「痛快&爆笑!真のバイオファンは見るべきアトラクション映画!」バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ AR15さんの映画レビュー(感想・評価)
痛快&爆笑!真のバイオファンは見るべきアトラクション映画!
レビューは辛口評価が多いようだが、この映画にブーイングする人は楽しみ方を間違えているように思う。
何から何までゲームを完全再現した実写化作品だとか、軽装な美男美女が華麗にクリーチャーを撃ち砕くアクション作品だとか、身も凍るような戦慄の新鋭ホラー作品だとか、そういうものを期待する意気込みで観ては恐らく楽しめないと思う。
これは原作のバイオ1とバイオ2をリメイク含めてきっちりクリア済みの生粋のバイオファンに向けて作られた、【アトラクション映画】であると思う。
無限ロケラン獲得まで身を粉にしてそれらの作品を遊んだ自分にとっては、とにかく拍手喝采な大満足な作品であった。
まず舞台や小道具のこだわり方が尋常でなく、洋館、警察署、孤児院のデザインは本当にゲームそのものだし、タイプライター、ハーブやショットガン弾薬箱など本編に特に関わらない小物まできっちり再現されている。
そうした完全にゲームの空気を再現した舞台の中で、意図的に人間味あるダウングレードがされたキャラクターたちが動いていくのが面白い。
クリスやウェスカーは鍛えた普通の警察官という出で立ちだし、レオンに至ってはだらしないボンクラ新人という感じで、ゲームのような尖ったケレン味がない。同じ名前と役職を持っていても別物のように思える。
だからこそ本作は、ゲームをプレイ済みであったとしても、パラレルワールド作品として楽しむことができる。
★ゲームファンとして個人的に熱いパラレルポイント
・クレアとクリスがラクーンシティで再会できる
・レオンとSTARSメンバーの絡みがある
・あの大悪党ウェスカーが裏切りを躊躇する仲間想いキャラに
・あの人間の屑ブライアン署長がクレアと共闘する展開に
・リサトレヴァーとリッカーの凄すぎる競演
・シェリー、アネット、ブラッド、リチャード(バイオ1の血清マン)、ベン(バイオ2の記者)なども登場
・ウェスカーがピアノで月光弾く
・でもカプコンヘリは落ちる
バイオ1と2のクロスオーバーを活かしたパラレル展開が盛りだくさんで、「え!?そうくるか!」と興奮の連続。
誰しも、自分の好きな作品のIF展開を想像したりファンメイド作品でニヤニヤしたりすることがあるはず。この映画は、まさにそんな感じだ。
ストーリー展開は早めで説明も多くないので、バイオを全く未見だという人や一本の映画としての高い完成度を求めるような人には合わない可能性があるが、バイオシリーズ履修済みのファンはまず楽しめる作品に仕上がっている。
観る前に、バイオハザードRE2をお持ちの方はプレイしておくと、「あー、アレだ!!」と劇中でいっそう盛り上がれるのでオススメ。
この監督と制作陣で、次はゲーム『バイオハザード4』の実写化を個人的に期待したい。
バイオ3の実写化は先駆者のミラ・ジョボビッチ主演の映画が至高すぎるので、今回の制作チームには是非、このボンクラ設定のレオンが美少女を邪教徒から華麗に救い出すホラーアクションをやってほしいと強く望む。