「素晴らしかった」BLUE GIANT 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかった
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原作漫画は大評判だったので読んでみたのだけど、どんな音楽なのか分からなくてモヤモヤするばかりで読むのをすぐにやめた。この映画ではそんなモヤモヤがすべて解消されるどころか素晴らしい演奏と曲と音とで大感動だ。
ロン毛くんが高慢で、それを手厳しく批判される。しかし、若い芸術家はそのくらいでないとよくないのではないか。実績があるわけではなく、自らを鼓舞する必要もある。他者に冷淡であるのは、感じが悪いがそれは手痛い目に会って学べばいい。批判してくれる人は優しい。もし自分が近くにいたら、そのままガンガン登って行けと煽るかもしれない。
努力するひたむきな姿勢が描かれる。真に才能があったら努力を苦にせずすいすいとやっていくと思う。表現者として圧倒的な存在は、絶対的に一般人とは違う。初めから輝いている。ドラムの人の苦しみは一般人の苦しみだ。
ロン毛くんがわびしいアパート暮らし。あんな高慢ちきなのにボロアパートを苦にしないのは自分に誇らしいものが備わっていて、常に前進し続けている真のプライドがあるからだろう。かっこいい。
性根の腐った人は誰もいない世界で、こんなだったら素敵だ。
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