「その言葉が刃になる」母性 chakauooさんの映画レビュー(感想・評価)
その言葉が刃になる
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原作未読ですが、
湊かなえ原作のドラマや映画は無垢な子供に責任を負わせる悲劇がいつも興味深いので気になって鑑賞。
絵に描いたようなメルヘンなお家での生活と高畑淳子御殿との対比がよかった。
そして、淡々と描かれていく母の狂気。
わざとらしく狂った描写やセリフがないので、白けない…ある意味安心して見ることができます笑
娘が初めて帰宅が遅くなった日の涙の理由が、
なんだ父親か…母親か…えっそっち…やだそんな思いつめないで〜!と涙なしには見れない、、
あと、父親とその相手の嫌な感じが絶妙。
実の子に「不憫で見てられない」と他人事のように見切りをつける父と、
子供相手に必死になり、
それを聞いた子供がどんな思いを抱えて生きていくのかなど考えもせず、
簡単に傷つけられる真実でぽろっと突き刺す女と。
自分のことしか考えない大人がよく描かれていた。
それを聞いて謝る娘の涙に苦しくなるほど泣ける。
最後、娘が名前を思い出すシーンは小説ならではの言葉だと思ったけど、
本を読んでいる瞬間をそのまま持ってきたともいえる、
ジェンガの真ん中を抜き取ったときの倒れる前の静けさのような、引き込まれる一時だった。
ちょっと不服なことをあげると、
エンディングの曲が違ったら、もう少しもやっとした感覚を残せたのではと思ってならない…そこは感動映画でした雰囲気出さないでよかった…
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