LAMB ラムのレビュー・感想・評価
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期待値のハードル
アイスランド映画、あまり多くは観られていませんが、中でも同じ「羊」を題材にした『ひつじ村の兄弟(15)』という作品が思い出されます。おそらく、アイスランド人の生活を支えるこの生き物は、映画などの作品にも「インスピレーション」を与えてくれる大事な共生者なのだと感じます。
割と長い期間、映画館でこの映画のトレーラーを観る機会が多かったような印象があります。それはおそらく、トレーラー内でチラチラと現れる「何か」のインパクトと、その「何か」への興味からなのでしょうが、実際本編を観終わってみると「期待値のハードル」をやや上げ過ぎた感が否めません。
3章からなる物語。まず第1章は、夫婦の営む牧場と生活、そしてその背景である広大な自然を、口数少なく、想像力を掻き立てる見せ方で期待を高めつつ、ある晩、ん?何かが起きたか??と、ミステリアスな展開です。うん、悪くないと思う。
そして話が動く第2章。一頭の羊からいよいよ「何か」が生まれます。そしてある晩、如何にも意味ありげに表れる「第三者」。1章のスピード感とは変わり、物語が動き出すとあまりにダイナミックな展開。いや、むしろあまりに説明がなく、当たり前のように見せられる強引さが。。(あ、前の男性イビキかき始めた)
いよいよ第3章。クライマックスですが、勿論ここでは触れないものの、、、そんな終わり方、ちょっとズルくない?
非常に雰囲気はあります。アイデアも見せ方悪くないと思うのですが、これを「完成品」だと言われるとかなり物足らず。ちょっと残念です。。。
予想を上回る謎だらけの展開。
アイスランドの羊飼い夫婦、イングヴァルとマリア。ある日、飼っている羊から、首から上は羊で身体は人間の雌の羊人間が産まれた。夫婦はその子にアダと名付け家族として育てる。
えっ!2人はその子、キモくなかったの?それから続く家族の生活は本当に普通の子育て。流石にアダは喋れないんだけどね。途中から現れるイングヴァルの弟ペートゥルが、色々やらかすのかと思ったら、兄嫁狙いくらいでアダとはいい関係。誰が父親なのかを明らかにしてラストかと思っていたら、まさかの!?
それにしても、この映画に出ていた、羊、ワンコ、ネコ、馬達、ちゃんと演技してたよね。表情見てるのが楽しかったです。でもストーリー的には伏線無回収で、疑問点はすべて謎のまま終了。終わった瞬間、ウソッ!て声が出ちゃった。
これぞ羊たちの沈黙、てか
リーアム・ニーソンの映画だったら、ここからスタート!てところで終わる。
(奪還!)
つまりエンタメ映画で分類すると何も始まらないまま終わった事になる。
この後どうやって話を展開させるか、映画学校の宿題にもってこいですね!
羊たち、犬、動物の表情があんだけ深淵で豊かなのに、
CGがスカスカで驚きを隠し切れませんでした。大減点!
んでこの格好って、つまりキリスト教が言うところの悪魔の姿をしていると言う事??
タロットの悪魔のカードもこんな感じだったような。
そして悪魔崇拝といえばイルミナティ
悪魔ちゃんの復讐(キリスト世界への)て事でよろしいですか?
深読みですね、だってそんな信心深い描写もなかったし。
じゃ、こんな山間部もイルミナティ支配しました!
て言う、めっちゃコスパの悪いデストロンの世界征服計画的な?
うーん、色々と思いを巡らす映画ではあります。
だって余白だらけなんだもん!
とりあえず家で見てたら倍速!
違和感を否定し、幸せを手に入れようとすることの不自然
予告編にネタバレ要素つめちゃった感じだけど、最後は予想できなかった。
家族と羊しかいない、アイスランドの静かで厳しい自然の中の全編にわたる不気味な雰囲気は素晴らしかった。
アダちゃんの登場は予想できていたのに、初めて全身が映るシーンはギョッとしてしまった。なかなか見せなくてうまいなあ。
ラストのマリアは不思議とスッキリしているように見えた。
アダちゃんは笑えもするし不気味でもあるしかわいくもある。
ある意味子供とはみんなそうなのか?
