「旧シリーズにあった絶望的なダメダメをゲーム版へのリスペクトに差し替えた、これっぽっちも怖くないお子様仕様の謙虚なホラー」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0旧シリーズにあった絶望的なダメダメをゲーム版へのリスペクトに差し替えた、これっぽっちも怖くないお子様仕様の謙虚なホラー

2022年2月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

3作目以外は『バイオハザード』の看板に唾を吐くかのような腑抜けたクズばかりの旧シリーズを反省したのか、本作はゲーム版へのリスペクトを滲ませた作り。とは言っても『〜ザ・ファイナル』の6割くらいしかない予算で表現出来ることは限られているので、ゲーム1作目の洋館と2作目のラクーン市警察署に舞台を絞り込んで派手な見せ場もごっそり削ってアクションシーンやゴアシーンも直接描写するのではなくマズルフラッシュ越しで断片的に見せる等あの手この手の工夫を凝らして観客の想像力に訴える作りになっています。ポール・W・S・アンダーソンの演出に常にあった「お前らが観たいのはこれだろ?」と勘違いした厚かましさがごっそりなくなっていたのが嬉しいですが、ショッキングなシーンのたびに前もって効果音のイントロがあるという忖度が行き届いた演出のおかげでこれっぽっちも怖くないのが物足りないです。ゲーム版を知っている人にとっては正直全く面白くないストーリーなので、ゲームをやったことがない人の方が楽しめる作りになっているかも。主演のカヤ・スコデラーリオはとにかく鋭い眼光が魅力、続編での活躍を期待しています。

よね