デリシュ!のレビュー・感想・評価
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ちょっとお話は凝りすぎた感があるかなぁ
全体的にすごく中途半端な印象を受けてしまいました。
レストランの起源を描くってことで、かなりアガる展開を期待してたんだけど、残念ながら熱くなれなかったんですよね。
観賞後ググってみたらレストランの起源は「1789年のフランス革命後に、お城のお抱え料理人たちがパリの街に散り、飲食店を開業します。これが「レストラン」の始まりです」と描かれてました。(まぁ諸説あるのでしょうが)ですから、本作の背景はフィットしているのでしょうが、貴族社会と平民の対抗をそこにかさねえしまうことが、ドラマティックの度合いが低くなってしまった気がします。
確かに当時のシェフは料理をコピーすることが大命題で創作料理はもってのほかだったみたいなので、物語の発端はありそうなお話なんですよね。けど、主人公シェフがラストに向けての一念発起の理由が「それかい!」な点がどうにも薄っぺらいし、やっぱもっともっと料理自体や料理人の心意気、職人の想いにフォーカスを強めにして欲しかったんですよねぇ。なんか、結果オーライでフランス革命迎えたような見え方しちゃって・・・。民衆の熱さも感じられない。
色々と調味料使いすぎて味がぼやけてしまったみたいな感じでがっかりだったなー。お話の重点ポイントがどこにもないように見えちゃって、当たり障りないビジネスホテルの朝食バイキングみたいな目玉がない話。
気持ち良いテンポの112分。
決して映画豊作ではなかった今夏。
秋を迎えて期待を込めた一本は満足 満腹。
サクサク進むリズムと丁寧に作り込まれた映像が見事に折り合いをつける。
楽しく観られる112分に感謝‼︎
美しい映画をゆっくり観る贅沢な時間
まだフランス革命前、宮廷料理人だった主人公が貴族にジャガイモが入った料理を出したことで解雇される。
彼は息子と、突然現れた弟子志望の女と3人で世界で初めてのレストランを始める。
絵画のように美しい映像、美味しそうな料理…
こういう映画を映画館で観るのは、本当に贅沢な時間。
それぞれのフランス革命
革命前夜のフランスの田舎を舞台に、シャンフォール公爵に仕える料理番のマンスロンと、マンスロンに弟子入りした謎の女性ルイーズが繰り広げる料理と仇討と革命のお話でした。日本に例えるなら、明治維新直前の藩主と料理番、そしてその恋人を描いた時代劇というところでしょうか。
マンスロンは、公爵が催した貴族仲間との晩餐に、当時下等な食べ物とされていたらしいジャガイモを使った料理を出したことから不興を買って首になるところから物語は始まりましたが、故郷に戻って塞ぎ込んでいるマンスロンには、まさに艱難辛苦が襲い掛かります。そうした茨の道を、弟子であるルイーズや息子とともに乗り切っていく展開は非常にドラマチックで面白かったです。
また、王政に対する不満が渦巻き、バスチーユ監獄襲撃に始まるフランス革命へと流れて行く時代背景が、登場人物たちの会話から分かるような創りになっていたのは秀逸でした。実際にルイ16世や三部会の様子が出て来なくても、明らかに時代が変わっていることを感じることが出来、また物語自体も言わば小さな革命を果たすべく進んでおり、心地良さを感じました。特に、物語の序盤で「私が(革命側に)加わったら大変なことになる」と言っていた公爵の執事が、最終盤で公爵を見限るところは、実に爽快でした。
こうした物語の主筋もさることながら、素材から調理までを映し出した調理シーンは、極上の料理番組を観るようだったし、紅葉から雪景色、そして初夏の新緑の風景へと変遷していく自然の景色は、マンスロン達の艱難辛苦を鏡のように映しだしているようでもあり、こういった演出が非常に印象的でした。
そういう訳で、意外なほどに面白い作品だったので、評価も★4としました。