サッカーではなくハンドボール?
ほとんど外部の世界が描かれない中でああいうシーンにはホッとする。
実は一番共感できるのはクズかもしれない弟なのかもしれない。
アイスランド行きたい。
遠いけど言語難しいけど行きたい。
羊飼い夫婦の『スプライス』かと思ったら『パンズ・ラビリンス』でした
羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが飼っている一匹の雌羊から産まれたのは羊ではありませんでした、という話。“アダ“と名付けられた少女はすくすくと成長し、という辺りまではヴィンチェンゾ・ナタリ監督の『スプライス』みたいかな程度の期待をしていたのですがそれにしては様子がおかしい。ちょっとしたサスペンスはあるもののすぐに解決してしまうし、途中から物語に加わるイングヴァルの弟ペートゥルが物語をまぜかえすかと思いきや全然そんなこともない。雄大にも程があるアイスランドの牧羊地での淡々とした生活をボーッと眺めていると微かな前振りの後に訪れる唐突な展開にビックリ・・・要するに、これは説明的な描写を一切排除した『パンズ・ラビリンス』。アダはオフェリアなんですね。これはビックリしますわ。
マリアを演じるノオミ・ラパスの存在感が圧倒的ですが、それと拮抗するのが馬、羊、犬、猫といった動物達。彼らの“演技“の重厚さにも呆気に取られます。
とにかくアイスランドの風景が壮絶なので、スクリーンで観るのは大正解でした。
リバーオブファンダメント
マシューバーニーの前述作品を見た時と視聴後の感覚が同じ。というのは言い過ぎだろうか?本質的には過ちを犯している白人世界もしくはキリスト教世界への警鐘だと僕は感じた。そもそも本作を見る上で、キリスト教における羊の意味合いを知っている方知っていないかでも全然受け取り方は変わるのであろうが、そもそも人間には純然たる羊飼いにはなれない。と言うことを伝えているのだと理解すると結末までの経緯もくっきりはっきりわかって味わい深いはずだ◎良い悪いは別で見ておいて損のない映画だと感想を残したい。
人間は喪失を産めるために代わりとなるものを見つけると盲目的にそれを受け入れきっちりと埋め合わせを行うが、その埋め合わせが本当に正しい埋め合わせで有るのかは見直す必要が有る。これが本作から僕が得た格言
キリスト教的なモチーフが潜んでいる不気味な超自然北欧ホラー
この映画は何かとキリスト教的なモチーフが散りばめられていたように感じました。
まず、羊と羊飼いという時点でかなりキリスト教っぽい。
さらに、主人公の名前がマリアだし、生まれた半羊半人の子どもの名前はアダ(おそらくアダム)だし、とにかくキリスト教のモチーフとして読み取れそうな要素が多く散見されていたように思います。
この映画はストーリーもかなり衝撃的でしたが、やはり作り込まれた絵画的な画作りを楽しむ作品な気がしました。
まず、左右対称のシンメトリーを意識した構図。
被写体にカメラがじわじわにじみ寄っていくような不気味なショット。
横スクロールで移動する被写体の真横にピッタリ付きながら撮影しているドリーショット。
そして、雄大な山岳を映し出した超ロングショット。
まるで美術館で展示されている絵画のように作り込まれた画作りを見ているだけでも元は取れた気がします。
最初はあれほど不気味な存在だったアダくんが、終盤に進むにつれて段々と可愛らしく見えてくるのが不思議でした。
ちょっと大人しめの男の子って言われても違和感がないレベルまでには半羊半人であることを意識しなくなっていました。
あとは何と言っても、ラストの衝撃的な登場人物。
えっ、こうゆう映画だったの?って、結構普通に度肝を抜かれたのでまだ観ていない人がいたら是非劇場でこの衝撃を楽しんでください。
#71 人間の欲望に対する罰なのか?
