ラーゲリより愛を込めてのレビュー・感想・評価
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戦争は残酷
戦争は終わってからも戦争だ。
戦争は、終戦で終わるのではない。実話を元に
戦争の悲惨さを伝えた映画。どこまでが実話で
どれが映画としての演出なのかは分かりませんが、
涙そして涙のストーリーが展開していきます。
遺書を記憶して家族に届けるシーンは、
まさに号泣ですね。今の時代、いろいろと
考えさせられる映画です。
鑑賞出来て良かった
リアタイでは観れなかったので
劇場で観たいと思い待っていたら
県民共済シネマホールで上映されるのを見て
132席と小ぶりながらも、音響も良く
混雑していなかったのが良かった😅
最優秀主演男優賞取った2人の共演
推しの松坂桃李くんに二宮くん
他のキャストさんも豪華✨
どんな過酷な環境でも仲間を励まし
人間らしく生きようとする山本
山本の帰りを待ち続ける妻・モジミ。
この運命に翻弄されながらも夫の帰りを信じて
再会を願い続けた2人の11年…
収容所での出来事は過酷で
あの時代はそんなのが当たり前だったのかと思うと
自然と涙こぼれます😭
やっぱり劇場で観れて良かった✨
二宮くんの病床での芝居は言葉に出来ない程👏👏
トーリくんも変わらず素晴らしい演技👏👏
今回初めて演技をみたケンティー(中島健人)も
素敵な役どころで輝いて見えた✨
収容所での犬のクロが実在していたという…
希望を見いだせない中でのクロの存在
ラストの場面は涙なしでは観れなかった😭
「氷の海を追ってきたクロ」として
書籍化もされているらしい
戦争のない世界であって欲しいと
心から思えた作品でした🥺
いわゆる終戦は終戦じゃなかったことに衝撃
実在の人物たちの話だということで,一つ一つのエピソードに説得力があった。ラーゲリで仲間達の暮らしを支えた山本さんは、誰に恥じることのないまっすぐで誠実な一生を,ラーゲリのベッドで終えた。
ジャンルは戦争映画だけれど戦闘シーンはなく、ラーゲリでの不当な扱いをら淡々と描く。それは驚くことに終戦と言われた年からずっと何年も続くのだ。
こんなこと許されるのかと思ってしまった。
国交を回復してようやく帰国が叶う。12年もの月日が経っていた。
戦後と一言で言うけれど,どれほどの時間と多くの人のかなしみや苦しみが詰まっていて、それは私たちが思うよりずっと長かったのだなぁと衝撃だった。
二宮くんの演技,素晴らしかった。同僚達の届ける遺書は涙なしには聞けなかった。
心に沁みる映画だった。
記憶で遺書を届ける、なんというラスト、名ラスト
終戦後のソ連による日本人シベリア抑留の話。 現実にあった話。 終戦...
現代の私たちにも刺さる『希望を持つ』という言葉
祖父が抑留経験者と知る
ネタバレ
泣けた・゜・(つД`)・゜・
遺書を記憶して家族に届ける。
なんて思いやりのある行動なんだ・゜・(つД`)・゜・
北川景子が良い演技してたわあ。すごい。
二宮の訃報を受け取った後の泣きの演技がね。
心が辛くなった。
父の父がシベリア抑留から帰ってこれた人らしいけど、
父にそういう話をもっとたくさん残してくれていたらなあ。
知らなかったよわたし。
わたしが物心つくまで唯一生きていた母の母とも、
もっとお話していたらなあ。
知らなかった(言われたけど覚えてなかった?)こととはいえ、
抑留経験者の親族として、シベリア抑留について何も知らなかったのが恥ずかしい。
シベリア抑留は歴史上の出来事、くらいの認識だった。
まさか身内にいるとは。
一気に当事者意識が芽生えた。
あんな、考えるだけでも過酷な環境を生き、日本に戻り父を育てたなんて。
戦中、戦後をたくましく生きてくれたご先祖様に感謝です。
本も読もうっと。
22.12.31 映画館
家で観てよかった そう言えてしまうくらい、ラストが泣けて泣けて大変...
てっきり戦時中の話かと思っていたが、終戦後11年間もソ連に捕らえら...
