やがて海へと届くのレビュー・感想・評価
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作り手の思いは観客に届いたか
作り手の思いが私には届かなかったというか、わからなかった。
「前田建設ファンタジー営業部」であんなにチャーミングだった岸井ゆきのと、いつもかわいい浜辺美波の魅力が充分に引き出されていなかったように思う。
前半はなんだかゾンビみたいに見えた。
青い空と海を美しく撮れるカメラマンいないのかな。
アメリカ映画の空と海はきれいなのに。
母娘役の鶴田真由と浜辺美波の声が驚くほどそっくり。
アニメーションもラストも?
視点が変わってるのに同じ映像使ってるのも、?
最初にタイトルが出ないで、ラストに出るのは定着してくのかな。
古い映画ファンだから、昔ながらにバーンとタイトルが出て始まる方が、ワクワクする。
許されるのか
人それぞれ表と裏がある
浜辺美波さんが出ているので気軽に見に行きました。R12と書いていて、最初の水彩画でサスペンスなのかと感じましたが、この映画は人それぞれ経験してきたことや考え方価値観により解釈が異なる。勝手に解釈して、いろんなことを感じてくださいというメッセージ性があると感じました。東日本大地震の作品だそうです。
高校生の私が感じたのは、
人には親しく接していて、無言でも過ごせる中でも相手は知らない過去や裏側があるのだなと感じた。
すみれがポーチを落としたから真奈と出会えた。少しの偶然で人は出会う。
それぞれの悩みがあって、それぞれの捉え方がある。
ただ笑っていたり、何も考えていないように見える人ほど考えているのかもしれない。外見だけで判断してはいけないとつくづく思わされました。
見に行くか迷っている人は見に行くべきだと思います。原作を読んでからの方が分かりやすいかと思います。
海深く深い想い
優しいアニメーションからはじまる
大好きな友を亡くし
…失踪感が
彼女のなかで大きな哀しみが
奥深く深いところで彼女のことを想う
岸井ゆきののなんとも言えない演技が見事です
落ち着いた雰囲気と人の優しさも感じて
いつまでも忘れたくない人
過ぎていく日々に
薄れていく記憶
いつまでも失くした人を想いたい
【”万物流転・・”忌まわしき天災の傷を時間を掛けて受け入れ、再生して行く人々の姿。アーティスティックな作品であると共に、岸井ゆきのさん、浜辺美波さんの凄さを堪能する作品でもある。】
ー 大学の新歓で知り合った内気な真奈(岸井ゆきの)と、表面的には外交的な、だが内面に深い孤独を抱えるすみれ(浜辺美波)は、ふとしたことが切っ掛けで知り合い、距離を縮め、二人で住むようになる。
だが、すみれはフラリと東北に一人旅に出かけ、帰って来ない・・。-
■東日本大震災の犠牲者には、未だ遺体が見つからない人が多い。
残された家族は、”いつか帰ってくる・・。”という儚い望みと、死を受け入れ新たな生活に踏み込まねば・・、という板挟みに悩む人が多いと、仙台に住む友人が、且つて私に話してくれた事がある。
◆感想
・岸井ゆきのさんの柔らかな演技と、表面的には外交的だが内面に深い孤独を抱えるすみれを演じる浜辺美波さんの物凄い美しさの中に秘めた、憂いを帯びた表情、時に”眼””は凄みさえ感じさせる。
- 今作は、この二人の女優さんの好対照な演技を見るだけでも価値があると、私は思う。-
・すみれの元恋人遠野(杉野遥亮)、母親(鶴田真由)は5年経っても帰ってこない彼女を故人として扱おうとするが、真奈はそれに納得がいかない。
- すみれの”遺品”の扱い。残されたすみれがいつも愛用していたビデオカメラは遠野も母親も引き取らず、真奈が手元に置く。
すみれが、カメラのファインダー越しにしか物事を観ない、大切なことを言わない事を遠野が諫めるシーン。すみれの心の闇が仄かに描かれる。
すみれこそ、実は内向的な性格なのではないか・・。脆さを抱えているのではないか・・。-
・真奈がアルバイトしているレストランの店長(三石研)がある日、突然首を括り自殺する。真相は誰も分からない。
だが、その事件をきっかけに、真奈とレストランのシェフ国木田(中崎敏)は、すみれが行方不明になった東北の海岸沿いの土地に出掛ける。
