やがて海へと届くのレビュー・感想・評価
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すみれ、聞こえるかな?そちらからこちらは見えますか?
中川監督、というので迷わずに観た。
しかし。人付き合いの下手な主人公、友人の不可解な死、真相を探しに行く旅、同行する異性の友人、気づきのキッカケになる民宿、、、原作は知らないが、なんだかこれじゃ「走れ絶望に~」の二番煎じじゃないか。
でも相変わらず光石研はいい役どころをこなしてて良かったなあ。
想いは潮風に乗って。
旅に出たまま帰って来ない親友すみれへの想いを抱きながら年を重ねる真奈。すみれを死んだ事とする周囲に抗うように思い出の詰まったビデオカメラの中からその痕跡を見つけようともがく。
岸井ゆきのと浜辺美波の年齢差がどうかなと思ったけど、片方は時間が止まってしまったという点において効果的でした。終始岸井ゆきのの表情がめちゃめちゃ繊細です。
ストーリーは良いはずなのに流れが悪くてプツプツ途切れてしまった印象。ドキュメンタリーみたいな演出は急に何?!ってなるし。アニメーションに童歌にと忙しい。辛い事が起こった海だけど、そこを舞台に選んだ限りはもっと風景で魅せて欲しかったな。
逆にレストランのパートはどのシーンも凄く良かった。「この仕事嫌だったんですかね」ってとこなんかジーンとした。光石研から池田良って最高のキャスティングでしたね。シェフもぶっきらぼうやけど、根は優しくて素敵でした。さぞお料理も美味しいでしょう。
2人の演技で救われる
身近な人の喪失感。その感じ方は人それぞれだ。なんとか前を向こうと無理矢理心を奮い立たせる者もいれば、逆にそこにとらわれることがいなくなった人への誠実さだと感じる者もいる。
いなくなった人への思いの違いが描かれる本作。大学に入学し出会ったまなとすみれのエピソードと、いなくなってしまった現在との対比で物語が進む。ところが、なぜいなくなったのか、亡くなったわけではないのか、中盤に判明しその現地をまなが訪れてから少し雰囲気が変わってしまう。
いや、そんな内容もありだし、彼らが話す内容に心が動かないわけではない。でも、まなとすみれの物語としてそれは絶対必要なくだりだったのかなと思ってしまうのだ。今まで観てきたエピソードをすみれ目線で追うことで2人の関係性がさらに深まる形だけでもよくね?
実はそのすみれ目線でなぞるシーンもすみれの心情が今ひとつわからなくてスッキリしない。これ、小説だともっとわかりやすいんだろうか。そもそも原作小説がこんな感じなんだろうか。
それでも岸井ゆきのと浜辺美波の演技がよかったことで救われる。そんな映画だ。
ドラマと現実が入り混じる
想像していたのと違った(いい意味で)
タイトルが的確に物語と伝えたいことを表している。
浜辺美波が出演していることで非日常感が感じられる一方で、現実な問題とリンクしている、不思議な感覚だった。
過去と現実が入り混じり、事実が徐々にわかっていくのはさながらミステリーのよう。
中川監督の作品は一貫して静かな雰囲気で、一見退屈だが、最後の方でつながり、それが昇華される。
今回も、途中までは苦悩している主人公がメインシーンだが、いまいち感情移入できず、もやもやはした。
ただ、最後はスッキリしつつ、鑑賞者にも考える余地を残され、映画の両面を感じた。
そもそも
わたしは光を握っている
が大好きなので期待して行った分、
ハードルが上がってしまったのかなとも思う。
そもそもの話、岸井ゆきのさんと浜辺美波さんが
同級生っていうのはちょっとキツくない?笑
実年齢で10歳くらい違ったと思うけどwww
震災絡みなら自発的に友人が帰って来ないみたいな
ニュアンスにするのはおそらく被災者の方々が
観た時に違和感を感じるのではないだろうか?
後半の視点の切り替えは面白い発想だっただけに
ちょっと落とし所がもったいなく感じた。
予告編の印象とは違ってた
予告編から受けた印象と違ってた。
2人の出逢いから始まり、現在の主人公の心情と過去の親友との断片的なエピソードが繰り返し描かれる。
周波数があったのか親友になる2人だが、行方不明になる親友の理由が途中まで描かれず、そこには彼女が抱える特別な深い意図があるもんだと思ってたんだけど違ってた。
親友が帰らぬ人となった悲しみには共感を覚えるのだが物語の流れとして居なくなった理由を隠す必要があったのか分からなかった。
そして誰しも彼女を失った悲しみを背負いながら生きようとしてるなか主人公の周りへの言動や態度にはあまり共感を持てなかった。
残された方々の言葉でもあるかと
最後の ゆきのさんの言葉(台詞)
(残された方々の言葉でもあるかと)
そして
言葉にはなって無いがそれに続くアンサーを促す言葉が脳内で再生され
視界が滲みました…。
そしてそして、
新谷ゆづみ さん演じる伊藤羽純にヤられました!