冒頭は真っ暗な真冬から始まるのに、その後はずーっと白夜の世界。
最初白夜がわからなくて、こんなに明るいのになんで寝るの?って思ったもん。
その違和感は、羊の子供を自宅の部屋に連れて帰ったところから最後まで続く。
本来なら家畜として犬や猫よりも低い地位にいた羊が、主人公夫婦の感情によってのみ人間に格上げされ、それにより主人公達を違和感を感じるようになる。
大自然のなかで不自然さを表すことで世間の違和感を表現したかったのか。
深読みした方が良いのか?
140本目。
産まれた所を見せなかった時点、そういう事かと思ったけど、成長した姿を見て一瞬コントかとも思ってしまった。
日常生活での人に見られたらとか、社会的にとかといった展開のハラハラする感じは、この環境からではね。
でも、あの大人の半獣を見た時は、宗教的な何かとは思ったけど、そんな事を考える性格ではないので止めた。
傑作まで行きつけなかった不条理もの
設定は奇抜ながら、それぞれのシーンは常時不穏な空気を纏わせていて映像としての吸引力はまずまずだったと思います。
うまく脚本をコントロールすれば「極上の愛憎劇」も狙えたかもしれないです。弟さんがいろいろ問題児なので起点になるかと期待してたんですがとんだ肩透かしでした。
ラストは一気に深みがなくなり、期待していた伏線も崩壊したのであんなのなら要らない(笑)。
なげぇ〜
2022年劇場鑑賞216本目。
羊飼いの夫婦にあることが起きるという話なのですが、あらすじ全部書いても三行位で終わりそうな話を約2時間かけてやるので、このカットいる?というシーンが何回もありかなり退屈な映画でした。そのくせ隠し方露骨すぎて一番の衝撃シーンは先に予想ついちゃったし。
主人公二人も出来事をあっさり受け入れて葛藤もなにもないのでそこを楽しめるわけでもなく、見どころのない映画でした。
気味が悪いが内容は・・・。
結構期待していたのですがもっとホラーテイストかと思っていたらそういうモノでも無く内容も微妙でした。
結局は親からの復讐を受けたと言う内容なのか悪魔に魅入られたと言う内容なのか今ひとつわかりませんでした。
造形が良い
アレの造形が良い。最後のも。不思議な居心地の悪さがあって。そういうのって大事だと思う。
全般に、意図されていることとは思うが、長い。不気味な雰囲気もあれだけ長いと慣れてきちゃうな。
子羊だったり、処女受胎的に子供がやってきたり、聖書からの寓意が多々あるのだろうが、読み解けなかった。
しかし予想を大きく超えるものはなかった…
よって「件」のごとし
日本でも昔から「件」の存在が巷で噂に上る。
人面牛体の妖怪で、生まれると直ぐに死んでしまうのだが、
その際に一つの予言をし、それが必ず当たるとの言い伝え。
それにインスパイアされた
原作『小松左京』/漫画『石ノ森章太郎』で〔くだんのはは〕のような作品もあり。
もっともこちらは、牛の顔に人間の体と、
江戸時代の瓦版に描かれた姿とは真逆なのだが。
山奥に住む羊飼いの夫婦『マリア』と『イングヴァル』が、
ある羊の出産に立ち会うと、
生み落とされたのは、羊でもない、
人でもない異形の生き物。
しかし、嘗て子供を亡くしていた二人は
『アダ』と同じ名前を付け、
その者を育てる決意をする。
授乳期間を終え、二足で歩行し、
言葉も理解するようにもなり、
我が子同然に育った『アダ』を愛しみ、
幸せに満ちた暮らしが続いていた。
中途、突然訪れた、夫の弟が波風を立てたものの、
直ぐに治まり、家族は平和な日常を過ごせるはずだった、が
突然の悲劇が一家を襲う。
我が国でも、牛頭・馬頭の例があるように、
獣頭人体の存在は不吉のサインであるに違ないない。
西洋でも「サタン」の姿が、頭の両の角で描かれるように
羊頭人体は禍々しいものではないのか。
それを夫婦は知っていて、目を塞いでいたのか。
北欧で、獣人説話があるのかは知らないけれど、
本作では冒頭から、その存在が示唆され。
いつどのようなタイミングと形で姿を現すのかがサスペンスも、
今回のそれの提示のされ方は衝撃的。
思わず、ぞっとしてしまう。
とは言え、本作は
おそらく〔オーメン(1976年)〕の流れをくむものに思われ。
勿論、ディテールに地域らしい要素は混み込まれてはいるものの
斬新さには欠けるよう。
羊のアダ討ち
ラムは子羊
シープはオトナの羊
羊のお産は通常足が先。
頭が先だと、逆子?