- そこで、出会った人たち(中島朋子、新谷ゆずみ、そして実際に震災に遭われた人々)がビデオカメラに向かって”その時”を語るシーンは、東北に所縁のある私にとっては、キツカッタが印象的なシーンであった。
皆が、愛する人の死を受け入れ、必死に生きている姿は、心に沁みた・・。-
・すみれが愛おし気な表情で撮っていた真奈の寝姿。すみれは本当は・・。
- すみれは、且つて真奈に”貴方は本当は強いんだよ・・”と言っていた。
真奈はすみれにとって、憧れの存在だったのではないか・・。-
・そして、ゆっくりと時は流れ、真奈にも変化が訪れる。
いつもはすみれが撮っていたカメラに向かって明るい表情で喋り掛ける姿。
”こちらは、天気です。そちらはどうですか・・。”
<冒頭の幻想的なアニメーションシーンとラスト近くの万物流転を暗喩したアニメーションシーンの繋がりも良い。
今作はアーティスティックな作品でありながら、独り善がり的な個所は少なく、見応えは十二分にあると思った作品である。>
■今作は、睡眠は十二分に取ってから、観賞することをお勧めします・・。
瞳に引き込まれる
すみれ(浜辺美波)が真奈(岸井ゆきの)を見つめる瞳、
真奈が遠くのすみれを見つめる瞳。
登場人物の瞳の力を感じる、美しい映像だった。
監督の中川龍太郎は、特に「走れ絶望に追いつかれない速さで」以降、
「生と死」「喪失と再生」をテーマにしてきていたのだと思う。
本作も、いなくなった親友(すみれ)への思いをどう受け入れたらいいのか、
もがきながら前へ進んでいく真奈の心情を丁寧に描いている。
題材となるテーマ(喪失と再生)が同じ、かつ普遍的なものとはいえ、
アニメーションやドキュメンタリー手法なども用いており、
静かな作品ながら目が離せない展開だった。
最後、真奈の瞳は何を語っていたのか、
どう感じとるべきかを問いかけてくるようでもあり、心に残る。
行間を読んで感じる作品
置いてけぼり‼️
喪失感を持ち続けられることは強さだと思う
親友が突然亡くなった。いや,いなくなってしまった、
明確に病気や事故で亡くなって,見送ったわけではない。
震災に巻き込まれた可能性は高いけれど確実なわけじゃない。彼女を取り巻く人たちはもちろんみんな悲しみに浸る。でも,少しずつそのことを受け入れ、彼女は亡くなってしまったと整理して日常に戻っていくのだ。
主人公はそれができない,納得しない。喪失感を持ち続けられることは生きてる時の彼女への思いの深さだけではないだろう。映画の中でもいなくなった親友は主人公に言っている。自分で思ってるよりあなたは強いよと。
そう、この主人公の持つ強さを,岸井ゆきのが見事に演じきった。彼女あっての映画だろう。最後の独白は彼女のアドリブらしい。お見事としか言いようがない。素晴らしかった。
きっと忘れないだろう
前情報を入れずに観てしまったので
3.11が話に絡んでくることを知らなかったので浜辺美波演じるすみれが何故いなくなってしまったのか考えながら見ていて
理由がわかってくると3人の関係から消えたのでは無く本当にある日突然もう会えなくなってしまったということが
とてつもなくやりきれない気持ちになってしまって
これは岸井ゆきの演じる真奈のように気持ちの落としどころがわからず
答えが出ないなと思ってしまった
原作では震災で帰ってこなくなった…とあらすじが始まるが
映画ではアニメーションから始まり
あのアニメーションも最初は何も知らなかったので美しいけど何処かこわいアニメーションだなと思ってたけど
後半流れたアニメーションは理解していたので恐さの理由はそういうことかと思いながらも自然に帰っていくそれをみて
少し安心を覚えた。
ある程度知った上で見るべきだったのか
知らずに見るべきだったのかはわからないし
見た側で全然感想は違うであろう落としどころだったであろう映画だったけど
たまたま映画ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌を見ていて、それを引きずっている事もあり泣いてしまったし、真奈は過ごした大切な時間を忘れないだろうと感じました
ボクはこの映画好きです
すみれを探す《心の旅》
すみれってどんな子だったんだろう?
