「静寂に感動する」コーダ あいのうた せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
静寂に感動する
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自分以外耳の聞こえない家庭で生まれ育った少女が歌手になるという自分の夢と家族との間で葛藤する話。
障害者のある家族を題材にしているけど、自分の夢を理解してくれない親、家族のためを思って自分の夢を諦めるかの葛藤、保守的な親世代と子供世代とのギャップなどなど、めちゃくちゃ普遍的な家族の話。
最後のオーディションで先生に助けられて上手く歌えたルビー、個人的にちょっとずるくない?と思ったけど、この"ちょうど良いアシストの仕方"がハンディキャップのある人への理想的な姿勢なのかなと思った。
この"ちょうど良いアシスト"のバランスが難しくて、フランクが漁業関係者達に向かって演説する時に通訳するルビーはアシスト(演説する行動はフランク発信)で、値段交渉をする時に割り込むルビーはアシストじゃないんだろうな。
漁業監視員の人は立場的にちゃんとフェアに監視しているからあの行動に出たのだとは思うけど、だったら警備船も音だけじゃなくて光でも警告するというアシストは必要だよね。
そして、耳の聞こえない世界を体感させられる瞬間がこの映画の中で1番感動した。歌で泣かすところに逃げてないフェアな映画だと思った。映画館が静寂に包まれる瞬間、映画館で見て良かったなと心の底から思いました。
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