「おもしろく、軽快、かつスムーーーズ!?」アンチャーテッド Chuck Finleyさんの映画レビュー(感想・評価)
おもしろく、軽快、かつスムーーーズ!?
良くも悪くも、このタイトル以上、または以下の評価ではありません。
おまけに主演がMCUマルチバースの住人トム・ホランドですから、しゃれたトリックも怖いもの知らずのアクションも、全く違和感がありません。次作にも期待です!
まぁ‥ 私のように少しナナメに歪んだマルチバースのモブ住民からすると、上記の評価全てがこの映画の弱みとも言える気が。トム・ホランドの童顔にも、はつらつ演技にも全く文句はありませんが、全編あまりにスムーズすぎる。
そもそも「スパイダーマン」の彼に、乗り越えられないアクション危機など起こるはずもありません。トレジャーハンター仲間の彼女はとてもキレイな女優さんでしたが、私はつい「このツンデレ演技なら、いっそゼンデイヤがピッタリなのに…」と何度も思ってしまいました。
それにこの映画、冒頭部がそのまま映画全体のもう一つの予告編+トムの役柄紹介、みたいな構成になってて面白いですよね… 本来なら「蛇足」と言われてしまいそうな説明描写が、逆に物語のアタマの部分に置かれてしまって蛇足と感じないだけ、と言えなくもないですが。
そんな余計な雑音を軽く吹き飛ばすかのようにまず中盤、インディ・ジョーンズも困るくらいの連続謎解きと突破アクションが続き、大いに楽しませてくれますが、ふと、「あれ?財宝のため十何人もが力を合わせたとはいえ、所詮雇われ船員の集まり程度。単に地図を隠すためだけに、あんなお金のかかる黄金の合わせ鍵とか、一大建設工事が必要な地下大迷宮みたいなのまで造るか?」と思ってしまった。「宝探し映画のお約束+キャストの体を張った演技」に文句を言うのも野暮ですが、いささかしつこすぎの難関をスムーズに突破しすぎでは?
そして終盤もアクション映画的満足度の高いスペクタクル大展開で確かに楽しいのですが、いかにも予定調和の「お宝が海に没しておじゃん」は、続編アリ宝探し映画共通のオチとして納得するとしても、古い建物や遺物が好きで一度手に入れたモノをなかなか捨てられない溜め込み癖もあるワタシとしては、あの歴史的に超貴重な「マゼランの帆船」が、空に浮かんだ時点でもうバラバラになる運命バレバレなのが勿体なくて、アクション・スペクタクルの進行に集中しきれなかった。
そしてそれらの難関・危険すべてが、超スムーズに進んでいく‥ ちょっとインディ・ジョーンズが、堅実・リアルな探検家に思えてきた。
次作が出ればぜひ見たいですが、やっぱり☆を付ける手はいまいち進まない
そんな感じの映画でした。
あとから今思い出したんで、追記:
新時代スターの最先端大作に、大ボス役で登場のバンデラス!
相当なワルだな! いくぜ!
首しゅっ!!
あれっ?
合掌。