デリシュはデリッシュ‼
お城で公爵に仕えていた料理人が、下民の食材と言われるジャガイモを料理に使ったことから解雇され、失意の中弟子にしてほしいという女性が現れ、少しずつ希望を取り戻し、誰もが訪れるレストランを開くまでの物語。
序盤は貴族らの食卓に呼び寄せられるマンスロン。
それまで絶賛していたくせに、位の高そうなおっさんがマンスロンの創作したデリシュというジャガイモを使った料理をこき下ろした瞬間、皆手のひらを返すように罵倒を始める。
貴族ともあろうお方らが、なんとも下品な・・・。
謎の女性、ルイーズが現れてから、完全に乗り気でないながらも料理を作り始め、家の前を通りかかるお偉いさん(?)たちを相手に料理を出していく。
さらに、ルイーズや息子のベンジャミンにはある程度商才があるらしく、皆が描くものが少しずつ絵になっていくが、そこでルイーズの謎が明らかになっていき・・・。
全体的に中々惹き込まれた作品でしたね。
序盤のベンジャミンの立ち位置とか、ルイーズの腕前とかよくわからん場面も多かったけど、中盤以降は当時まだ未知の領域だったであろう庶民も来れるレストランへ向け、夢と希望が湧いてくる流れなんかはグググっと来ましたね。
ルイーズやベンジャミンが提案することって、本当にレストランとしては今や当たり前のことばっかりなんだけど、なにせ当時は0からのスタートだったのだから画期的であり、懸けであったんだろうなぁ。
献身的に考え動く二人の姿には本当に胸を打たれた。
それに比べワタクシの職場の働かないオバサン達ときたら・・・(場違いの愚痴w)
さておき、人間ドラマだけでなく、料理を作る手間ひま、食材の奥深さ、せっかく頑張って作ったのに食べてもらえない悲しみ等々、色々教えてくれる本作。改めて、作ってくれる人に感謝ですね。
後半は何とも痛快な展開‼
こんな目にあいながらさりげなくひとつもっていくなやw
その他、シスターさんも滅茶苦茶良い味出してましたね。まさにデリシュ。
あと、気になったのは庶民も来れるレストランを目指してたわけで、「貴族を倒せ‼」なんて言っても、そんな皆さんも貴族っぽく見えたのはワタクシだけ?
それとも、おフランスのおべべは庶民でもあんなに美しいものなのか?
また、しれっとバイトみたいになってた泥棒ッ娘達の姿はなんともシュールだったw
そんなこんなで、貴族たちからの理不尽な扱いに負けず、家族や仲間たちとともに立ち上がっていくマンスロン達に心を洗われた良作だった。シンプルながら終わり方も良すぎる‼
・・・で、最後の画面ってなにかのメッセージだったのかしら?
女性にとってはスカッとさせてくれる意外なラスト
フランス革命、ブルジョワ社会を崩壊に導く市民革命の物語。料理人が職業として料理を振舞うのは貴族社会のみであり、ましてや女性がと言われていた時代。調理人が指示された以外の創作料理など許されるはずもなく、天を舞う鳩料理が重宝がられ、地中を這うジャガイモ料理は貴族への愚弄と公爵付き料理人を解雇される。
権威と地位ある男性に女性が侮蔑的行為をされるのは今の世でも残る悲しさ、ましてやこの時代。そこも女性にとってはスカッとさせてくれる意外なラスト
私はジャガイモが大好きだ!!
「どや!食事ってものはこうしていただく物だ!」スマホ片手に食事をするたわけ者に喝を入れたくなった!
素材をどこまでも丁寧に扱いバターや卵、小麦粉をゆっくりこねる…その流れる様な調理を見ているだけでスクリーンから何とも香ばしく甘い香りがしてくる様でした
…グルメ作品は心まで満たされて穏やかで優しく正直な自分になれるからたまらなく好きだ!
(時に例外もありますが💦)
料理だけでなくそれぞれの登場人物達も個性に溢れ飽きる事なく物語を楽しめた
マンスロンとルイーズ…2人でこしらえる料理の様にこの先もずっと丁寧に愛を育み沢山の人達を
『幸腹と口福⭐️』で満たしてあげて下さいね!