希望よ届け
戦時中、遠い異国の収容所に捕虜として抑留された旧日本軍兵士。
その数は如何ほどに上るのか。帰国出来た人たちもいれば、無念のまま命を落とした人たちも…。
本作は山本幡男氏が題材になっているが、こういう作品の場合、その個人の物語であり、同状況の多くの一人一人の物語でもある。全員が同じ苦しみ、辛さを体験した。
では何故、山本氏の経緯が残されているのか。
語り、伝え、届けたい思いがそこにはあった…。
実際の記録によると、戦後ソ連によってシベリア抑留とある。
戦後捕虜になったなんて何て不運と思うかもしれないが、1945年8月に終戦というのは後世だから知っている事。当時の人たちはその時に戦争が終わる=日本が敗戦するなんて思ってもいなかった。
まだ“戦時中”に捕虜となり、それがたまたま終戦直前だった事。おそらく抑留に終戦と敗戦を知ったであろう。
どれほど衝撃を受け、身に降り掛かった悲劇を嘆いた事か。
苦しめるのはこれだけに留まらない。
帰国の方向へ。日本に帰れる!家族に会える!
が、この時帰国出来た人たちもいれば、山本氏を含め別収容所へ移された人たちも。
喜びから一転、叩き落とされ…。その時の絶望は我々には計り知れないだろう。
ロシア語に長け、通訳や翻訳の任をしていた事から、スパイ容疑。軍法会議で25年の刑。
あまりにも不条理。ソ連は彼らを“戦争犯罪人”と罵るが、どっちが犯罪だ…?
マイナス20℃以下。極寒の地での過酷な重労働は言うに及ばず。
ソ連軍の厳しい監視体制もさることながら、同胞たちの間でも軍と同じように上下の関係。
一等兵の山本氏は上官や軍曹の目の上のたんこぶに。特に軍曹の相沢からは徹底的に目の敵にされる。(相沢は創作の人物らしいが、モデルになった人物は何人もいたらしい)
絶望的な状況、過酷な重労働、不当な仕打ちをするソ連軍に加え、同胞間で殺伐とした関係…。
ここは地獄。絶望しかない。
希望など無い。持つ意味も無い。
全ての希望は絶たれ、悲観と疲労の果てに朽ちていくだけ…。
…いや、希望を持たせる者がいた。
言うまでもなく、山本氏。
帰国=ダモイを信じる。
自分も帰れる。皆も、全員が帰れる。
必ず。だから、希望を絶ってはいけない。
博識で、穏やかな性格。
歌を歌い、文学や詩を教える。
重労働の間の、僅かな憩いの時。仲間たちで野球。ユニークな口調でアナウンスし、皆を盛り上げる。
軍曹や自分を売ったという元上官。罪を憎んで人を憎まず。
現状打破や不条理には立ち向かう。捕虜たちの間でソ連兵士に物申したのは異例だったとか。
人やその尊厳を重んじる。
従わざるを得ない中で、そんな存在は異端児や変人視される。
だがやがて山本氏の姿や信念が周囲を突き動かしていく…。
自らを“卑怯者”と呼ぶ松田。
山本氏を売り、自分に近寄らないで欲しいと言う元上官の原。
足の悪い青年・新谷。
皆、山本氏との触れ合いで心を開いていく。変わっていく。
中でも、相沢。
とにかく山本氏が嫌い。その人物像も性格も、希望を持ち続けようと言う事も。
だが…。その内面の変化は登場人物の中でもエモーショナル。
娯楽の野球など、状況の改善。
少しでも皆の間に笑顔が浮かぶように。
日本との手紙のやり取り。家族の安否を知り喜び者や、すでに家族は亡くなり悲しむ者も…。
生きていれば家族に会える。希望が持てる。
が、家族を失った者は…。それでも生き続けなければならない。生き続ける事に意味がある。
皆の希望となり、精神の支えとなり…。
山本氏がいたから、彼らも希望を持てた。生き続けようと誓った。
一番の不条理はこの悲劇かもしれない。そんな山本氏を、病魔が襲う…。
山本氏の体調が思わしくない。
皆でスト。山本氏に病院の診察を。訴えが通る。
喜びも束の間、診断の結果は…
喉の癌。
しかも末期。もう手の施しようがない。
元々健康体ではない上に、この状況下。体調はみるみる内に悪化。
余命は三ヶ月…。
酷な言い方かもしれないが、帰国の望みはないだろう。家族にも会えない。このままこの地で…。
希望を失わせないでいてくれた人が…。
それでも希望を…?
