劇場公開日 2022年4月1日

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「瞳に引き込まれる」やがて海へと届く sodomeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0瞳に引き込まれる

2022年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

すみれ(浜辺美波)が真奈(岸井ゆきの)を見つめる瞳、
真奈が遠くのすみれを見つめる瞳。
登場人物の瞳の力を感じる、美しい映像だった。

監督の中川龍太郎は、特に「走れ絶望に追いつかれない速さで」以降、
「生と死」「喪失と再生」をテーマにしてきていたのだと思う。
本作も、いなくなった親友(すみれ)への思いをどう受け入れたらいいのか、
もがきながら前へ進んでいく真奈の心情を丁寧に描いている。

題材となるテーマ(喪失と再生)が同じ、かつ普遍的なものとはいえ、
アニメーションやドキュメンタリー手法なども用いており、
静かな作品ながら目が離せない展開だった。

最後、真奈の瞳は何を語っていたのか、
どう感じとるべきかを問いかけてくるようでもあり、心に残る。

sodome