「KING OF POP」劇場版 おいしい給食 卒業 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
KING OF POP
毎週一本のペースで映画館に行くのだが「流浪の月」とか「わたし達はおとな」とか迷ったけれどしんどいのはちょっと気分ではなくて単純に楽しい映画が観たかった。本作は劇場版2作目でドラマシリーズも2シーズンまで終わっていて私は全く未見だったが市原隼人のメーター振り切った演技とドラマのルーティーンとおぼしき「給食の時間」の「いただきますの合唱」までのワクワク感がただただ楽しく異常に高めのレビュー評価も間違いでは無かった。80年代中盤のちょっと田舎の中学校が舞台できっと誰もが共感できる「ザ給食」のスタイルがこの時代の献立なのだろう。埼玉県小川町の廃校になった小学校でロケしているのだが、全く校門らしくない公園の入り口みたいなフェンスにチープな「黍名子中学校」と書いた看板をくくりつけて校門という設定にしており「観て欲しいのは給食なんだよ」というスタッフの意気込みが表れているようで(私の思い過ごしだろうが)制作費切り詰めています感がむしろ清々しかった。ストーリーも演技もとことんくだらないのだが突き抜けてやりきっており、終盤一つ余ったカップケーキをかけての争奪ジャンケンがこれでもかとなかなか決着つかずのあいこ繰り返しで盛り上がり担任の市原が勝ってガッツポーズするシーンはロッキーがエイドリアンと抱き合うシーンに匹敵するぐらい感動的で恥ずかしながら少し泣けました。市原隼人と綾部監督は「KING OF POP」を目指したと語っており給食でこれだけのドラマを作ってくれちゃっていることへ感謝するのみである。