「鑑賞マナーに追加して欲しい」BLUE GIANT MP0さんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞マナーに追加して欲しい
正直★5をつけてもいいと思いました。とても素晴らしい作品だと思います。
が、二つの理由で★3.5としました。
音楽については小中学で「2」を取ったことがあるくらい苦手で、リコーダーどころかピアニカも怪しいズブの素人ですが、音楽の作品である事から絶対に音響の良い劇場で観たいと思い、仕事帰りにファーストデイでDolby Atmosで鑑賞してきました。
原作はほぼ未読ですが、映像化することの難しい作品だったものを、きっと原作の骨格になる部分をしっかりと尊重して作られた映像化だと思います。
上映中に何度も泣いてしまいましたし、Fly Me To The Moonくらいしかjazzナンバーも知りませんがJAZZ BARや色々聴いてみたいと思いましたし、原作も読んでみたいと思いました。
脚本、演出、もちろん音楽は言うまでもなく大満足でした。
けれどCGを使っての動きの良い面と悪い面の落差が随所で気になり、作画コスト等の問題かもしれませんが妥協を感じました。映像化とは動画にするという事、映画にするとは時間とお金を払って観るということ。ここに手抜きに見えるのは悩ましいですが、★4.5〜★5の間で悩んだ要素1つ目。
人によっては十分に満足できると思います。
二つ目は鑑賞した劇場とその時間帯特有の問題と鑑賞マナーについてです。コロナ禍のソーシャルディスタンスが緩和されたからなのか、この劇場での鑑賞は初めてだったのですが、退場時の列毎の案内がないために列がなかなかはけず退場に余計な時間がかかっているように思いました。
またどの映画館でも上映前にやれスマホの電源を切りましょうとかアレコレ注意が流れますが、鑑賞マナーは上映が終わったらあとはどうでもいいのか。
私が気持ち良く、高い満足度に満たされながら◯番スクリーンを退場列の終わり側に待って並んで退場中に「原作ではこの後〜」「原作では〜」と原作未読者が周囲にいることなどお構いなしにツレの女性の前でペラペラ得意気に話す男性の姿がありました。
映画を観終えた後に感想を語りたい気持ちはよく分かりますし、ツレがいたらすぐにでも話したくなるのも分かります。良い作品であれば尚更です。
オフィス街を含む都心の大きな映画館、ほぼ満席の時間帯、その人から離れるためにわざとトイレに寄ったりしたのに劇場を出ても劇場の入っている施設を出るまで長いエスカレーターの後ろでまた合流し、他の人はほぼ話していないエスカレーターの間も延々と語り続けられたというのは作品そのものへの評価ではないという人もいるかも知れませんが、鑑賞者の周囲への配慮も私は映画作品の一部だと思います。
贅沢なワガママかもしれませんが、鑑賞マナーに周囲への配慮も含めて欲しいという願いを込めて★1.0下げました。興醒めです。この劇場にもう観に行くことは多分ないでしょう。施設から出るまでの導線を含めてネタバレが嫌な人にはマナーが守られないと最悪の劇場になってしまうことがよくわかりました。