やがて海へと届くのレビュー・感想・評価
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素敵な時間だがいくつかの消化不良が……
岸井ゆきのさんを見たくて見てきました。
その点では大満足。素敵な時間を過ごさせていただきました。
浜辺さん含めて、主演二人の距離感がよく、時間の経過と二人の関係性の変化もうまく描かれていたと思います。
ただし、物語のキーとなるカメラについて、なぜすみれが一人旅にもっていっていないのか……。後半のアニメーションパート後の回想シーンがやや冗長すぎるところなど、消化不良な要素もあります。
真奈とすみれのすれ違いももう少し補足が欲しかった。
非常に満足はしましたが、ちょっと気になる点があったのが残念です。
似た題材の「永遠の一分」の方が全体としての満足感は上ですね。
大切な人を亡くした気持ちは誰にも共有できないのだろうか‼️❓
浜辺美波と岸井ゆきの
気持ちの整理のつけ方
真奈の大切な友人のすみれが旅先で行方不明になってしまい、数年たって、すみれの母親は娘の死を受け入れ、すみれの彼氏の遠野は新しい生活に踏み出している。その日から時間が止まったように感じている真奈はそのことが受け入れられない。
突然の別れに、残された者は気持ちをどう整理すればいいのか。結局はそれぞれが自分の納得のいく方法を見つけるしかないのです。
岸井ゆきのさんと浜辺美波さんの演技は良かったですが、演出はだらだらしてくどい所と、描写が足りない所がありました。
冒頭のアニメーションの意味は途中で分かりますが、どこまでが真実なのかがはっきりしません。
(ちょっと「この世界の片隅に」を連想するアニメです)
真奈がすみれの心の秘密をどこまで理解したのかもわかりづらいです。
遠野は薄々気付いていたかもしれません。すみれのビデオを観ていないと言うのは噓じゃないでしょうか。行方不明になったら手掛かりを探すでしょうから。
タイトルが何を意味しているのか分かりにくいのですが、後半のアニメーションと結びつけると怖いです。アニメは要らなかったかなあ。
海の底の様に落ち着く部屋。で身体を寄せ合う2人。
震災遺族のインタビュー。燃えるように朝日が昇り、海岸では「帰らない人を待つもの」と「世界へ飛び出す夢を抱く者」が立っている。と言うピークからの。
女子2人の絆と隠されていたすみれの視点の暴露。忘れていた伏線(ポーチ)は中途半端に未回収。「海の底の様に落ち着く」とすみれがつぶやいた真奈の部屋(ベランダ)への帰還。顔。顔。顔。即ち、人。人。人。への賛歌、って言うか讃美。的な。
A面アイドルの美波ちゃんとB面アイドルのゆきのちゃんです。浜辺美波は久しぶりにスクリーンで見た気がしますが、二皮むけてた。イヤ、こんな芝居出来る女優さんだった?B面アイドルのゆきのちゃん。A面アイドルに、こんな芝居されたら負ける訳にはいかんだろうと。この2人は良かったです。
いずれにしても、「撮り散らかした物語りの手仕舞いの仕方を間違えました!」な印象で、最後はシラけた。
ラスト、欲張り過ぎずに、も少し早く終わるか、スッキリと整理は出来なんだろか。って思いました。顔顔顔の時間は蛇足感しか有りませんでした。
生と死を考えた
『愛がなんだ』に続き視点人物となる主人公に共感性抜群な岸井ゆきのをキャスティングした時点で勝ってる
完璧にホの字、恋してる目で憧れ思い慕う。今回も見事なラウンドキャラクターっぷりで、誰かに恋い焦がれるキャラクターしたら一番じゃないかと思うほど等身大な魅力が、本作を真直ぐな恋愛映画にしていた。
