劇場公開日 2022年11月23日

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「娘の名前」母性 みゅうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 娘の名前

2025年11月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

終盤で母親が娘の名前を連呼した時に、娘の名前を初めて聞いた。その時に自分も娘の永野芽郁を、まるで母親の所有物かのような、一個人ではない「母親の娘」として見ていたことに気付く。それほどに母と娘の切り離せない関係を感じていた。
そして、この母親はそれまで娘の名前を愛情を込めて呼ぶことはあったのか、きっとなかったのではないかと思った。それは夫の母親高畑淳子が自身の娘の仕事を心配し、娘がいなくなった時は大声で名前を呼び泣きわめく、母親として当たり前の感情をあらわにしていたことで気付かされる。

年齢を重ねた戸田恵梨香が、母親の大地真央に言動が酷似していて、幼い頃からの長年染み付いた呪縛から逃れられないことを悟った。その演技もまた素晴らしい。

愛情のかけ方、度合いが適度でないと間違った方向にいくことは想像でもわかることだが、難しいのは人によってその程度が異なるということだと思う。正解がないということ。
そのうえ、母性もすべての女性に生まれつき備わっているものではないこと。
考えさせられる映画だった。

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みゅう
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