デューン 砂の惑星 PART2のレビュー・感想・評価
全498件中、221~240件目を表示
前作以上に濃密なドラマが見ごたえあり
物語は前作から直結しており、スタッフ、キャストも同じということで世界観やテイストがしっかりと引き継がれていて、すんなりと入り込むことが出来た。
非情な運命を背負ったポールの足跡がドラマチックに展開されており、前作で謎だったアトレイデス家の秘密も明らかにされ、クライマックスを大いに盛り上げている。
贅をつくした映像も文句なく素晴らしい。広大な砂漠の映像はスケール感タップリであるし、ド派手な戦闘シーンも目を見張る出来栄えである。
特に、ポールがサンドワームを乗りこなすシーンの迫力は圧巻である。この臨場感、興奮は映画館でこそ味わいたい。テレビのモニターでは勿体ない。
中盤から登場するハルコンネン男爵の甥フェイドの決闘シーンはモノトーンの映像で描かれていて、この美しさも特筆に値する。本作は砂漠のシーンはセピア、ハルコンネン家のシーンはブルーと巧みな色彩演出が際立っていた。
強いて難を言えば、幾つか性急に映る場面があり、そこは少し勿体なく感じた。一つ一つのカットがPART1よりも少し短く感じられたのは気のせいだろうか。上映時間は前作よりも10分ほど長くなっているが、それでも本作の方が物語は濃密だ。元々長大なドラマなこともあり、展開を早めないと枠の中に収まりきらないということがあったのかもしれない。
他に、ポールの元剣術師範ガーニイの再登場も周囲のリアクションの弱さが仇となりやや乱暴に感じられてしまった。
また、本作には様々な特異な設定が登場するが、”命の水”についてはもう少し説明を要したかったかもしれない。その効力については今一つ呑み込みづらかった。
物語はポールとフレメンの女戦士チャニのロマンスを軸にすることで、より女性ドラマ的な趣が増した。しかも、身重のジェシカの宿命や皇帝の娘の登場など、後半から女性キャラに比重が置かれていくようになる。このあたりは監督のドゥニ・ヴィルヌーヴのフィルモグラフィーを考えれば、なるほどと思える所である。
シリーズは本作で一区切りとなるが、結末を見ればまだ物語が続いてもおかしくはない。ヴィルヌーヴ自身も第3作への意欲はあるようなので、次は彼女たちのドラマがどう転じていくのか。期待したい所である。
おもしろかった
パート1から時間が開いていたので復習してから観ようと思っていたけど、時間がなくて振り返らずにスクリーンへGO!
結果、観ながらいろいろ思い出してきて、あ~そうそう、スキンヘッドの宙に浮かぶマツコさん!とか考えながら違和感なく没入できました。
前作で割と厳しめの評価が多かったけど、ワタシ的にはかなり楽しめて、今作もやっぱりおもしろかったですよ。
なんといっても画が綺麗!ドゥニ・ビルヌーブの世界観なのかもしれないけれど、いろいろなものがよく作りこまれていると感嘆しきりです。IMAX鑑賞だったので音も相まってスクリーンに引き込まれます。ただ、砂の中での戦闘シーンが多いせいか、誰が誰だかどっちの側の人なんだーい?って、置いてきぼりにされるシーンもありました。
あと、3時間ほどの上映時間の公判でややだれ気味になった感もありますね。
それでも面白さのほうが勝り、満足でした。
それにしてもエンドクレジットを眺めていると、ティモシー・シャラメ様専属のシェフまで大きく名前が出てくるのが、なんかすごいなぁなんて変なところで感心してしまいました。
宿命と権力
2024年。ドゥニ・ビルヌーブ監督。SF大作の第二弾。突然の襲撃による一族絶滅の危機から、母とともに逃げ出した青年は、砂漠の民に迎えられ、次第に彼らのなかに伝わる「救世主」に擬せられていく。香辛料の独占を狙って惑星支配をたくらむ宿敵に対してともに戦ううちに、不思議な力によって、過去の因縁や未来のビジョンが見えるようになり、自らの宿命を受け入れて宿敵の背後にいる皇帝権力の簒奪まで目指すようになって、、、という話。
香辛料の争奪や砂漠の民の救世主思想などは現実の世界政治の力学を踏まえているようにもみえる。血縁によって大いなる力に目覚めることで、恋人との現実の関係を諦めて治者たらんとするところなどわかりやすい貴種流離譚でもある。つまり、現実的でありつつ神話的である。決闘から大規模な戦闘まで、地中の巨大なワームを乗りこなすことも含めたアクションも満載。