作品前半・周囲の大学生ノリの軽薄な気持ち悪さが分かりやすく伝わってきた分、そこからの主人公2人のパートと会話が時に文学的な堅苦しい気がして、少し鼻についてしまっていた。だけど、車の中ですみれの彼氏・遠野が主人公・真奈に「小谷の中で止まってるんじゃないか」という旨のセリフを言って、真奈が車を降りて歩いているときの逆向き・対向車線から車が二台走り去る象徴的なシーンから、自分の中で一気に惹き込まれた感じがあった。そこからの(流れ的には自然だけど)衝撃展開含む一連のシーンの流れで主人公の気持ちが痛いほど伝わってくるようだった。
まるで海の底みたいな安らぎで僕たちを包んでくれる作品だった --- 行方不明になった友人と探す(?)というような導入部から、本作もいい意味でのミスリード。周囲が亡くなったことにして忘れようとしても自分はいつ(ま)でも彼女がある日突然ふらっと帰ってきたときに揺るがず迎えられる存在でありたいという気持ち。手の届きそうで届かない距離とこみ上げてくる切なさやふとしたときにやってくる哀しみ。一貫した監督の題材。
一方で謎めいた親友役は浜辺美波。主戦場がインディー(あるいはメジャーのサブ)とメジャーの二人が同じ世界で生きて、時を過ごす。私達は人間の片面しか知らない。普通の子じゃなかった…?そして、ネタバラシパート(?)を見たときもう片方の面が見えてくる。例えば『ノマドランド』などのクロエ・ジャオ監督のようにフィクションの中にリアリティというよりリアル現実そのものなドキュメンタリー性を持ち込む語り口。10年以上が経つ中、震災という題材を扱う上での真摯さ。なるほどタイトルの意味にも自分なりに向き合い咀嚼する。深い深い、海よりもまだ深く。
作中、大学キャンパス内での回りトラックや互いの服を着るなど様々な部分で差異を伴う反復が見られるが、特に印象に残ったが作中前半と後半で同じ構図のショットを繰り返すことで終わりが近いことを示唆するようなときの真上からのドローン空撮からの水平線ショット。朝日・朝焼けというのが分かりやすくもいい例えだなと沁み入った。冒頭につながる、帰結していく。生命(せいめい)は廻り巡る。…夢を見てた。
あの日のカメラや窓枠、あなたとの思い出 --- 忘れるんじゃないよ。思いを馳せてはいつか笑顔で見送れるように。"大切な人を失った哀しみからそれでも私/僕たち = 残された人々は前を向いて生きていく"みたいな、傷ついた人達がまた一歩踏み出すまでの再生を描いたドラマは多く、例えば『ドライブ・マイ・カー』なんかもそうだと思う。だけど本作はそうした普遍的題材に時代性も含め新鮮な視点を持ち込んでくれたのではと思った。
劇中、アニメの部分があるけど、実写においても写真・静止画のような画作りな気がした。人物を中心に据えたり、二人をバランスよく配置したり。
P.S. 生きてるとたまに思うのだけど、よくよく考えると"哀しむ(悼む)"って難しいよな。ずっと生きてると髪切りに行ったり、服買いに行ったり、はたまた自分の好きなことしたり、笑ったりしたりすることもあるわけで、それって正しく哀しんでないことになるのかな?四六時中考えてることだけが正解じゃないよな、きっと。むしろ去りし者からしても、大切な人がずっとそうやってるのを見るのは本意じゃないだろうし。…って生きてる人のエゴなんだろうか?なんて色々な考えが水玉・泡みたいに浮かんでは消え、また浮かぶように本作を見ていた。ちょっとしまうだけ、いつかまた取り出すために。あと、杉野遥亮はスーツのイメージ。
女友達が一人旅に出たままいなくなってしまう。 どうやらたまたま訪れ...
