「納得の種明かし」LAMB ラム Fさんの映画レビュー(感想・評価)
納得の種明かし
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ああいう子が生まれたからには、そういう原因だったという、納得の種明かしだった。
人と羊の間の子(獣人)が、アイスランドの大地に隠れ棲んでいて、そこにもきっと悲しい、恐ろしいドラマがあったと推測させるのだが、映画の冒頭で当然の事ながら牛には目もくれず、羊のメスに孕ませた子を、夫妻は神から与えられた子だと勘違いして、亡くした娘の代わりに育ててしまう。
キリスト教徒の白人は、神から自分達に与えられた土地だと解釈すると、新大陸でインディアンや、西海岸に先にたどり着いていた中国人も殺してしまった。
マリアが本物の母親である羊を射殺してしまうのも、神から自分達夫婦に与えられた子だという、キリスト教徒の西洋人特有の身勝手さを感じさせる。母親殺しの因果応報が描かれるラストを思うと、その所業を目撃していたのは、義弟だけではなかったのだろう。
最初は不気味だったアダが可愛く見えて来るのが見事で、それで義弟が射殺を止めてしまうのも理解出来た。
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