料理の意味が変わる歴史的瞬間。
まさに料理のフランス革命と言っていい歴史的瞬間をとらえた映画。貴族が美食を独占し、その宴席での気まぐれに左右される料理人から、料理人自身が自分の独創を遺憾なく発揮し、全ての階級に開かれた料理へ。今では当たり前のレストランという空間が立ち上がったときはこうだったかと想像させてくれる楽しい映画。技術はそれを使う人のものであり、サービスする人に敬意を失してはいけないという近代人の矜持を示していて、見ていて痛快である。フランスの得意技、歴史、自然、料理を見せつけてくれる。とにかく見ていて楽しい。
鑑賞中ずっとイライラしていました。
「私もこの料理たちを食べたい!なぜ私は食べられないの?!」と。軽めの朝食のせいでお腹はずっとグーグー鳴りっぱなし。せめて「デリシュ!」のコラボ商品やコラボメニューはないかしら?目を皿のようにして検索しましたがそんなものはありませんでした。笑 そんな妄想を抱かせるほど素晴らしい料理の数々。料理がテーマの映画は沢山ありますが、ここまで丁寧に調理の過程を見せてくれる作品は珍しいなと思いました。この映画について知りたくて、何年振りかでパンフレットを購入したほどです。
波乱万丈な絵画。
原題のデリシュは店名。当初は主人公が料理長を務める公爵家の晩餐で、予定外に出したオードブルの名前だ。しかしそれが原因で公爵家を追われてしまう。彼は故郷の田舎で家業のパン焼きに戻る世捨て人になってしまう。しかし…。
彼が最終的に創りあげたのは、今のSA的な、田舎の食事がウリの休憩所。これがフランス最初のレストランの開業物語かと思ったら、サスペンスたっぷりな復讐劇にもなり、謎の弟子志願の美魔女まで登場し、あれよあれよと波乱万丈のストーリーに引き込まれていく。18世紀末のコスチュームもので、1789年7月14日のバスチーユ占領の前日譚となっている。
エリック・ベナール監督の保守的なしっかりとした演出に加え、フランス革命後の写実主義絵画にインスパイアされてような、端正で精緻に計算されたフレーミングを魅せた撮影のジャン=マリー・ドルージュにも刮目せざるを得ない。
観ていて、眼福な映像に予断を許さないストーリー。なかなかの傑作だ。
恋心、忠誠心を凌ぐ。そりゃそうでしょ
侯爵の不遇をかこち料理人を解雇される(その原因は自ら考えた料理が酷評され、それを謝らなかったためだが)、頑固な男、そして弟子入りを志願してきた女性と新たな時代の幕開けを予感させる料理人の息子たちが織りなす葛藤やレストラン開業に向けた足取りをなぞるもの。
クビにされた主人になぜ再び仕えようとするのか?と息子に問われても、それが代々我が家に伝わっているものだとの想いで進もうとする父。
あれやこれやがあってラストで一発逆転があり円団する、ある意味予定調和的ストーリーにはなるけれど、息子よ、よくぞそんな父親を見放さず一緒にいてくれたものよ!ありがとう、と微笑んでしまったし、そうなるきっかけは弟子入りをした女性に対する恋ごころだもの、やっぱり最後に愛は勝つ!ですね。
それにしても調理シーンは食欲をこれでもかとそそるし、人間誰しも美味しいものを食べれば笑顔で幸せになるよなぁと強く共感した。
付かず離れずの立ち位置で最後まで付き合ってくれた執事も良かったな。
期待した感じとは違ったけど…
かもめ食堂風なゆるい感じのお話かと思ったらもっとギスギスしてた。貴族と庶民で貧富の差が大きかった時代、誰もが食事を楽しめるレストランを初めて開店させた人物のはなし、と考えるとゆるい展開かも。こんな叛逆したら生きていけなさそう。食事のバラエティが少なかったのも残念。この時代に色鮮やかなメニューがあったらそれこそ変か…。
仕事も身分も安泰ではない変革の時代を生きた人達 食糧も無く、税金に...
