「泣ける! 漫画の評判が高いことは知っていたが読んでいないので、スト...」BLUE GIANT panpan00さんの映画レビュー(感想・評価)
泣ける! 漫画の評判が高いことは知っていたが読んでいないので、スト...
泣ける!
漫画の評判が高いことは知っていたが読んでいないので、ストーリーなど全く知らずに鑑賞した。漫画見てる人からしたら、もしかしたら次の展開がわかっていて、もしかしたら退屈かもだけど、初見の私は満足だった。
特に雪祈には泣かされた。
雪祈が日本最大のジャズバーSOBlueの平氏にピアノのスキルをダメ出しされた後の、吹っ切れての演奏は感動した。自分をさらけ出したかのような激しい演奏と映像にやられた。そしてSO Blue出演を決めたあとの不運な交通事故。右腕が破壊されて、おそらくもうピアノが弾けないだろうと思うと、とても悲しい。
SO Blueには大と玉田の二人で出演するが、病院を抜け出した雪祈がアンコールに駆けつけて、左手だけで最後の演奏をするのも悲しい。
実際にピアノやサックスを演奏しているのは馬場智章、上原ひろみだそう。彼らの演奏無しには成立しない映画だ。
残念なことは、おそらく漫画はもっとスローテンポではないかと思うが、映画の尺に合わせてトントンと話が進んでいくためJASSの三人以外のエピソードが薄い。雪祈が幼い頃に一緒にピアノを習っていた女の子がJASSの演奏を聴きにSOBlueに来ているが、特に説明はないし、なぜいるのかも分からない。
JASSが普段の練習に利用していたバーのオーナーの女性も、おそらく昔jazzバーで歌唱していたであろうが、エピソードが無いから彼女への感情移入もない。
大にサックスを教えたであろう人物についても、彼については描かれないので、カメラに向かって話す姿にも何も感じない。
本作の演奏に感動したものの、おそらく濃い内容の原作が凝縮されて内容が薄くなってしまった、そんな印象の映画だった。
他の人のレビューに書いてるCGについてのダメ出しは、私は気にしない。演奏シーンを滑らかに描こうとした選択だと思うし、そんなに気にはならない。