岸井ゆきのの落ち着いた所作が素晴らしい一本
身近な人を亡くしたとは言っても、その長幼の序に従って両親を亡くしただけで、しかも両親とも病を得て、遺族にはその死期の予測がついていたという評論子の場合には、かけ替えのない人を突然に失ってしまった人の喪失感は、おそらく、評論子が察する以上のものなのだと思います。
いわば「現地を踏む」ことによって、真奈が初めて現実を受け入れる端緒をつかんだのも、その由縁と思いました。
その切ない心情を、岸井ゆきのの(若い彼女ながら)落ち着いた所作(演技)が素晴らしく、本作は、佳作としての評価に値する一本だったと思います。評論子は。
(追記)
本作の「見せ方」について。
本作の宣伝(予告・解説)では、すみれが遺したビデオカメラの映像に、本作が秘めている「謎」を解くカギがあると言わんげなつくりになっていましたけれども。
しかし結局、真奈が東北にまで足を運んですみれが消息を断った事情が、作中人物には暗黙のうちに?前提とされていたかどうかはさて措くとしても、観客には初めて明らかになるというのであれば、この宣伝は、どうにも、評論子には、いただけません。
直接には被災していない真奈にまで、震災の影響(重荷)が及んでいることを本作は静かに…しかし、ありありと伝えているのですから、そのことを「売り」にしても良かった…否、そうすべきであったと思います。評価子は。
けっきょく、本作の予告・解説は「羊頭狗肉」の謗りを免れないように思えてなりません。評論子には。
すずめの戸締りと同様の隠匿があります
青春の1ページとして悪くない作品だったと思います。
見た時の心の状況で評価が変わりそうな感じです。
雰囲気だけで結末まで繋ぎ切ったことには感心します。
これもまた震災が生んだ作品。
皮肉なことですが、人生観が変わるほどの衝撃を受けた人は多く、それは多くの創作の原動力にもなりました。
これも震災を扱った作品であることを隠匿していましたが、騒ぎにならなかったのは原作付きであることと、残念な興行収入だったからでしょうか。
「人の死」とは
この作品では、大切な親友のすみれが震災で帰らぬ人となった現実を受け入れられず行き場のない喪失感に襲われながらも、周りの人々がすみれの死を受け入れていることに深い憤りと悲しみを覚える真奈の視点。後半では真奈の知らないすみれの最期までの視点が描かれています。
大切な人の死を受け入れることは誰にとっても簡単なことではありません。確証のない死は余計に、まだどこかで生きていると信じたくなります。
私も実際に東日本大震災を経験した身として「帰ってこない=死」だと受け入れることは表現しようのない悲しみだと思いました。
けれどどんなに悲しくとも、その大切な誰かは残された人たちの思い出の中で生き続けています。
思いでは大切
私から見ると世界は。
親友のすみれを突然亡くした悲しみから抜け出せない主人公真奈が、すみれの元彼から引き取った遺品からその死と向き合っていく話。
この監督の作品、身近な人をなんの前触れもなしに突然なくしたことがあるかないかで作品にのめり込める度合いが違うんじゃないかなと思う。恐らく「喪失」を題材にした作品を中心に撮られてて、正直前まではあんまり刺さらなかったのだが自分の母親が亡くなってから今作を見てめっちゃ刺さった。
ある日を境に届かないメッセージに、数時間前には普通に話していた人にもう会えない絶望、大丈夫なふりをしていても突然襲ってくる悲しみ、そのどれにも心当たりがあった。
真奈の心の再生のきっかけが曖昧で分かりずらくはあるという指摘もあるけど、あれはあれで良いと思う。人の心なんて決定打で上手い方向に転ぶ訳じゃなくて、なんとなーくで急に前向きになれたり、はたまた急に心が落ちたりするからね。
そして、ポスターにもあるように、人は世界の片鱗しか捉えられなくて、人によって見えてる世界は違うというのが"映像を撮る"行為として表れされてるのかなと思った。世界の片鱗しか見えなくても、せめて自分の見えてる世界を残すことはできる。
という私も全く映像を撮ることはないけど、こうやって映画の感想をツラツラ書きながらたまに自分語りをするのが、私によると世界はこう見えているという片鱗を残せていればと思う。すみれが真奈のことを憧れも含む愛情を持って見つめていたように、その主観の世界が誰かを元気づけられることもある。