監督独自の「宇宙の音」ともいうべき重厚な音楽と、巨大な軍事的な乗り物の静かさや動きの遅さが、壮大で運命的な物語を盛り上げている。
ダイナミックで繊細
映画館で見よう
You Tubeまとめ動画で予習しただけ
スパイス
フランクハーバートの長大な原作を、ここまで映像化した
Dヴィルヌーブには敬意を表する。大作であり、見応えもある。
パート1が序章であった、ということを差し引いても私には少し冗長、かつ物語の起伏を感じにくかった。
比べて今作はストーリーが駆動し、一定の起承転結にまで至っており、冗長さを感じることはなかった。
私は今やカルト作ともいわれる、80年代デビッドリンチ版デューンも好きな者である。
さまざまに酷評され批評、興行、原作ファンからも失敗作であるといわれたいわくつきの作品。
あのAホドロフスキー監督も完成した映画をみて、ひどくて安心した、なんてコメントしたそうな…
しかしながらリンチの味が色濃く出ているし、映像的にも面白くみられる。ストーリーの粗さや、編集面での様々な問題などあれ、悪くないと感じている方もいるのではないだろうか。
さて今作
原作未読ながら、かつてリンチが映像化した物語の理解が一定程度深まり、壮大なスケール感、音響の体感的感覚、没入感は凄まじい。VFX、音響技術などの進化がこの映像を可能にしたのだろう。
ストーリーとしては典型的な貴種流離譚。長大な原作初期部分を映像化している。
原作者Fハーバートものべているが、アラビアのロレンスも参考にした、と。今観ると中東イスラム世界、欧米アメリカ帝国?的世界の争いに複雑な集団が絡み合う権力闘争。
救世主伝説、宗教間闘争…などが入り組んでいる。
確かに映像化するには相当な手腕、力量の監督でないと難しいだろう。シナリオ創作も困難を極めたに違いない。
そこに、メランジと呼ばれる香料をめぐる争いまで入り、
なんと壮大なスケール。原作はSF小説でありながら全体文学小説的。未読ながら…そう思う。
自分が少し物足りなく思うのは、素晴らしくリアルな映像でありながら、洗練されすぎている気がしてならないこと。
それは人物描写にしても。
リンチ版が強烈にインパクトを残しているのは、そのシュールレアリスム的な表現。人物描写、醜悪、露悪的描写…
アトレイデス家、ハルコンネン家、砂漠の民フレメン、ベネゲセリットの魔女たち、皇帝一族…
今作のキャストも素晴らしい。Tシャラメ、ゼンデイヤ、Lファーガソン、ジョシュ・ブローリン、クリストファーウォーケン!ハビエルバルデム…一流のキャスト
シャーロットランプリングもいた
ただ、インパクトが弱いと感じるのは求めすぎか…
リンチ版のハルコーネン男爵役、狂気の甥フェイドラウザのスティングも、今作オースティンバトラーに比べてインパクト大。
スティングってミュージシャン…
ヴィルヌーブ監督の、ミニマリスト的表現も影響しているのだろうか。
人物のアクの強さが弱い。必ずしもそれが必要だとは思わないが。
個人の好き嫌いといえばそれまでではあるけれど。
ヴィルヌーブ監督の名作SF
メッセージをみたら、これが監督の描写表現なのだろう。
しかし作品は大作でありながら、スピード感あり起伏もうまく使い、美しい描写も多く観ておくべき大作映画でしょう。
気になったのが、劇中で出てくる核弾頭。切り札としての武器だ、との表現だったがこれは現実世界を反映しているのか。
急げ❗これぞスクリーンで・・・
純然たる映像と音
デューンのパート1が残念だったので、
パート2は観ない。
と、心に決めてたのですが、
ヴィルヌーヴ監督のインタビュー記事を目にしました。
そしたら
「良いセリフがあったという理由で映画を記憶しない。
力強い映像がある映画を記憶する。
対話シーンには興味がない。
純然たる映像と音、それこそが映画の力。」
なんていうものだから
IMAXで
映像と音を観に行きました。
パート1に比べると、物語に間延びもなく、予想外な展開もありーので、観終わった感想は
最高でした。ぷっふぁーでした!
これ、いろいろレビューをみると
原作小説は必須科目ですね。
原作を意識した映像と音なんじゃないかと...
パート3までには、原作読破!
課題ですよ。奥さん!