ノオミ・ラパスがクビを引っこ抜いたのかと思いましたよ。
人間の会話より羊の鳴き声が100倍多い静かなゆったりとした映画でした。
人間の原罪的な因果応報がテーマ?
獣姦の歴史が絡んでいるのか?
キメラの獣人(獣神)が出て来ましたが、正直みたくはなかったです。
う~ん、よくわかりませんでした。
セダンから下ろされて放置される革ジャン男の正体がわかるまでがとても不気味でした。
マリアが産んだと思うよなぁ。
彼にはなんも説明ないし。
それでも、兄さんの嫁とヤろうとするのは相当なグズ野郎。ドラムは叩くし、なに?あの80年代テクノ風のMVは?
冒頭。アイスランドには野生の馬がいるんですかね?凍死しないの?
サスペンスホラーとしてはかなり異色で、ホラー映画ファンは肩透かしを食ったと感じるでしょうね。
私はノオミ・ラパスをずっと観ていられて幸せでした。
不思議だけど(だから)面白い
このゆっくりと積み上げられていくホラー風味ファンタジーはノオミ・ラパスはじめ役者陣の演技によって高められていく。そして脚本監督ヴォルディミール・ヨハンソン(だれ)の才能を証明してみせる。
見ていくうちに不気味とかじゃなく、かわいくなっていくアダ。山中で羊飼いとして暮らしながら、子を喪った哀しみを背負っている夫婦に、ある日突然訪れる生命の誕生=異物。山頂にかかる霧のように2つの要素が境も曖昧に溶け合う。言葉で説明されることなく、けどそれが結果的により効果的にこの不思議な物語に観客をじわじわと引き込んでいく。何をしでかしたのか(酒癖の悪さ?)、バンドメンバーたちによって捨てられる弟という外部の人の訪問によって異様さが際立ち問われる家族円満。そんなバンドマン弟の役割としては、そうした"異物"を人間は受け入れることができる(のだろうか)ということだろうか。
最後にやってくる正体がヤバすぎる…。多様性の中で、そうした視点を向けられる側にある人知を超えた存在からの拒絶というか好意的ではない反応。意味深な最後はもはや、山頂の霧が晴れるように心のモヤモヤがやっとある意味/本当の意味でスッキリしたのか、一種『ミッドサマー』的ですらあるとも思えた。不本意な形ではあれ肩の荷が下り解き放たれる、少なくともそう見えなくもなかった。哀しみを埋め合わせる代替のような存在にはその特異さも目に行かないのか、あるいは受け入れられるのか?そうしたものがやって来ると飛びついてしまうのが自然な人間の心情だろうけど、それすらもすべて失って初めて本当の意味で(残酷ではあるが)再出発を切れるのか?
山や家を背に/目安として歩を進めるのでなく、川の音を聞いて。そういう風に最後の最後まで明確な答えを与えてくれることはなく観客に問いかけてくる…という意味で、この作品は映画として切り取られる前からその後まで続いていく内容だなと思えてよかった。
↓※以外ネタバレ含みます↓
ゾオン系ラムラムの実を食べたガチムチイケメン羊人間が羊をはらませて、時機を見計らって(なぜかガッツリ人間に懐いた頃に?!)回収/迎えにやってくる(なぜか不機嫌そうに??!)
呆気ない
とにかくもの静かな映画、セリフの分量は圧倒的羊の鳴き声で、こんなに登場人物が喋らない映画も久しぶりに見た。この後こんな展開かな?あんなかな?とか考えているうちに一気にラスト。なんとまあ呆気ない。世界観にはしっかり飲み込まれたので自分的にはよかった。この監督の次回作が楽しみ。それにしてもなんでR15?
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