男が描く女の友情はなぜかレズっぽくなりがち
2022年映画館鑑賞15作品目
5月1日(日)チネラヴィータ
ファーストデイ1200円
原作未読
岸井ゆきの浜辺美波映画初共演
既に日テレのテレビドラマで共演しているがそっちはまだ観ていない
同い年の役だが岸井ゆきのの方が年上なことは知っている
だがこれほど離れているのは意外だった
たしかに最初は「えっ」となるけどそれでも受け入れるのが観る側のエチケットに思えて来た最近
所謂東日本大震災もの
親友が震災で行方不明になるといえば綾野剛松田龍平共演の『影裏』を思い出す
あっちはゲイっぽい感じがしたがこっちはちょっぴりレズっぽい
2人とも同じ大学の新入生
サークルの誘いで一緒になり意気投合
トントン拍子で同棲
親友は恋人ができ別居
久々に再会
親友は一人旅で東北に
そこに東日本大震災の津波が襲う
監督と脚本は『四月の永い夢』『わたしは光をにぎっている』『静かな雨』『蒲田前奏曲 第一番・蒲田哀歌』の中川龍太郎
脚本は他に『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』『静かな雨』の梅原英司
東日本大震災で行方不明になった親友の死を認めたくない湖谷真奈に岸井ゆきの
東北一人旅の途中震災で行方不明になる真奈の親友でビデオ撮影が趣味の卯木すみれに浜辺美波
すみれの恋人遠野敦に杉野遥亮
真奈が務めるレストランのコック長国木田聡一に中崎敏
すみれの母親卯木志都香に鶴田真由
東北で沿岸地区で民宿を営む伊藤祥栄に中嶋朋子
祥栄の娘伊藤羽純に新谷ゆづみ
真奈が務めるレストランのフロントマネージャーでのちに首吊り自殺する楢原文徳に光石研
チケットが対人販売の映画館の場合タイトルがわからなくても「浜辺美波ちゃんのやつ」といえばこの作品のことだと通じてしまう
映画館の企画で浜辺美波特集でもやってない限り
でも主演はあくまで岸井ゆきの
浜辺美波はなかなか出てこない
みんな大好き浜辺美波ちゃんだけど岸井ゆきのもちょっとは興味を持ってほしい
冒頭アニメ
ラストの手前にもアニメ
ジブリアニメのかぐや姫風の画風
予算の都合なのか実写なら実写で押し通してほしい
ここ数年こういう表現が多い気がする
そういえば『キルビル』もそうだった
とはいえアニメならではの表現はわりと自分好みで悪くはない
湾岸地域のシックなレストランは東北のド田舎中学生女子が憧れる典型的な東京情景
僕にとってはなぜか少々退屈だった
照明があのくらいムーディーだと眠気が襲う
一転して見慣れた東北の沿岸地域が全国の映画館で公開されるとなると興奮すらする
ちなみに2人で行った海辺は千葉らしい
初対面で会ってからそれほど経ってないのに他人の口の中に指を入れることができるだろうか
酒で気持ち悪くなっていたとしても背中をさするくらいではないか
さらにレズを偽装しいきなり接吻
ありえない
本当は人見知りなのにスイッチが入ると超大胆
すみれが行方不明なった土地を訪れる真奈と遠野
すっかりおばさんになった感がある蛍ちゃんがなぜか震災の語り部をビデオ撮影
最後は随分美少女だなと感じたが彼女は芸能人であり若い役者だった
白いパーカーにbroadenの文字があったことから元阪神のブリーデンを思い出しついでにラインバックまで思い出した
しかし阪神のブリーデンとはスペルが違うので亡き父の形見ではなさそうだ
エンドロールで確認しなかったがおそらく新幹線で一関駅からオリックスレンタカーでロケバスを借りて千歳橋を渡り東山摺沢大原を経由しループ橋を渡り陸前高田に到着
南下し気仙沼や松島でもロケってな感じだろうか
陸前高田の堤防なんてまるで進撃の巨人の世界
たしかにジャズのCDをたくさん置いておくより有線の方が合理的なのだが前のフロントマネージャーの方が魅力ある
人望があった人の後釜はなぜかコストカッターというか全てにおいて味気ないつまらない人が多いと感じるのは偏見か
ポスターにもあるが幻のすみれが真奈にキスをしそうになる場面
真奈が涙を流すシーンが美しくて良かった
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