「母娘。自分に共通するもの。」母性 M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)
母娘。自分に共通するもの。
湊かなえさんの小説を映画化した本作。
ちょうど、小説を読んでいた頃に映画化が決まり、わ〜これは急いで読まないとと思っていたのに、妊娠、出産、育児に没頭していて、いつの間にか公開から3年近く経ってしみった、、、ようやく見れた!
(ちなみに、小説は結局最後まで読めず)
母親に愛されたい娘。
↑コレ私ですね。
と、本作を鑑賞しながら、思ってました。
共通点!
人から愛されたい!と異常に求める人は、愛情をきっちり受けていないからだと言う話はよくありますが、自身が母になって思うのは、同じように愛情をかけて育てても、受け取り側が違うので、もはやそんなん難しすぎ〜。ムリムリ。と思う。
母親に愛されている事が分かっていても、もっともっとと、それを永遠に求めてしまうのは、自身の問題だと思う。それくらい、母の事が大好きで、母にとって自分という存在が大きければ大きいほど幸せに思う。
でも、結局、母の人生は母のもので、娘の人生は娘のもの。各々が、依存している母娘もいますが、依存し合ったところで、一つにはなれないからね。
この映画では、戸田恵梨香さん演じるルミ子お母さんと、その娘である清香ちゃん(永野芽郁さん)が同じ出来事をそれぞれの目線で描いています。
一番、うんうんと納得できたのは、妻を裏切って幼馴染の女性と浮気を続けていた父親の浮気現場に乗り込み、父親へ「ママに謝れ」という清香ちゃんの場面。
自身の父親からの暴力におびえ、自分一人では何も出来ない男。そんな男が、妻や不倫相手に守られている姿に呆れてキレる娘にせの一言一言が、ごもっともすぎて。
自分のせいで、大切な誰かの大切なものを奪ってしまうという事実はとてつもなく辛いし、重い。その苦しさから逃げ出したくて、自死を試みる清香ちゃん、助かって本当によかった。
倒れていた清香ちゃんの顔に触れた時、ルミ子お母さんはどんな気持ちになったのかな、、、死んでまさかホッとしたりしてやしないのか、、とか思っちゃったよ。
ルミ子お母さんは最後まで、ルミ子ちゃんという娘でいたかったように私は思います。
女は2種類。母か娘か。
うーん、ここはイマイチ納得いかないのだけど、まぁ、女という性自認であれば、その人達は誰かの娘には値するんだけどね。
でも、なんとなく、そのカテゴリー分けよりも、一人の人間としてどんな関係でも立ち位置はそこでいたいなと思う。
また、母性とは人が持って生まれたものではなく、経験を経て身についていくものだという点についてはわかるかなーと思いながら、ついでにいうと、経験したからといって必ずしも持てるものでも無いとも思う。
そもそもその感情が母性というものから来ているのかどうかすら、私にはわからないのだからね。