仕事も身分も安泰ではない変革の時代を生きた人達
食糧も無く、税金にも苦しむ庶民に比べ贅沢三昧で何ともクソなフランス貴族 厨房もまるで高級ホテルのそれみたい
レストランの発祥と言っても、はっきりしないだろうし、仏料理もいろいろある 革命で職を失った貴族のお抱え料理人がらしきものを始めたぐらいのお話ではなかろうか 珍しいテーマは良かったですが、謎の弟子の方がアイデア豊富で、主人公の恋煩いはちょっと不要だったかな
歴史を基調にした恋愛映画のようです
1人の料理人を通してフランス革命前の平民vs貴族の構造がよくわかる、ある意味教科書にもなる作品でした。
ただし、長い。112分間は映画の尺的には中間層ですが、ざっくり言うとバランスが悪いんですよね。助手として働く女性に素材を食べさせる場面がそこそこ長尺だった一方、主人公達の身に降りかかる悲劇が光速で全部盛りするとか。
思わず吉◯かよ、と噴き出しそうになりました。いや、全然描写としては笑えないんですが。
特にわりかし重要人物だと思ってた某さんの死は、ほんと呆然としてしまいました。え?あの人、退場要員だったんすか?マジで言ってんの?と何度も首を傾げてしまった。
オチから考えると確かにロマンス要素は必要ではありましたが、正直なところ、主人公の料理人のおっさんの向こうに監督のスケベ顔がちらつき、微妙に居心地が悪くなったです。
多分この気持ち、観た人1000人のうち1人は分かってくれるはず。と、思いたい。
ただし、主人公が創る料理はとてつもなく美しいです。芸術作品です。
個人的にはラストで某さんがデリシュを口にし、思わず笑顔になってしまったところで、全てがどうでも良くなってしまいました。
美味い飯はそれだけで人を幸せにする。
某ボイリングポイントを観て(まずそう)とぼやいてしまった人には、全力でオススメ出来る作品。
良い映画です
革命前夜のフランスを舞台に、食事を楽しむ場としてのレストランを始めて開いたシェフの実話ベースの物語。
食を楽しむという地平が庶民にも開かれるには、フランス革命のような変革が必要だった、というのはある意味当たり前かもしれないが衝撃的だった…
しかしそうした物語をとても品良く、落ち着いた筆致で描いており、それでもしっかりとしたカタルシスがあり、とても好感が持てる。食に興味がある方皆さんにお勧め。
良い映画です。
空腹を刺激するもう一つの革命
フランスの革命と並行するように食の世界でも革新的な事が起きているとは知らなかった。主権が国王から国民に変わり、王侯貴族が独占していた料理を一般市民が楽しめるようになる。歴史好きで、食べることが大好きな自分にとっては、興味津々の物語。
18世紀当時、貴族に仕える料理人は、料理人というよりは、料理ができる使用人といった扱いで、主人公のマンスロンは、客としてきた貴族の不興をかっただけでクビになってしまう。クビなった事が幸いして、レストランを開くキッカケになるのだが、物語はそう単純ではない。弟子入りを志願してきた謎の女性の登場、旧主である公爵とのしがらみもあって、料理界の転換点はすぐにはやってこない。
当時の衣装、建物などを含めた美術セットがすばらしいだけでなく、料理が主役となるシーンでは、匂いが漂ってきて、脳内で料理の味を思い浮かべてしまう。最も美味しそうに感じるアングルで、素材を調理する様子が映し出されるため、口の中は涎でいっぱい。
当然、脚色はあると思うが、私怨、リベンジ、市民革命を織り交ぜながら、徐々にクライマックスに近づいていく物語運びで、感情も昂ります。最後は、空腹を刺激するカタルシスを美味しくいただきました。
フランスの美しい情景と、革命と…。
この映画はフランスで初めてレストランを作った男の物語ではあるが、本当のテーマは「革命」ということになるだろう。
特権階級だけが味わっていた料理を、レストランという場所で誰でも味わえるようになった様子を、貴族への風刺もこめて描いている。
史実はわからないが、観た感じでは、かなり創作も入っているという印象だ。
フランスの田園風景を背景にして創作されるフランス料理。パンをつくる姿まで美しく見える。
ぜひ、劇場でご覧ください!
#145
フランス料理が食べたくなった!