普通に面白い大河ドラマの中編
完結編が観たくなる普通に面白い大河ドラマでした。
異世界に身をゆだね、戦慄と冒険を楽しみました。
ヒーローがサンドワームを乗りこなしたあたりから、各登場人物に感情移入出来るようになり。レジスタンスを応援していました。
物語は二重構造でそれぞれの層の人々の思惑が交錯します。日本の公家と武家の社会とみなせば難しくありません。
良いところは荒涼とした砂の大地です。砂の民なので地球のアラブ・イスラム風装束が合います。母の狂った愛、ヒロインの愛憎、ヒーローの変容が良かったです。
残念なところは、宇宙船の星への突入・巨大闘技場の観衆がCG丸出しなのと、群衆の戦いが前作同様にマクロで分かりにくく白けてしまうことです。監督とスタッフがこの分野は不得手なのかもしれません。
レベッカ・ファーガソンさんは今が最高だと思います。映画の良し悪しには無関係ですが、早くからベールで隠されたのは残念です。
絶対IMAX 話が難しい🫠
前作を越えた
おもしろかった
前回同様、アクションシーンが
笑ってしまうほど面白い
なんだろう、この面白さ。
ただ砂漠だからなのか。
やっぱ非日常味わえるSFエンタメは大事。
と思いつつ、余りにもポールの独裁に対する
反対意識?みたいなのが薄くてやや引っかかった。
しかし、ピューもサドゥもゼンデイヤも
素晴らしく良かった。
それぞれがそれぞれのポジションで
重要性のある要素を担ってましたな。
レア・セドゥ登場した瞬間の安心感
あれなんだろうね。
あのシーンだけモノクロっぽくて、
とても好きなシーンでした。
2024年の映画史に残る美しさでは。
砂漠のオアシスでした。
ピューも良かったし、なにあの衣装。
SFでしか出来ない衣装たのしい。
そして、ゼンデイヤ演じたチャニ。
本気で最前線で戦う姿が凄まじくかっこよかった。
戦士チャニを全力で応援します。
あの人、誰よりも信条貫いてますもんね。
女は教団側に固まってる中で、
戦う姿をもっともっと見せてほしいですね。
DUNE3はゼンデイヤとピューを中心に、
女達の姿をもっと観たいです。
というか観れるよね、アニャもね。
殺伐としたやりきれない感情が残った
はいりこめなかった
前作もそうだったけど、話に入り込めなかったですね。
復習しておきたかったのですが、時間の都合でできなかったせいもあるかもしれません。
戦闘シーンは迫力あっていいんですけどね。
格闘シーンがちょっとイマイチかなという気がしました。
特に最後、ポールに刀が刺さりながら押し込まれて、とどめを刺される寸前に刺し返したところ。あの体制からどういう返したのかがわかりにくいというか、わからなかったので拍子抜けでした。
次作もやれは見るのでしょうが、話がわかりにくいので予習復習が必要かもしれませんね。
リンチやホドロフスキーの呪縛から、抜け出すにはコレしか無かったのか?
SFの金字塔の原作は、指輪物語と同じく手を出すのは、中々覚悟がいるので未読。
ただ、大まかな物語は知ってる感じ。
Part1は、劇場鑑賞済。
一大叙事詩を映像化する覚悟を持った誠実な映画だと思いました。
Part1で不満だった兵器や船、プロップ等のデザインや描写が増えてその部分は満足、惑星アラキスの生態系の肝の砂虫も顔出し興行の前作より、物語の展開上必須だけど、やっとしっかり見せた。
ジェティ・プライムの闘技場のモノクロシーンや、そこに出てきてた看守?のデザインも狂ってて良かったし、ポール覚醒後、初めて劇中でアラキスではなくデューンと言った時には、テンション上がりました。
ただPart2では、前作で足りなかったメランジ(香料.スパイス)の描写が増えると思ってたので、そこに不満が残りました。
デューン世界の肝であるスパイスの重大さ(意識高揚や予言、抗老化だけでなく、航宇宙術に不可欠)は、航宙士のギルドやベネ・ゲセリット(女修道会)、宇宙帝国の根底を成すもので、その希少かつ特異性が表れていたとは、言い難いと思います。
原作がSFの金字塔と言われる由縁は、舞台の生態系の描写やメランジの存在や意識の覚醒が、当時のヒッピー文化と呼応して名作とされている訳ですし、ホドロフスキーが映像化したかった所だと思います。
リンチ版ではグロテスクなビジュアルで、メランジの効能と異能な世界を描写しようと試みていました。
個人的には失敗作の誉高いリンチ版のディテールが好きなのでその分、今シリーズに辛口なのだと自覚してます。
(砂虫デザインも圧倒的にリンチ版推し、今作はでっかい蛭じゃん)
今作ヴィルヌーブ版は、そう言ったサイケデリックでドラッギーな部分を抑えて物語を語り、前作で蒔いた種を収穫する復讐劇としては成功してると思います。
ただ、砂漠を知る為に1人サバイブ修行するポールのシーンのブツ切り編集はビックリしたし、砂漠の過酷さも足りてない気がしました(ポールの暑さでヘロヘロ、意識朦朧からの幻視とか)
ヴィルヌーブは勿論先人達のアプローチや結果の上で、今作を撮り上げており其処彼処に、その香りを残しつつ物語りに徹し、スケールの大きな叙事詩を紡ぎたかったのだなあと思いましたし、現実の現代まで続く戦争の側面、資源確保の部分を焦点しているんだなぁと思いました。
アメリカで前作以上のヒットをしてるみたいで、監督の望み通りPart3が撮れそうだけど、次って大奥みたいな話になるんじゃないの?チャニと嫁の戦いで盛り上がる?って事と、妹はいつ生まれるの?タイミングズレてない?大丈夫❓ってちょっと心配です。
「スケール大きく」
全498件中、221~240件目を表示










