「純粋に本格ゾンビを楽しむ」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0純粋に本格ゾンビを楽しむ

2022年2月2日
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何かとオタクなポール・W・S・アンダーソンが世に送り出した実写映画化シリーズは、アリスというオリジナルのチートキャラありきの全く新しい展開であった。一方、オリジナルのゲームは純粋なゾンビホラーゲームというスタイルは変わらずに、人気を博している。
劇場で公開されるや否や絶大な人気を誇る作品となった「バイオハザード」だが、もう世間一般バイオハザード=アリスが定着している様になっていた。
そんな中、原点回帰となる本作はそのアリスを一切出さず、ゲームに忠実な映画化作品となる。
一応リメイク版となるのだろうが、過去作がぶっ飛び過ぎていたせいか、その感覚も薄いのは気のせいだろうか。監督のヨハネス・ロバーツは、原作ファンに喜んでもらえる様にイースターエッグを散りばめたと発言しているが、ファンの間ではお馴染みの「かゆい うま」が出てきた瞬間は笑顔になった。ただ、残念な事に私自身ゲームにあまり時間を割いた事が無く、本ゲームシリーズも最初の方をかじった位である。

それはさておき、新年一発目のゾンビムービーとなる本作だが、今回はきちんと「怖い」。暗闇でフラッシュ点滅がされる度に血みどろのアンデッドが襲いかかって来る演出は、近年のゾンビ映画の中でも恐怖度が高いと思う。「新感染 ファイナル・ステージ」とは比べ物にならない。過去の本シリーズはどちらかと言うとアクションが多く、派手な演出や展開など、SF作品という魅力もあった訳だが、その感覚のまま鑑賞すると序盤からかなりビビらされる。不穏な空気感、程よいグロさ、隠された秘密・・・中々盛り上げてくれる要素がてんこ盛りである。このスタンスでシリーズ化されていくかは謎だが、もしMCUの様にユニバース化したら何か笑えてしまう。
オマケ映像もあり、これまた原作ファンはニヤリと出来るだろう。「モンスターハンター」よりは期待出来そうだ。

Mina