観客にそう言わせる映画だ。それだけで成功作の証明だ。娯楽映画として、充分楽しめる。
史実と創作を入れ交えて、観客を飽きさせない。
フレンチレストランの事始めを知ることができる。
給仕長(メーテレ・ドテル?)は、貴族の執事から始まったみたいだ。本当かな。楽しい時間を過ごせた。
そこそこの予備知識が要求されるが、それでも今週はおすすめ(参考知識入れてます)
今年259本目(合計535本目/今月(2022年9月度)2本目)。
ここの紹介などにあるように、ある程度は着色はされていると思いますが、史実に基づくものなのであることないこと描けず、淡々とストーリーは進みます。
去年だったか、モロッコかどこかでパンを作る映画(名前忘れた…)があったと思いますが、それに近い「料理映画」というところです。
ただそれだけでなく、やはりひねりは入っていて、「とある理由」で宮廷から追い出された主人公の元にある女性が料理を学びたいと訪れ、最初は何だろう?と思いきや、実はこの女性に秘密があり、また追い出した宮廷側にもいろいろな思惑があり…と進みます。
ちょっと高めの知識が要求されるかな…というところです(映画内での説明がない)。全般通じてフランス語なので、フランス語が聞き取れれば何とか補えるのかもしれませんが、そこまでできるのはかなり限られるのでは…というところです。
やや気になる点もあるものの、この点を減点対象にするとネタバレになる上、引いても0.2程度でそれでもフルスコアあるので、減点なしにしています。
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(▼参考/映画内で求められる知識)
・ ジャガイモやトリュフが貴族に好まれなかったのはなぜ?
→ フランスは今日にいたるまで典型的なキリスト教文化がありますし、当時はだれもが信じていた時代でした。一方で現在にいたるまでの科学技術はなくても、ルネサンス時代以降に芽生えた、「初歩的な科学技術・知識」というものは当然存在はします。
それでもやはりキリスト教文化が優先されたのがフランスです。キリスト教文化では、「地上と空とでは空のほうが高貴な存在」として扱われます(このことは、イタリアのダンテの「神曲」に顕著にあらわれます)。したがって、クロスボウでも何でも使って撃ち落とした鳥類のほうが「貴族にあう食材」であり、逆に映画内でも登場する「ジャガイモ、ニンジンやトリュフ」は非常に「下品な食品」として扱われていたのです(ジャガイモは、毒の処理という論点もあった)。特にトリュフにはじまる「キノコ類」はジャガイモにも満たない存在で、「食いたいなら好きにしてもいいし誰も文句は言わない」というほどの扱い(逆に、この当時は農民などが普通に食べていたし、税金を取るだの何だのという話すらなかった)でした。
※ ただ、15世紀ごろになると、イタリアでも「これは美味」ということで、貴族でも「宗教と食事は考え方を分ける」という人もでてきました。これはイタリアからトリュフ文化がわたったフランスでも同様で、圧倒的にキリスト教の教えが徹底されていた当時でも、「宗教と食事を分ける」という考え方を持った貴族がお抱えシェフに命じて調理させ、こっそり食べていたこともあります。ただし、ジャガイモと同様、一般的に認知されるには、さらに数十年を要しています。
・ どの貴族もカツラをしていたのはなぜ?
→ 当時は、髪の毛がどうであろうが(ツルツルでもフサフサでも)、「カツラをする」というのが貴族のステータスで、(ツルツルでもフサフサでも)それを取ろうとする行為自体が、貴族を侮辱する行為として扱われていた、という事情です(国は違っても似たような文化は当時の各国にありました)。
※ ですので、世界史の教科書などで貴族を描いた絵画などを目にする機会は結構ありますが、「ハゲた人」がほとんどみたことがない、というのはこうした事情です。
・ 映画のあと、レストランの文化はどうなったの?
→ 映画内でも出るように、当時はレストランという概念が存在せず、いわゆるシェフやそれに類するものは国王にせよ貴族にせよ、お抱えの存在でした。
しかしフランスでは(この映画にも出るように)まもなくフランス革命がはじまり、ナポレオン戦争を経て混乱期を迎えると、貴族もシェフを経済的に雇い続けることができなくなり、このころ(ナポレオン戦争が終わった当時ごろから少しずつ)から、シェフがフランスはもちろん各国に散り散りになり、今でいう「本格的に」レストランという概念が「実際に」(お店を構えるなどの現実の行為)できるようになりました。
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