「こんなことって....」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ マラサイさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなことって....
映画の内容としては良くも悪くもB級映画的なノリでそこそこ楽しめたが、問題はポリコレ要素。
近年アメリカを中心として人種性別による役割を撤廃するため、黒人のヒーローやヒロインの活躍が多くなっており、その度に議論が巻き起こっているそう。
もちろん差別はダメだし、私自身ポリコレに反対しているわけではないのだが...
原作の設定を変えてしまうのはなんなのか?
ジルは原作では作品によってデザイナーが変わったりしているので、顔つきは各作品毎に別人になっている(これは男性キャラも同じ)が、一貫として白人系の人間であることは変わっていない。
しかし本映画はなんとジルが黒人系の女優を起用してでの公開である。
違和感や文句の一つや二つが出るのは製作者も重々分かっていたはずなのでは??それとも何か重圧に負けたのだろうか?
レオンも同じ。おおよそ原作を再現したとは言いがたいキャスティングに加え、ただのヘタレと化している。
この理由は簡単で、要は原作では完全無敵の超人であったレオンをそのまま映画に持ち込むと、女性の活躍が狭まるからである。つまり強い女性を表現したいが為に外見も中身も別のキャラクターとして描き、女性を活躍させるが為の"装置"としてレオンを"改悪"したのであろう。
あまりにも安易な描写に心底ガックリ来た。
こんなことをして女性の社会進出が叶うとでも言うのだろうか?
また劇中最後にウェスカーが復活し、エイダと接触するわけだが、原作ではエイダはあくまでウェスカーの部下であり(ただ裏切ったりはしている)、ウェスカーの上に立つ人物ではなかったはずだ。この映画の脚本的には納得行くのだが、折角原作を再現しているのであれば何とかならなかったのであろうか。
更にもっと言えばウェスカーや署長、バーキンと言った"悪役"はポリコレが適用されず?白人キャストが起用となっている。もう何が言いたいかはお分かりであろう。
申し訳ないがこれではただのエゴにしかなっておらず、ポリコレがますます嫌われていく原因になりかねない。
このままのペースでポリコレが進むとマズイことになると私は危惧しているのだが、現実になりつつあるのが1番怖いことである。