「頭を使わないデスゲーム」ゲーム・オブ・デス ヤマサミさんの映画レビュー(感想・評価)
頭を使わないデスゲーム
パリピたちがやべぇゲームを起動しちゃって殺し合いをさせられるという、よくある感。時間も短いしサクッとB級が観たいな〜と思って見始めたけど、予想より断然よかったので大満足。もう1回観たい。
演出がすごくいい。24人死ぬゲームなので、死に方がマンネリ化しないか不安だったが、飽きさせない工夫が随所に見られる。カメラワーク、景色、色調、兇器、音楽等々。
監督の人?は美的感覚がすごく優れているんでなかろうか。服装のチョイスだったり、そこで空を映すんだとか、あっそこの色彩いいねと思わせられる所が多かった。とにかく画面が暗いホラー映画とは全く趣が異なる。個人的にはこういうカラフルな方が好き。
グロシーンはわりとしっかり見せてくれる。そうはならんやろ感はあるがまあいいだろ、そういう映画だ。
あと全編通して、緩急のつけ方がいいなと思えた。たまに挟んでくるパリピ自撮りやマナティが、映画の流れにリズムを産んでいる。
「人をたくさん殺さなきゃならない」→「死ねなく苦しんでる人を殺せばいいのでは?」で緩和ケアセンターに行くというのがすごくよかった。
パリピたちは一般人なので、いくら覚悟を決めたと言っても、多少は憐れみが残っているわけだ。「少しでも、殺して気の毒でない人を選ぼう」という、狂気の底に残ったひとひらの人間性と、ドチャクソな身勝手さのバランスがいい。
ケアセンターでの殺戮シーンは、古いビデオゲームのオマージュがミュージックビデオのように流れて、まあまあ楽しい。ゲームを多少プレイしたことがある人なら、我が身を振り返ることにもなるのでは。
死とは…?みたいなメッセージ性があるようで無い。最後になんちゃらかんちゃら言うシーンはあるけど、そこまで説教臭くないし過剰に観念的でもない。気楽に聞き流しとこ。
すごいオチが!みたいなことは一切ないが、パリピたちは誰が死んで誰が生き残ってもおかしくない(どうでもいい)感じなので、こいつは死ぬのか…!?死なんのか…!?というドキドキ感は最後まで味わえる。