劇場公開日 2022年2月25日

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「これ本当に実話ベースなの?って疑うくらい楽しかった。」ゴヤの名画と優しい泥棒 涼介さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これ本当に実話ベースなの?って疑うくらい楽しかった。

2022年2月27日
iPhoneアプリから投稿

原題は、The Duke
1961年、主人公のバントンさんは、年金生活者の爺さん。納得いかなくてBBCの受信料を払いたくない。その気持ちよく分かります。抗議運動とかもやっちゃう正義感の強い人だ。そんな中、テレビで見たニュースをきっかけに、ゴヤの公爵の絵を盗む。この公爵を人質にしてお金を手に入れ、受信料に苦しむ人達を救うためだ。まるで、ねずみ小僧。なので本人は悪い事をしてるとは微塵も思っていない。ちょっと借りただけだからね。
60年代のイギリスの街やBGMがとても楽しい雰囲気。何より長年連れ添っている奥さんとの会話が良かった。昔、娘を事故で無くしていることもあり、バントンさんの行動に感情をぶつける奥さん。でも、仲が悪いわけでない。昔を懐かしんでダンスしたりして、かなりの仲良し。憧れちゃう。
何より、これ、本当に実話ベースなのか?と思ったのが裁判でのバントンさんのトーク。まるでコメディじゃん。三谷幸喜のステキな金縛りを思い出しちゃった。
どうやって盗んだかなどは、最後の方に明らかになるんだけど、優しくてジワ〜。
最初から最後まで、笑って泣いて大満足でした。

涼介