「原作ファンです。この監督はオリジナルを作った方がよかったのでは?」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 桃色ミスティさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンです。この監督はオリジナルを作った方がよかったのでは?
正直に書きます。原作ファンの方は見に行くと損します。
これはバイオハザードの同人映画だと言われたら納得できますが、同人にしてはお値段高すぎです。
バイオの映画は同人作品しか作らないのかな?と悲しくなりました。
同人誌でももっと設定忠実ですよ?
この監督は普通のオリジナルストーリーのホラーを書いた方がもっといいものが出来たんじゃないかな?と思います。監督ご自身は、インタビューで「自分でプレイして、洋館で初めて白衣の坊主ゾンビに出会ったゾンビに衝撃を受けた」とおしゃってました。
なので、監督ご自身が感動したのはゾンビにのみ感動した、ただのオカルトマニアなのでしょう。
その証拠に建物の再現が不完全な点と他の登場人物のキャラクター性は適当のように感じました。
建物の再現については、うっすらした記憶でしか洋館を覚えてないか、チェックしてないんだろうなって思いました。構造的に無理なのかもしれませんが…。
美術さんは頑張ったんだと思いますが、警察署も洋館もめちゃくちゃスケールが小さいです。
洋館なんて内装ミニチュアかと思いましたし、外から見るより狭い感じがして心の中で『どしたん?施工工事失敗したん?』って思いました。
そこまで大きいスタジオを借りれなかったのか、内装が近い建物内でロケをしたのかわかりませんが、兎に角洋館のロビーが狭くてびっくりしました。
CGで作ってもいいので、もっと奥行きを持ってほしかったです。
例のゾンビがいる場面でも、部屋と廊下の感じが違って残念でした。
キャラクターについて、適当だと思ったところは人種と性格です。
(人種差別をしているわけではありません。)
レオンは白人の金髪碧眼ではなくインド系の男性で、キャラクターも終始なよなよおどおどしてて、レオンのかっこよさが出ていませんし、ジル・バレンタインも髪がブラウンの白人ではなく褐色の美女でした。
お二人の演技が上手いだけに原作ファンとしては本当にイライラしました。
このレベルの白人の役者を持って来い!と。
以前、舞台版の「ハリーポッター」でハーマイオニーが黒人の方で、ひと悶着ありその際にJ・Kローリング氏が「(ハーマイオニーの)肌の色について言及したことは一度もない」と言って、その場を収めたことは有名ですが、今回に限っては原作はゲームで肌の色も、キャラの容姿も性格も公式のカプコンがちゃんと設定しているのに、そこを忠実に守らないで何がゲームを忠実に再現していると言えるかと思いました。
例えば、今回のバイオがゲームの「バイオハザード5」を元にしていて、今回ジルを演じた方が、シェバなら何の問題もないわけです。むしろ、歓迎です。絶対合うと思いました。そう思う原作ファンも多かったはずです。
でも、今回演技のみで選ばれた…。実力はあると思います。だからこそ惜しかったです。
あと、シーンの繋げ方が下手糞でした。警察署と洋館が同時進行で進んでいき、ちゃんとシーンに繋がりを持たせないと、取っ散らかって見てる大半は置いてきぼりになった方が多かったのではないでしょうか?
私は同時進行で進んでいるんだなと理解出来ましたが、後ろのカップルは小声で「どういうこと?」って言ってました。
とにかく、この監督がしたかったことは、人がどのようにゾンビに変異していくかと、クリスが洋館の食堂で弾が切れてジッポを使って照らしていたけど、途中で付きににくくなったジッポをゾンビが迫りくる中付けたり消えたりしてもう次食われる!って瞬間に目の前からゾンビが消えて、後ろからガーッとくるのがしたかったでしょうね。
あのシーンを見た時にこれが本当はやりたかったのかと思いました。
バイオ!って思ったところは、変異した敵と対峙する時敵にまだ自我があり「妹は賢くて、お前はなんでそんなに馬鹿なんだ?」って煽られた時、心の中で『いや、だってクリスはゴリラだし』ってツッコんだのが、バイオを唯一感じた場面でした。
バイオハザードって題名じゃなく、キャラクターを使用しなければ、普通に楽しめたと思います。
これは私の予想なんで別に読まなくていいですが・・・
この監督ゾンビ映画好きでオリジナルで書いていったらバイオのパクリみたいになって、最終的にバイオにしようってなったか、ゾンビは好きだけどバイオは知らなくて、こういう映画作りたいんだけどっていう話が来て、とりあえずプレイしてみるか!と思って、プレイしてみたけど、最初のシーンと「かゆ うま」ワードしか印象に残ってなくて、それをぶち込んどいたらファンは喜ぶんだろ?って感じで作ったのかな?と思うような展開とキャラ付けでした。
兎に角、監督はレオンが嫌いな事は何となく察しました。