「設定改変しすぎて崩壊」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ カルラさんの映画レビュー(感想・評価)
設定改変しすぎて崩壊
せっかくオマージュを沢山入れるなど原作ゲームの雰囲気を重視してるのに、ゲームのリメイク1と2の内容を無理に詰め込み、設定を改変しまくったせいで、原作から遠く離れたものになってます。製作陣はほんとに、原作ゲームの雰囲気だけを再現したかったんだな…と思いました。
また全体的に説明不足なせいで、ゲーム経験者であれ未経験者であれ、話の全体像を把握するのは難しいと思います。
1と2が交互に進む脚本のせいで展開がとにかくだらだらしていて、有名な振り向きゾンビは映画の中盤あたりでやっと出てくる。盛り上がりどころが中々なく、終盤は駆け足。バーキンGも雑に処理されるし、終始見どころがありませんでした。
あとキャラクター。監督は「重要なのは容姿を似せることではなく、いかに熱意を持ってそのキャラを演じられるかだ」的なことを言ってましたが、そもそも全員、性格や設定を大きく変えた上に容姿まで違うので、原作のキャラと同一人物だと思うのはもう無理でした。名前だけ同じの別人でした。しかもその改変に魅力が全くない。特にレオンはただの無能、ウェスカーは金の為に仲間を裏切ったただの小悪党になってるし。ウェスカーがサングラスをかけるシーンは、情けなさ過ぎて笑えました。あと細かいですが、キャラを名字呼びするのやめてほしかった。マリーニは何とか分かったとしても、ドゥーリーと聞いてすぐ誰なのか分かる人って、相当コアな原作ファンだけだと思う…。
恐怖演出では、クリスが暗い部屋でゾンビを次々撃つシーンは緊迫感があって良かったと思います。あと、軽い音楽が流れてる最中に襲われる的な演出が3回くらいあって、飽きました。全体的に「ここで襲ってくるんだろうな」と容易に想像できるカメラワークや演出が多く、恐怖としては物足りなかったです。
原作オマージュでは、警察署や孤児院などはよく再現されてましたが、本質も理解せずとりあえずぶっこんだであろうものも多かった気がします。特にかゆいうま。血文字で書いてる本人はその時点で痒くも食ってもおらず、無表情で書いて立ち去ろうとするだけなので、なんかシュールでした。その後助走してガラスを突き破ってきた時は、もうギャグかな?と…。
続編は作らないでいただきたいです。