いや、本心は絶望のどん底。
たが、希望は捨てない。
この場合の希望とは、帰国や家族との再会ではなく、命尽きるその時まで生き続ける事。
私が生きた、家族を愛した、その証し。
山本氏の逸話が後世に残されているのは、ここから。
仲間たちの勧めで遺書を書く。今の気持ち、母へ、子供たちへ、妻へ。
が、手紙以外の物書きはスパイ容疑とされる。せっかく書いた遺書も没収される。
どうしたら家族に届けられる…?
遺書は四通。それを一人一通、四人で暗記。帰国して、家族に伝える。
何故彼らはそうまでして山本氏の為に…?
そこに理由など必要ない。その心は分かる。誰だって。
そして遂に“その時”が…。
その滲み出る人となり、信念、仲間や家族への思い。病魔に蝕まれていく様…。
二宮和也が演技派としての実力を存分に発揮。
松坂桃李、中島健人、安田顕、桐谷健太らも熱演魅せる。
日本で山本氏の帰国を待ち続ける妻・モジミ役の北川景子。子供たち。
本作はその昔TVドラマ化もされ、それとの違いとして家族愛を前面に出したそうだが(予告編からもそう見受けられる)、ちと家族の描写は弱かった気がする。圧倒的に仲間との絆の方に感動させられる。
史実より脚色や美談化された点もあるとか。
遂にの帰国の際、皆に可愛がられた犬クロが追い掛けて来たり、母を亡くした松田が母親への遺書を読むなど、これらも脚色かと思ったら、史実通りとは驚き。
ベタでもある。瀬々監督が手掛ける感動作は時にベタになりがちな時もあるが、本作は及第点。
素直に感動させられた。
希望を捨てずに、生き続け、帰国する事が出来た。
自分では家族へ思いを伝える事は叶わなかったが、仲間がその思いを届けてくれた。
その思いを受け止め、残された私たちに出来る事は…
生き続ける事。希望を持って。
記憶する事。その思いを。
長く長く、いつまでも永遠に、あなたの思いを伝えていく。
山本幡男氏は歴史に名を残した偉人ではない。
が、氏が私たちに伝えた事は、どんな偉人の功績よりも遥かに尊い。
2度目の鑑賞。一生胸に残り感じた想いを大切にしたい映画
“戦争の後遺症”というにはあまりにも理不尽で無情な出来事だと感じずにはいられない。
特に冒頭約30分間は体感以上に長く重い時間に感じます。
今回この映画を鑑賞するのは2回目になりますが、このリアルな残酷さがあるからこそ後の過酷な収容所生活での僅かな希望やラストシーンの感動、この映画のメッセージが胸の奥に届くのだと思います。
二宮さんの演技は言わずもがなですが、今まで仲間を励まし続けた山本幡生が訪れる死を目の当たりにし放った叫びの声、表情、強い目全てに絶望感が溢れた演技は圧巻の一言です。
主要キャストの方々だけではなく出演されている皆さんの演技がとにかくもう素晴らしいです。
ラストはやはり“泣く”ではなく“泣き続ける”の表現が適切。
私自身、初鑑賞の際は苦手な描写も多く「見続けられるかな?」と多少不安にかられたりしましたが、それでも昨今の時代ここまでストレートに戦争における悲惨さを伝える映画はとても意味があると感じます。
今の世の中、世界情勢における重要なメッセージを受け取りました。
きっと何度観ても胸打たれ、勝手に涙が溢れる映画だと思います。
だから生きて、生きてて欲しい。
瀬々さんらしくない凡庸故残念
2022年劇場鑑賞100本目 良作 62点
個人的に世間の評価高過ぎな作品
2022年劇場鑑賞103本で今作が記念すべき100本目で、生涯で100本超えたことが無かったし、瀬々さんの作品は好きなのでそんな中での鑑賞だったのですが、期待外れでしたね〜
瀬々さんの他の作品のレビューにも書いていますが、瀬々さんって作品ごとの熱量や作家性の入れ具合の差が激しくて、世間での評価が高いのはどちらかというと熱量低く作家性も高くない、世間に媚びた売名(?)目的で受けた作品で、個人的に好きなのはちゃんと瀬々さんを感じる作品で、楽園とか明日の食卓です
多分瀬々さんが有名監督に仲間入りした作品の64より前は社会風刺×ピンクの作品が多くて、有名になる前にピンク映画を撮っている方は多いですが社会風刺は瀬々さんの個性で、楽園や明日の食卓はそれを感じるけど、今作やとんび、糸はそこの強みがあまりない(護られや友罪、64は個人的に微妙)
