劇場公開日 2022年11月23日

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「サスペンスとしては残念ですが、ドラマとしては面白い」母性 スキピオさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0サスペンスとしては残念ですが、ドラマとしては面白い

2022年12月3日
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え〜っと、大地真央〜戸田恵梨香〜永野芽郁ってあり得ない美形一族ね。で、大地真央から愛情深く育てられた戸田恵梨香が永野芽郁を素直に愛せないってのが、メインストーリー。
途中で色々あって義母の高畑淳子も、母その2、なります。

ラスト近くに永野芽郁が「女って母か娘かの2種類しかいない」って、フェミニストが聞いたらキーってなりそうな発言があるのですが、このセリフが本作のテーマですね。

もう一つ抑えておく必要があるのが世代。多分、戸田恵梨香が1960年代後半に20代半ばぐらいで結婚・出産する設定なので40年代半ば生まれ、戦後のベビーブーマー=団塊の世代です。なので、実は永野芽郁は実は団塊ジュニアです。つまり、今の50代ぐらいの世代の若い頃、1990年代が物語の終わりの頃って話。

そう考えると、ぶっちゃけ、この作品は「冬彦さん」の話なんですね。冬彦さんって言ってもピンと来ないですかね。「ずっとあなたが好きだった」って92年のドラマですよ〜。母子もの、としては冬彦さんが「夫になれない息子」で、こちらは「母になれない娘」です。

まあ、おふざけはこの辺にしておき、、、。

戸田恵梨香や高畑淳子が一貫性のない矛盾するような言動を示すのは、リアルだな〜と感じました。人の感情って愛憎が混じり合っているものですよね。
最初の大地真央&戸田恵梨香の絵空事のような「仲良し親子」がだんだんとエグいぐらいにリアリティが出てくるのが、ゾクゾクします。

母視点、娘視点で同じ出来事が違った捉え方をしていて、お互いの愛情のもつれとなっている、というのは面白い。一方で、湊かなえの叙述トリックがサスペンスとしての見せ場なのですが、ストーリー的には、残滓のようなものは感じますが、役者の顔が出てしまっていると、ネタバレ見ている感じでした。

おでん