劇場公開日 2022年4月1日

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「人の死」やがて海へと届く やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5人の死

2022年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人の死って、本人は死んで終わりですよね。
だけど、残された人はそこで終われないわけです。
それでですね、残された人にとっての死って、溶けるように終わっていくんじゃないかと思ったの。

すみれの母や遠野は、自分の中ですみれの死を溶かしていったんだと思う。
一方の真奈は、終わらせたくなかったんじゃないかな。
それでも、運命的な出会いをした日の天気が思い出せなくなるように、少しずつ溶けていってしまうんだと思うし、そうであるべきなんだとも思う。

あの震災から十年以上が経って、いなくなってしまった人の記憶が、残された人の中で、能動的にも受動的にも溶けていってるんじゃないかな。
それでも、終わらせてはいけない部分も有って、そういう時に映像の力は、手助けになるんだと思うの。

この映画の記憶も、やがて私の中から消えてしまうかもしれないけど、例えそうだとしても観て良かったと自信を持って言える映画かな。

やきすこぶ