「男が描く女の友情はなぜかレズっぽくなりがち」やがて海へと届く 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
男が描く女の友情はなぜかレズっぽくなりがち
2022年映画館鑑賞15作品目
5月1日(日)チネラヴィータ
ファーストデイ1200円
原作未読
岸井ゆきの浜辺美波映画初共演
既に日テレのテレビドラマで共演しているがそっちはまだ観ていない
同い年の役だが岸井ゆきのの方が年上なことは知っている
だがこれほど離れているのは意外だった
たしかに最初は「えっ」となるけどそれでも受け入れるのが観る側のエチケットに思えて来た最近
所謂東日本大震災もの
親友が震災で行方不明になるといえば綾野剛松田龍平共演の『影裏』を思い出す
あっちはゲイっぽい感じがしたがこっちはちょっぴりレズっぽい
2人とも同じ大学の新入生
サークルの誘いで一緒になり意気投合
トントン拍子で同棲
親友は恋人ができ別居
久々に再会
親友は一人旅で東北に
そこに東日本大震災の津波が襲う
監督と脚本は『四月の永い夢』『わたしは光をにぎっている』『静かな雨』『蒲田前奏曲 第一番・蒲田哀歌』の中川龍太郎
脚本は他に『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』『静かな雨』の梅原英司
東日本大震災で行方不明になった親友の死を認めたくない湖谷真奈に岸井ゆきの
東北一人旅の途中震災で行方不明になる真奈の親友でビデオ撮影が趣味の卯木すみれに浜辺美波
すみれの恋人遠野敦に杉野遥亮
真奈が務めるレストランのコック長国木田聡一に中崎敏
すみれの母親卯木志都香に鶴田真由
東北で沿岸地区で民宿を営む伊藤祥栄に中嶋朋子
祥栄の娘伊藤羽純に新谷ゆづみ
真奈が務めるレストランのフロントマネージャーでのちに首吊り自殺する楢原文徳に光石研
チケットが対人販売の映画館の場合タイトルがわからなくても「浜辺美波ちゃんのやつ」といえばこの作品のことだと通じてしまう
映画館の企画で浜辺美波特集でもやってない限り
でも主演はあくまで岸井ゆきの
浜辺美波はなかなか出てこない
みんな大好き浜辺美波ちゃんだけど岸井ゆきのもちょっとは興味を持ってほしい
冒頭アニメ
ラストの手前にもアニメ
ジブリアニメのかぐや姫風の画風
予算の都合なのか実写なら実写で押し通してほしい
ここ数年こういう表現が多い気がする
そういえば『キルビル』もそうだった
とはいえアニメならではの表現はわりと自分好みで悪くはない
湾岸地域のシックなレストランは東北のド田舎中学生女子が憧れる典型的な東京情景
僕にとってはなぜか少々退屈だった
照明があのくらいムーディーだと眠気が襲う
一転して見慣れた東北の沿岸地域が全国の映画館で公開されるとなると興奮すらする
ちなみに2人で行った海辺は千葉らしい
初対面で会ってからそれほど経ってないのに他人の口の中に指を入れることができるだろうか
酒で気持ち悪くなっていたとしても背中をさするくらいではないか
さらにレズを偽装しいきなり接吻
ありえない
本当は人見知りなのにスイッチが入ると超大胆
すみれが行方不明なった土地を訪れる真奈と遠野
すっかりおばさんになった感がある蛍ちゃんがなぜか震災の語り部をビデオ撮影
最後は随分美少女だなと感じたが彼女は芸能人であり若い役者だった
白いパーカーにbroadenの文字があったことから元阪神のブリーデンを思い出しついでにラインバックまで思い出した
しかし阪神のブリーデンとはスペルが違うので亡き父の形見ではなさそうだ
エンドロールで確認しなかったがおそらく新幹線で一関駅からオリックスレンタカーでロケバスを借りて千歳橋を渡り東山摺沢大原を経由しループ橋を渡り陸前高田に到着
南下し気仙沼や松島でもロケってな感じだろうか
陸前高田の堤防なんてまるで進撃の巨人の世界
たしかにジャズのCDをたくさん置いておくより有線の方が合理的なのだが前のフロントマネージャーの方が魅力ある
人望があった人の後釜はなぜかコストカッターというか全てにおいて味気ないつまらない人が多いと感じるのは偏見か
ポスターにもあるが幻のすみれが真奈にキスをしそうになる場面
真奈が涙を流すシーンが美しくて良かった