彼女のシーンだけで一つの物語・映画を感じました。
淡々と進んでいく監督らしい作品だと思ったが、少し単調な感じはあった...
淡々と進んでいく監督らしい作品だと思ったが、少し単調な感じはあった。ただ、俳優さんが非常に良かったので最後までしっかり観れたのと、最後のそれぞれキャラクターの目線カットが良い演出だったので、3.5!
素敵な時間だがいくつかの消化不良が……
岸井ゆきのさんを見たくて見てきました。
その点では大満足。素敵な時間を過ごさせていただきました。
浜辺さん含めて、主演二人の距離感がよく、時間の経過と二人の関係性の変化もうまく描かれていたと思います。
ただし、物語のキーとなるカメラについて、なぜすみれが一人旅にもっていっていないのか……。後半のアニメーションパート後の回想シーンがやや冗長すぎるところなど、消化不良な要素もあります。
真奈とすみれのすれ違いももう少し補足が欲しかった。
非常に満足はしましたが、ちょっと気になる点があったのが残念です。
似た題材の「永遠の一分」の方が全体としての満足感は上ですね。
思い出すこと忘れること、これからもよろしくね
アニメパートがとても沁みる。オープニングに登場した台詞「電車は来ないよ」・・・どんな意味があるのかさっぱりわからなかったけど、最後に解明される形です。そして気になる小物“猫のポーチ”。これも終盤に明かされます。
最近見た浜辺美波はTVドラマ「ドクターホワイト」でしたが、このドラマでは演技が微妙すぎて、テーマ曲「心という名の不可解」のAdoにハマってしまいました。おかげで最初はうるさいだけだと思っていた「うっせぇわ」も好きになりました。
この作品の音楽がとても良かったことも忘れてはならない。まるで海の底にいるかのような環境音楽と優しいスキャットが全体を彩っているのです。メタリカが好きな店長(光石研)がフレンチの店ではジャズをかける。そしてPUFFYの「これが私の生きる道」とバラエティに富んでますが、それぞれの性格すら表現しているかのようでした。一方で浜辺美波演ずるすみれは「チューニングすること(周波数を合わせる)」ことで色んな人に溶け込むことができるという設定。
東日本大震災の津波を扱っているにもかかわらず、どこかオブラートに包んだ優しさも感じられた。行方不明のままだと死は受け入れられず、亡き人として扱う母親や元恋人に違和感を感じざるを得ない真奈。線路が水没する幻想的な風景も送る側からすれば堪らないのに、忘れることと記憶に留めるという境目に立つ真奈。答えは明示されないものの、大切な人を失った経験がある者にとってはそれぞれの答えがあるものだ。
時間軸が曖昧すぎるところが難点といえば難点。2005年の新入生オルグでのいい感じの出会いから2011年の悲劇。それから5年後の真奈の様子。うまくいってもダメになっても、それがあなたの生きる道。などと奥田民生の歌詞を思い出し、再生の道を歩まなければ・・・
ネットで調べてみたら、アニメ版『君の膵臓を食べたい』で僕の読んでた本が『やがて海へと届く』とあったんですが、本当ですか?
