「本当の優しさがユーモアを生む。」ゴヤの名画と優しい泥棒 スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
本当の優しさがユーモアを生む。
クリックして本文を読む
本作の主人公はうだつの上がらないダメ親父。
自作の戯曲をマスコミに売り込んでは突き返され、雇われては余計なことをして首になる。
家庭を顧みず、受信料を払わないなど社会に悪態をつく。
さらには14万ポンドのウェリントン公爵様を「人質」にとる始末。
そんな英国の小汚い「アルセーヌ・ルパン」は嘘偽りのない思いやりがあった。
自らが不利益を被っても、身を挺して隣人を守ろうとする様は本物の紳士だ。
それは幼少期に遭難から救われた経験からくるものなのか?
あるいは亡き愛娘に対する贖罪からくるものなのか?
彼の哲学に本物の慈悲の心を感じ取れるあるからこそ、人々は彼を慕い、厳粛な法廷も笑いにつつまれる。
この年代に生まれ、この作品が「解禁」されたことに感謝したい。
コメントする