“普通とは違っていた?“
水をすくっても指の隙間からこぼれ落ちる。
すみれは水のようにすくえない。
不思議な映画でした。
分かったようでも、次の瞬間もう分からなくなる。
「喪失にから再生」
多分テーマは、そう。
でも一方で、
すみれを探す映画でもあると思う。
自分(私)は、非常に現実的な人間(リアリスト)なので、
ミステリーを読むように、
ミステリー映画のように、観るしか方法がみつからないです。
真奈ははっきりと口に出しています。
「親友が津波で、帰って来ないのです、
「一人旅が好きで、あの辺りに出かけたことは、分かっています」
冒頭のアニメーション
カーキ色のブルゾンにジーンズ。
赤いスニーカーの少年。
海に足をつけて、どんどん深みに進んで行きます。
そして、実写に変わって、
すみれの喪失に苦しむ真奈の描写があり、
真奈とすみれの出会い、
大学の同好会の飲み会。
真奈が無理して飲んだビールに悪酔い。
すみれはそんな真奈を介抱してくれる。
機転も効いて頼もしくてミステリアスなすみれ。
ある夜、母親と喧嘩して家を出て、
ずぶ濡れの子猫みたいに真奈の部屋に住み着いてしまう。
真奈が「かけがえのない彼の存在」を匂わせた後、
すみれは遠野(杉野遥亮)に、
『私たち一緒に住まない?』と言って、
真奈の部屋を去っていく。
そしてある日、一人旅に出かけて、
それきり、
5年も消息が分からない。
遠野とすみれの母親は、葬式を終えて、
すみれが死んだものとして、
アパートを引き払ったり、形見分けをはじめる。
それが残された人の当たり前の生き方、
真奈はどうしてすみれが、ふっと帰って来る気がする。
死んだことにする事が、許せない。
大学を卒業してレストランで働く真奈は、
すみれを失った悲しみから
抜け出せないでいる。
何度も訪れたと言う「福島」に国木田(中崎敏)と
ドライブで出かける。
そして3.11で家族の戻らない人々の話を聞く。
(今でも遺骨を探す人々がいます)
終盤で、
すみれの側から、振り返るパート。
すみれが遠野の元へ去った理由、それは
真奈が仄めかした彼氏の存在にあるのではないでしょうか?
2人が話した最後の日。
バス停ですみれは真奈に、
「真奈は自分で思っているよりずうっと強い人だよ」
と、言い残す。
そして一人旅に出かけます。
ラストのアニメーションに続きます。
岸井ゆきのさんの哀しみを背負う佇まい。
浜辺美波さんの、女神のようで神秘的とも言える美しさ。
海はあまりに大きく、
強くて、
人を呑み込む
海の底知れなさ、
人は抗うことが、
出来ない
《翌朝 2度目の鑑賞》
冒頭のアニメーションをみてドキッとした。
もしかして、すみれは男の子になりたい人、
だったのかも?
髪が最初のロングから、ボブになり、
ショートカットに、
「昔からその髪でなかったのが、不思議な位、」
服装もフェミニンなワンピースから、
ラストの駅のベンチに座ってるすみれは、
カーキ色のブルゾンに、赤のスニーカー、
すみれは男の子になりたかったの?
そうして真奈の恋人になりたかった?
そのビデオカメラには、知らなかっな彼女の
秘密が残されていた・・
(そう映画解説には書いてある)
真奈はすみれを親友として好きだった。
しかし
すみれは真奈が考えてる以上に真奈が好き。
恋人として好きだった。
私が感じたすみれの秘密って、
そんな気がする。
すみれは男の子に生まれて、真奈の恋人になれたら、
良かったね。
福島から帰った真奈は吹っ切れたように言う。
「今日の天気は晴れ」
ふんわりと考えれば良いのかな
良質な邦画
私は何でもかんでも言葉で説明する作品が苦手なので、とても満足のいく2時間でした。私なりの解釈の余地があり、今後も折に触れてこの映画を思い出す気がします。映画館で見る価値のある映画でした。
ただ…宣伝文句というか、あ、そういう行方不明なのか…と思って、事前に明かされてた方がよかったような気もするし、かといって事前に明かされてたらたぶん辛いだろうと考えて見なかったな、とグルグル思ったのでマイナス1.5にしました。
映画としてはすごく満足です。ただ、私にとってもその出来事は深く刻まれていて、当事者の人とか、どうなんだろうなと…余計なお世話ではあると思うのですが。
そういうことも含めて様々なことを考えられる映画でした。私は、見てよかったです。
切なく悲しい【喪失と再生】
レールは敷かれているものの、このテーマを嫌いにはなれず