まあ今作も歴史を描いているのでどちらかというと得意なジャンルだと思うけど、発揮しきれていなくてそのままお利口に作ってしまったというか、味付けがなくて瀬々さんである必要が感じられない
物語の展開はまあ当たり障りない現実的なドラマで、語り手の松坂桃李は演技力や風貌含め適任で、個人的にはもっと松坂桃李の映画にしたほうが瀬々さんの映画になった気がします
消化不良の脚本
日本映画の父・牧野省三が唱えた映画の三要素である、スジ(脚本)、ヌケ(映像表現技術)、ドウサ(役者の演技)の内の、スジとヌケが不十分な出来栄えで、残念ながら、大宅壮一ノンフィクション大賞を受賞した辺見じゅん氏の原作の持つ、崇高で荘厳な極限の同胞愛人間愛を表現できていないと思います。
主人公の山本幡男がなぜ収容所の捕虜皆から敬慕され、尊敬されるのか、互いの感情が一体化し同調していくプロセスの表現が不十分です。山本は、ただ奔放に思いついたこと、己の感じたことを、思慮分別なく子供のように言いまくるばかりのようにしか見えません。残念ながら捕虜の皆の眼差しや表情を見ても、彼ら全員が望んでいることを慮って代弁しているようには感じられず、そのために独房に拘束されるのも自業自得にしか思えません。
これは決して主人公を演じる二宮和也の演技不足ではなく、そもそものシナリオに問題があるように思います。収容所の過酷さ、そして捕虜の苦しみ、悲しみ、悩みを切実に具体的に描ききれていないせいでしょう。極寒の地で自由を奪われて心身ともに悲惨な絶望状態に置かれ、無気力にならざるを得ない酷い環境であることを映し出してこそ、皆を庇い皆の願いを代弁する山本の言動の崇高さ気高さが観客にアピールします。
しかしスクリーンでの収容所の空気は、何だか明るく希望的なように感じられました。
本作のモチーフが、山本の遺書を記憶して口述で遺族に送り届けるという、代償のない、ただ献身的な行動の動機がこの点に収束するだけに、このシナリオの欠陥は致命的です。
ストーリーが進行する視点の置き方にも問題があります。
収容所シーンになって以降は、てっきり松坂桃李演じる、傍観者と共鳴者の狭間で揺れ続ける松田一等兵の視線で映像が進行していると思っていましたが、どうも半ば過ぎてからは松田自身がストーリーから外れていき、安田顕演じる屈折し苦悩する元上官の目線に移ったようでいて、でもそうでもないようで、ともかくカメラの視座の所在がブレ続け、従い敢えて言えば“観客目線”の、誠に中途半端な映像になってしまった感がします。
ヌケ(映像表現技術)では、北川景子演じる山本の妻が典型ですが、殆どの登場人物に10数年のただひたすら耐える長く苦しい歳月が積み重なった加齢が全く見えません。容貌に老いが、動作に衰えが全く出ていませんので、物語に鬱屈した重圧感が出て来ず、スクリーンからは悲愴感や閉塞感が湧いてきません。
山本を、人間愛の権化とし聖人君子のように描くシナリオもあり得たと思いますが、それにしては、本作には徹底した悪人がいません。アクの強い、いかにも憎たらしい悪役がいてこそ正義が際立ち、観客に感動をもたらします。日本人の中で権威を笠に着た傲慢な言動を取るシーンはありますが、終始主人公と対峙するということにはならず、インパクトは弱いものです。
“悪人”を担うはずの監視者のロシア人は、理不尽な暴力的残虐性が異常に強調されますが、理屈や対話が全く通じない、いわば獣と同様に映されていて、憎悪の対象になりようがない描かれ方です。
ただ後半の見せ場である遺書を伝える4人の行為には素朴に感動します。見返りの全くない、ひたすら犠牲的献身的な行動には純粋に心を打たれます。
但し、役者自身が慟哭していては、観客は泣けません。役者の側は悲しみを押し殺して耐え忍んでこそ、観客の涙腺を刺激することになるのだと思います。
ラーゲリだけに、ただのゲリです。一つも面白くない。
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