「評価が難しい」仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル TYさんの映画レビュー(感想・評価)
評価が難しい
熱心なファンの方が落胆するのも無理はないと思います。私も少しがっかりした一人です。
単純にオーズの新作を見られたことは嬉しかった。また、当時のキャストもグリードも含めて再登場は胸熱でした。ただ、それだけに残念。
多くの方が触れられている通り、オーズという作品のメッセージ性と一致しないと思ってしまう点が色々ありました。ただ、映司の自己犠牲に関しては、少女の命を助けるために身を捨てた様に見えますが、自分の命も完全に諦めたと言うわけでもないと解釈できるため、その点に関しては私はそこまで気になりませんでした。
私が最も気になったのは、アンクをはじめとするキャラクターの心情と言葉です。(あくまで私の解釈ですが)
アンクはあんなにウェットなキャラクターではないと思う。心のなかに熱いものはあっても、あんなに言葉や態度には出さないと思います。尺の都合もあるのでしょうが、どうしてもそこが気になりすぎてしまいました。
比柰にしてもお兄ちゃんそっちのけでアンクばかり気にするのも不自然。
そう言った点が多すぎます。
また、60分と言う短い時間で仕方ないのですが、登場人物の扱いが雑です。オーズ本編の断片だけを切り取って、
・「歌は気にするな」と言わせたいだけ
・ウヴァは「かませ犬だったよね」と答え合わせしただけ
・鴻上会長には「ハッピーバースデー」と言わせたいだけ
これでは薄っぺらく感じてしまいます。
あれだけ見事に着地した作品ですから、続編は確かに難しかったと思います。おそらく今回のような結末であっても、お祭り作品であっても賛否はあったでしょう。
ただ、この作品を待っていた客層の多くはコアなファンです。お祭りかもしくは原作リスペクトを望んだでしょう。今回はそのどちらでもありませんでした。
私は小林靖子さんの作品が好きなので、片寄ってしまうかもしれないのですが、小林さんはキャラクターの心情をとても丁寧描かれています。毛利さんにそこを望むのは筋違いかもしれませんが、どうしてもそこは残念でした。ストーリーがではなく、キャラクターがです。
昨年のゴーカイジャーが比較対象になるでしょう。
見事に着地した作品を、コアなファンの望むように仕上げた会心の作品であったと私は思っています。メインライターの荒川さんが書いたと言うことも無関係ではないのではないでしょうか。
リスペクトがないとは言いませんが、もう少し何とかできた非常に惜しい作品です。
誰より納得していないのは渡部秀さんかも知れませんね。
私は平成ジェネレーションズファイナルをオーズの続編として認識することにします。