エンドロールでふと、何かが吹っ切れたかのように、涙が止まらなくなった。もう、会うことはないかもしれない、自分にとって大切だった人に、自分は何か残せただろうか。
中川龍太郎監督の長編作品は『私は光をにぎっている』以来。割とウトウト夢心地を味わった記憶。
本作も少しウトウトしたものの、一層心に触れてくるというか、優しさが次第に核になって現れる。東日本大震災を1つの分岐として、余白が心を溶かしていき、心の拠り所と変化を悟っていく。喪失と再生の物語くらいに捉えていたが、実際そう簡単に割り切れるものでもない。存在の証明と記憶が薄れ、変わることが世の変わらないことを受け入れる。だからこそ、その一瞬が形に残り、言葉以上の世界が輝き出す。
「私たちには、世界の片面しか見えていないんだと思うんだよね。」全てを知っている様な彼女の言葉。言葉ほど綺麗には生きれず、人は皆脆い。世界の一面でしか見られないのだから、想像で補うしかない。確かに他のレビューで見た、「静かな『佐々木、イン、マイマイン』」との比喩がしっくりくる。上辺を撫で回した様な導入と、必然を装った旅路が入りにくかったが、その心の弱さを突いてくる映画を嫌いになれない。きっとそこに自身の弱さがあるからだろう。
主演は岸井ゆきのさん。すっかり等身大の女性像が似合う、実力派としての起用が増えたように思う。そして、意外な人選だったのが浜辺美波さん。ヒロインのカラーではなく、ミューズとして生きる役に置かれ、それだけで観る価値があると感じた。主演作で培われた繊細さと光、そこに宿る移ろいに、大人びた髪が揺れる。また、若手の注目株、新谷ゆづみさんも凄く色味が繊細。今後も伸びていくのだとしみじみ。駆け込んだ甲斐があった。
自分も誰かの中で生きていたら、それはあまりにも幸せなことだ。多くの人にお世話になったし、たくさん学んだ。しかしながら、こうして書いていて思う。私は大切な人を大切にする生き方なんだと。憧れが憧れではなくなった時、自分が変わったのだと思うのかもしれない。
一部と二部のつもりで観るべきだったか?
「私たちには、世界の片面しか見えていない」で始まった作品は、浜辺美波さん演じるすみれと岸井ゆきのさん演じる真奈の絡み合いが、もどかしくて優しかった。「もう片面」は性を越えた「愛の形」だろうと感じていました。
けれども作品は、自分と自分が愛する人や、身近な人間との理解・亀裂を追いながらも、急に大いなる鎮魂の話へと向かう。その唐突さが後に安堵に繋がったかと言えば、そうではなかった。
私的にあくまで私的に掘り下げるのだなと言う気持ちでいたもので、突き放され感が強烈でした。
小説の文脈がルポの文脈に変わり、また小説に戻るかに見せたものの、すぐにルポの姿になって終幕に至った訳です。
オープニングのアニメーションが、ストーリーを少し変えてエンディングにも現れる。哀しみはいくら幻想的に描いても哀しみのままだと呟いて、アニメーションは終わる。ここは素直に心に沁みました。
プロットのギクシャクはあったと思うけれど、自らを静かに閉じて生きる真奈の心身を開いた浜辺さんの清冽な妖しさに、私も心地がほぐれました。判らないけれども、何か不安だけども着いて行きたい。行く先は全てを受け入れてくれる広い場所……と言うことだったのでしょうか。
想いは潮風に乗って。
旅に出たまま帰って来ない親友すみれへの想いを抱きながら年を重ねる真奈。すみれを死んだ事とする周囲に抗うように思い出の詰まったビデオカメラの中からその痕跡を見つけようともがく。
岸井ゆきのと浜辺美波の年齢差がどうかなと思ったけど、片方は時間が止まってしまったという点において効果的でした。終始岸井ゆきのの表情がめちゃめちゃ繊細です。
ストーリーは良いはずなのに流れが悪くてプツプツ途切れてしまった印象。ドキュメンタリーみたいな演出は急に何?!ってなるし。アニメーションに童歌にと忙しい。辛い事が起こった海だけど、そこを舞台に選んだ限りはもっと風景で魅せて欲しかったな。
逆にレストランのパートはどのシーンも凄く良かった。「この仕事嫌だったんですかね」ってとこなんかジーンとした。光石研から池田良って最高のキャスティングでしたね。シェフもぶっきらぼうやけど、根は優しくて素敵でした。さぞお料理も美味しいでしょう。
ドラマと現実が入り混じる
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