はじめは面白かったが期待外れ。予告ほどドロドロ感、シリアス感はほぼない。
スゴいところ✨と、残念なところ💧
娘の視点と母の視点…で、違うように見えるのはどう描くのか期待して見てみました。
戸田恵梨香さんと永野芽郁さん、それぞれの絶妙な、微妙なお芝居の違いで「母からはこう見えるんだ…」「娘からするとこんな感じに見えるのか…」と女優さんのお芝居のクオリティに感心しました。
特に表情!微妙な目つきとかすごい!
アングルやカメラワーク、灯りの当て方ももちろん上手に組み合わさっていると思います。
何度も見返したくなるようなシーンがいくつもありました。
残念だったのは「予算」なのかなぁ…
※以下、ネタバレ可能性あり!
1つはキャスティングと、もう1つは一番重要なシーン(大地真央さんとの火災での別れのシーン)の作り方がどうにも…という感じ。
肝心なポジションは顔の見える役者さん(というとご本人方に失礼にはなりますが)だといいのかなぁ…と個人的には思います。
「誰、この人?◯◯さんっぽいけど違うよな…」が気になって、作品に集中できないことがあるんだと実感しました。
「この人は誰っぽいな…」とかも考えちゃう。
そこに時間取られたくない。
脇役と言うにはあまりに大事なポジションですし…
でもこれらは予算の都合で、顔のある役者さんがもうツモれなかったのだろうと推測しました。
それと火災のシーン。
あれはおそらく原作を読んだら「ここはどう描くんだろう」とみんなが期待するところかなと。
にしては残念すぎる。
かなりタイトに見せていて(広範囲で火災の絵は作れなかったのだろうと思いますが)、スケール感がこじんまり…。
これも予算かな…とか気になるともう集中できない。
余計なことを考えさせない作品ってつくづくすごいんだなと思います。
期待が大きかった分、落胆も大きくなっちゃうかな。
そんな感想です。
マザコン娘の話
母性って..
母性ってやっぱり元々備わってるものではないし、ひとりひとりによって違うものだと思う。
生きた時代も違う、育った環境も違うからこその様々な母性があって、母娘であっても別人格の人間であって、改めて子育ては一筋縄ではいかないのだろうなぁと思った。
ラスト、みんな幸せでよかったーと思ったら、ルミ子が律の家に消えていったときはちょっと戦慄。ルミ子の"ずっと娘でいたい"って想いはかなっと言えるのかもしれないけど..
映像化はやはり難しかったか
湊かなえ先生の原作がとてもよかったので、映画も楽しみにしていました。映画では俳優の表情や台詞(モノローグ)でその時の気持ちを伝えなければいけないので、映像化で全てを表現するのは難しいだろうなとは思っていました。実際カットされてるところも多く、ルミ子の苦労が半減されてしまったというか、悲劇の一旦を見ただけで物足りなさはあります。もっと深く悲しく、そして強さもあった。旦那と義父の父性についてもほとんどスルーされてしまって、母性のみにスポットが当てられていた。タイトルとしてはいいけど、原作で伝えたかったことを台詞として言っているのにあまり重みはなかったかも。ルミ子の友人と義妹の憎たらしいこと。一定数の観客には感情移入半端ないでしょうね。
戸田恵梨香さんと永野芽依さんの親子は違和感がなく、素晴らしかった。また大地真央さんや高畑淳子さんの名演も濃い、というか恐さを出したかったんだろうけど、やり過ぎな感じも…舞台をみてるみたい。映画の雰囲気作りを演者に任せ過ぎなのかと。脚本と演出が原作より劣ってしまったのは否めない。
最後のシーン(ルミ子と義母)が一番好きなので、いろいろ思うところはあれど観れて良かったです。
期待ハズレもいいところ
興行成績が振るわず苦戦している、予想を遥かに下回る結果に。
怖いもの見たさで観賞。何が悪いって、全てですねっていうほかない。有名小説家の名を借りた工夫も演出も何もない映画。
まず誰一人としてキャラクターに感情移入出来ない。母にも子にも全く心が動かない。キャラクターが生きていない。想像で適当にこんな感じだよねって映画作ったらこうなる。小説から出ない、生きた役者が演じても深い設定ではないのではまらない悪循環。
火事のシーンを大きな見せ場にしているがリアリティなさすぎて引く。
母と娘のキャスティングミス。全く親子に見えない。
「告白」での衝撃が大きかっただけに残念。
ここは中島監督の再登板だったのでは。せっかく外資が入っているのなら予算は中島監督でもハマったのでは?
女には2種類しかいない
2022.85本目
演者がとにかくまるっといい!!
特に義母の怪演にはゾクゾクしました!
嫌味たらしい憎き姑でしたが、最後の最後に死の淵で娘の名前を呼び続けた彼女は、たしかに母性のある母親だったのだなと。
いつまでも娘のままな母もとてもリアルだった。自分で認識している言動と、娘からみた母の言動が、微妙なニュアンスの違いで大きな違いを生んでいるのも面白かった。
女には2種類しかいない。娘か、母か。
子を産んでも母になれない女性が一定数いる。
みたい言葉があって、えらく納得してしまった。笑
私の母は、どこか幼いところがあって、母でありながら娘のような雰囲気もあったから。なんというか、こういうニュアンスは女性にしかわからないかもしれない。笑
愛って何だろうと
聖地丸ピカにて鑑賞。
そこに愛はありました。
でも"そこ"がどこなのか。
矛先。熱量。裁量…。
全てにおいて判断力が試される映画母性。観る人によって証言が変わる面白さ。誰が悪くて、可哀想で、愛されて。議論し甲斐のある映画。
みんな誰かに愛されて、誰かを愛して。それが相思相愛であれば何より。でもそれが上手く交わらないのが現実。そのもどかしさを痛いほど母性から汲み取れる。心のどこかでその愛の行方に気づいているけど…。自分を愛してほしい。そのマインドは皆同じで。
だけど愛してくれない。自分の母であっても。けどどこかに愛は存在している事実。その愛が時に気遣いを。やさしさを。それを例え愛娘であっても強要というかたちで求めてしまう。ジレンマだけどやめられない。気づかない。
育児、教育として教科書レベルの教材とも言うべきミステリアスかつ教養的なストーリー、議題。母、娘のそれぞれの証言が導き出す愛のかたちとは。答えのないその議論に私たちが見出す未来とは。良い意味で頭が痛いほど考えさせられます。
ハッピーエンド、スッキリして劇場を後にすることが出来ないかもしれない。だけど確かな何かを感じとれるのは事実。それは愛なのか。やっぱり観る人によって変幻自在。それがこの映画の醍醐味であり、悩ましいところ。実に面白い。これこそ映画母性わたしの証言。
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