2人は可愛い
繊細な小説のように膨大なスペースの行間があり、それを自分で埋められるかどうかで評価は変わるかも。
ただ、東日本大震災を真正面から描く作品は覚悟して臨めるが、ストーリーの1要素として急に入れられるとシンドくなってくる。
関係ないけど、岸井ゆきのの田舎くさい可愛さは異常。いい意味で
W主演女優の存在感
10年経って、やっと震災の海を映画にできた、というところか。
ともすれば強烈なトラウマを喚起してしまう津波の描写に、『進撃の巨人』アニメの初期シリーズを作っていたWit studioのアニメーションを使って、柔らかく幻想的なものに仕上げていたことがよかった。
岸井さんのリアリティ溢れる存在感。
親友以上、恋人未満の、恋心を抱いた同性パートナー(すみれ)をなくした喪失感の演技は凄まじかった。
特に明確に亡くなったとわかるわけではなく、どうやらその時に気仙沼を一人旅中で、行方不明になったため「生死不明」状態での、心をどう扱っていいかわからないもどかしさ。というあたりが素晴らしかった。
浜辺さんは、『咲 Saki』はよかったのに、その後『約束のネバーランド』『屍人荘の殺人』と原作つき実写映画の「ヅラ感強いアレ系」への出演が多かった印象ながら……
こちらもよかった。
本当はずっと岸井さん演じる真奈を好きな気持ちを押し殺している、というあたりの繊細な演技には引き付けられました。
タイトルなし
浜辺美波をマイナー風の作品に出すことにどんな狙いがあるのか見たくて劇場へ。浜辺美波は作品内でもネタにされるほど美しく、岸井ゆきのも浜辺美波も演技に過不足はございません。でもストーリー至上主義のマタゾウは星2個しかあげられません。
猫のポーチを拾われたときなぜ私のですと言えなかったのか。真奈のどこに惹かれたのか。なぜビデオカメラを旅行に持って行かなかったのか。なんで引っ越しを決めたのか。あのとき何を言い淀んだのか。鈍感なマタゾウにはすみれにまつわる謎解き要素を謎のままにしておく理由が全然わからない。(全部LGBTで説明する気なのか?)
最初と最後のアニメはすみれが海に取り込まれ、海岸に立つ真奈をみて成仏したという意味?ドキュメンタリー風の場面も蛍の出方もよく理解できない。
日常的な描写力は良く、積み重ねで現れるものもあるが、筋が理解できずマタゾウ的には高評価がつけられなかった。
やがて海へと届く
冒頭アニメーションからのスタート
不思議な世界観に引き込まれる。
現実とリンクしているからか、ノンフィクションなの?っと思うようなリアルな描写があったり物語の内容は現実的なのに演じる2人の心情が理解出来てるのか…
もう一度見てみたくなる
映画を観た。という気持ちになった
舞台でもなくドラマでもなく、映画を観終わったという気持ちになれた。
他の方が書いている通り、津波を絡めていることが却って焦点を暈している感は否めないが、それを差し引いても真奈とすみれ二人の視点で紡がれる淡くも切ない物語は優しくそして確りと心に沁みてくる。
台詞も少なくこれだけ空白の多い感情の隙間を埋めて余りある二人の演技は圧巻。
特にすみれが真奈を見つめる時の表情は息苦しいほど熱く、そして切ない。
もう一度観てしまうかも知れない。
キミスイにも通じる、残されたものの思い
本作の原作の帯に「君の膵臓を食べたい」の原作者の住野よるさんがコメントを書かれています
「キミスイ」では家族でも恋人でもない桜良の死を受け止めきれない「僕」が彼女の自宅で涙を流す場面がありました 本作も友人であるすみれの死を、恋人や母親以上に受け止めきれない主人公の涙がありました 短命で亡くなった桜良もすみれも演じたのが浜辺美波さんであり、彼女の生前の笑顔が、「僕」と「真奈」に深い思いを「共病文庫」「ビデオカメラ」を通して残していく
まったく異なる2つの小説ではあるけれど、大切な人の死がもたらすものの大きさを思います
後半バス停ですみれを見送るあの場面が、最期の別れとなるのでしょうが、その最期を予感させるやりとりがあったことを思うと、もう一度観たくなります 中川監督が描いてきた作品の朝倉あきさん、松本穂香さん、衛藤美彩さんとは違う、残されたからこその強さのようなものを岸井ゆきのさんは演じられていたように思いました 浜辺美波さんは今や東宝の大スターではありますが、こういった使われ方をすることは、今後の女優業を重ねていく中でいい経験をされたと思います
(4月7日 TOHOシネマズなんば にて鑑賞)
CMでのハードルが上がった分残念
岸井さんと浜辺さんの共演で、あのCMなら当然期待大。
しかし、大事な場面でのアニメーションだったり、語りだったり。
監督は、何を伝えたかったのか?
本筋の部分でのストーリーや演技はとても良かったし、岸井さん視点、浜辺さん視点の映像や繊細な表現は素晴らしかったので、勿体ないという印象。
日本映画の悪いところが出てるかな
役者さんは頑張っていたと思いますが、
間間で入るBGMの微妙さや、何を伝えたいのか分からない話の構成(感動?震災で失ったことの辛さを乗り越える前向きな方向?)、更には終始薄暗い映像と雰囲気で陰鬱とした気分で途中からダレました。
原作未読ですが原作ファンだけが楽しめる映画なのかな?
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